台湾子会社の解散登記を終えても、会社の預金をそのまま日本の親会社へ戻すことはできません。経済部の会社登記案内は、解散開始から15日以内の登記申請と、その後の清算を分けて説明しています。売掛金、債務、従業員、税金を残したまま送金額を決めることはできません。
解散決議は会社形態に合わせる
台湾の有限会社(有限公司)は、会社法第113条により、解散に社員議決権の3分の2以上の同意が必要です。株式会社(股份有限公司)は第315・316条に従い株主総会で決議します。通常は発行済株式の3分の2以上を代表する株主の出席と、出席議決権の過半数の賛成が必要です。定款による加重や法律上の別の扱いも確認します。日本本社の決裁書だけで台湾法人の決議を代替することはできません。
外国会社の台湾支店を閉じる場合は、現地法人の解散とは手続が異なります。会社法第378条は、台湾で営業を続けない外国会社に支店登記の廃止申請を求め、廃止前の責任・債務は残ると定めます。すべての台湾支店の登記が取り消し・廃止された場合、第380条により台湾の事業から生じた債権債務を清算し、未払債務は外国会社が負担します。経済部の書類一覧にも、営業を続けない場合の支店廃止が独立した申請項目として載っています。
債権者と裁判所への手続
有限会社では、第113条が準用する第79条により、原則として出資者(股東)が清算人です。適法な別段の定めや選任があればそれに従います。清算人は就任後15日以内に裁判所へ報告し(第83条)、債権者へ公告し、把握している債権者には個別に通知します(第88条)。清算終了後の出資者の承認と裁判所への報告は第92・93条に規定されています。
株式会社では取締役が原則として清算人になります(第322条)。第327条は、債権届出を求める公告を3回以上行い、届出期間を3か月とし、既知の債権者には別に通知するよう定めます。財産目録などの裁判所への報告と終了時の報告は第326・331条です。有限会社の公告にも一律にこの「3回・3か月」を当てはめることはできません。いずれも、債務の清算前に財産を株主へ分配できません。
税務申告と資金の戻し方
所得税法第75条は、解散・廃止等に伴う当期の決算申告を主管機関の承認文書の発文日の翌日から45日以内に、清算所得の申告が必要な場合は清算終了後30日以内に行うよう定めています。財政部の説明で起算点と適用関係を確認できます。営業税の税籍抹消も別途必要で、財政部の案内は解散・廃止から15日以内の申請を示しています。清算人は残余財産の分配前に、法定の順序に従って税金を納めなければなりません。
親会社への送金は、債務・税金の処理と分配の根拠を示せる状態にしてから銀行の必要書類を確認します。外国会社が台湾での事業を清算している間、会社法第381条により台湾内の財産を国外へ移すことは禁止されます。財産の処分も禁止されますが、清算人が清算を執行するために行う処分は例外です。
従業員への対応は終了日程と合わせて検討します。雇用面は台湾の解雇・資遣費と子会社従業員の解雇をご覧ください。資金回収と組織形態については出資金の引揚げ、子会社と支店も関連します。
昊鼎國際法律事務所では、登記、債権者、税務の資料を踏まえて終了手順を検討できます。曾雋崴(Wei Tseng)弁護士への連絡先は wei@hoveringlaw.com.tw、103 臺北市大同區承德路一段35號7樓之2です。
参照資料
2026年10月1日確認:会社法、経済部の会社登記案内、外国会社支店の書類一覧、所得税法、財政部の決算・清算申告案内、税籍抹消案内、残余財産分配前の納税。
よくある質問
- 解散登記が済めば、台湾子会社の預金を親会社へ送れますか。
- 直ちに送れるわけではありません。清算人が債務・税金を整理し、残余財産の分配根拠を確認する必要があります。
- 清算人は誰になりますか。
- 有限会社では原則として出資者(股東)、株式会社では原則として取締役です。法律、定款、適法な選任によって変わります。
- 台湾支店の廃止で外国本社の債務も消えますか。
- 消えません。台湾会社法第378条は、支店登記の廃止前に負った責任や債務が免除されないと定めています。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



