車内から見た昼間の下り坂に灰色のセダンが斜めに止まり、長い棒を持った人が開いたドアの横に立っています。
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6分走った先でも、同じ車に道をふさがれた

約10分

この記事で扱うような路上での対立を説明するために、AIで生成した架空の場面です。判決で扱われた事件を撮影した写真でも、その事実関係を再現した画像でもありません。

01 / 14 · 車の横でバットを持つ架空の場面男性はバットを下げて持ち、振ったり、人や車に当てたりしません。 士林事件の当事者や、二度の進路妨害を再現した映像ではありません。
二度の進路妨害、六分間の走行とバットの評価140秒の無音映像で、二度の停車とその間の走行、物の識別、被告人の説明、強制と脅迫の関係、一審の刑と証拠の範囲を整理します。人物・車両・場所・書類・画面はAIで作った独立した架空の場面です。士林事件の再現や元の車載映像ではありません。冒頭にバットを振る動作や殴打はありません。判決にない日時・停車時間・行動を画像で補えません。字幕は本文と公開判決の要約で、その後の上訴・確定は未確認です。

高速道路の南港出口から舊宗路へ向かう車線で、乗用車が車線を変え、別の乗用車の前に止まりました。運転者は棒のような物を手に降ります。進路をふさがれた側の車は、その後6分間、走り続けました。すると、先ほどの車が二重の黄色線の左側を逆走し、右側の車線へ戻ってきます。進路をふさがれた車が左折しようとすると、相手もついて左折して道をふさぎ、2台は道路の途中で停止。再び降りてきた運転者は、木製の野球バットを持っていました。臺灣士林地方法院115年度易字第383號刑事判決(2026年6月26日)

これは、裁判所が進路をふさがれた側のドライブレコーダーを法廷で調べ、判決に記した動きです。この映像確認を判決では「勘驗」と呼んでいます。収録された判決本文には、事件の年月日や時刻、画面の時刻表示はありません。犯罪事実は添付の起訴状を引用する形式ですが、今回確認した資料にはその起訴状の内容が収録されていません。時間について具体的に示されているのは、最初の場面の後に進路をふさがれた車が走り続けた6分間です。

進路をふさいだ運転者には、有期徒刑3か月が言い渡されました。ただ、本人は逆走して追い越したことを認めながら、強制も脅迫もしていないと争っています。相手の車を止めただけだという説明を、裁判所はどう見たのでしょうか。

止めただけ、という言い分

被告人は、相手が先に自分の車をあおったと主張しました。現場は公共の場所であり、逆走して追い越しはしたが、車を止めたのであって、あおったわけではない。さらに、相手は南港トンネルで窓を下げ、こちらに何か言っていたとも述べています。いずれも被告人の説明で、相手の先行行為として裁判所が認定した事実ではありません。

告訴した側の運転者は、法律に従って刑を定めてほしいとの意見を述べ、検察官は重い量刑を求めました。判決の証拠一覧には告訴人の警察・検察での供述が載っていますが、その供述全文は掲載されていません。相手側の言い分を、映像にない台詞や細かな経緯で補うことはできません。

2度目に降車した際の言葉も、勘驗結果に残っています。「你媽的,你叭什麼意思,你叭誰啊」。罵り言葉に続けて、クラクションを鳴らしてどういうつもりなのか、誰に向かって鳴らしたのかと問い詰める意味です。ただし、告訴人がいつ、どのような状況でクラクションを鳴らしたかまでは書かれていません。発言が記録されたことと、その発言が前提にしている出来事が確認されたことは区別されます。

裁判所が合わせて検討したのは、車を止めるまでと、止めてからの行動でした。2度の進路妨害に加え、逆走での追越し、バットを持って相手の車へ歩いていく動き、2度目に浴びせた罵声があります。バットは人の身体を傷つけ得る物で、その場で手にして近づく行為には、強い威嚇の意味があると判断しました。

判断の基準は、当事者のどちらかの自己評価ではありません。判決の表現は「客觀理性第三人」、つまり客観的で理性的な第三者の視点です。争いが起きた状況、前後の経緯、具体的な動作を合わせて見ると、告訴人は運転を続けられなくなり、殴られるなどの危害を受けるのではないかと恐れる状態になっていた。裁判所は、行動の自由を妨げたうえ、生命・身体への危害も告げた行為だと認めました。

相手が先にあおったのか、窓を下げて何か言ったのか、そこが公共の場所だったのか。裁判所は、これらはこの行為についての判断と関係がないとしました。相手が先に何をしたかを確定して無罪・有罪を分けた判決ではなく、被告人自身がどう車を止め、何を持って近づいたかを根拠にした判断です。

バットで殴ったという認定はなくても

台湾刑法304条1項の「強制罪」は、暴力や脅迫によって、他人に義務のないことをさせたり、権利の行使を妨げたりする犯罪です。法定刑は3年以下の有期徒刑、拘役、または9,000台湾元以下の罰金。今回、車を進められなくしたことは、この権利行使の妨害として評価されました。中華民國刑法304条

判決理由には、バットで人や車を殴ったとの記載はありません。それでも、進路をふさいだ直後にバットを持って近づくという流れから、裁判所は脅しを認めました。単にバットを車に積んでいたという判断でもありません。手にしていた場面と相手への近づき方が、運転を妨げる行動と一緒に評価されています。

脅迫については、別に刑法305条の「恐嚇危害安全罪」も成立するとされました。生命、身体、自由、名誉、財産に害を加える旨を告げて人を脅し、安全への危害を生じさせる犯罪で、法定刑は2年以下の有期徒刑、拘役、または9,000台湾元以下の罰金です。中華民國刑法305条

この事件で二つの罪が出てくる理由は、被害の捉え方にもあります。道をふさがれて先へ進めないことに加え、バットを持った相手が近づくことで、身体への危害を恐れることになる。裁判所は車の動きと降車後の動作を通して、この両方を認めています。車に接触したか、実際に殴ったかだけを見ていては、この判決が認めた自由と安全への侵害を読み落としてしまいます。

ところが、判決の主文に出てくる罪名は強制罪だけです。脅迫の証拠が足りなかったわけではありません。裁判所はまず、交通上のトラブルから同じ犯意で続けられた複数の動作について、侵害された利益が同じで、時間・場所の面でも無理に分けるのは適切でないとして、ひと続きの犯罪である「接續犯」と捉えました。

さらに、強制と脅迫の行為には重なる部分があり、法律上は一つの行為が二つの罪に触れる「想像競合」に当たると判断しました。そのため刑法55条前段により、重い強制罪で処罰しています。脅迫について無罪としたのでも、二つの刑を足したのでもありません。中華民國刑法55条

3か月の刑と、没収された1本

士林地方法院の2026年6月26日判決は、強制罪で有期徒刑3か月とし、「易科罰金」の場合は1日を1,000台湾元で換算すると定めました。押収されたバット1本も、被告人の所有物で犯罪に使われたとして、刑法38条2項により没収の対象になりました。中華民國刑法38条

易科罰金は、所定の条件のもとで自由刑を金銭に換えて執行する制度です。刑法41条1項は、法定刑の上限が5年以下の有期徒刑である罪などについて、6か月以下の有期徒刑または拘役を言い渡された場合に、1日を1,000・2,000・3,000台湾元で換算できるとしています。ただし、金銭への換算では矯正の効果が得られにくい場合や、法秩序を維持しにくい場合は除かれます。今回の1日1,000台湾元という数字は刑の換算基準で、交通違反の行政上の制裁金や、相手への賠償額ではありません。中華民國刑法41条

量刑では、交通上のいさかいから車とバットで相手を怖がらせ、自由を妨げたことや、犯行を否認する態度が考慮されました。被告人には調停に応じる意思があったものの、双方の案の隔たりが大きく、成立しなかった事情も挙げられています。調停が成立しなかったことから、賠償額まで推測することはできません。この刑事判決は民事賠償額を定めておらず、免許やナンバープレートの行政処分についても結論を示していません。

これは一審の判断です。判決には送達を受けてから20日以内に同法院へ上訴状を提出できると記されており、実際に上訴されたか、確定したかは、この資料からは分かりません。

6分を挟む映像が残したもの

映像に戻ると、最初に手にしていた物は「不明棒狀物體」、正体の分からない棒状の物と記されています。2度目は「木頭棒球棍」、木製の野球バットです。最初の場面から映像だけでバットだと特定できた、と読み替えることはできません。証拠一覧には、車載映像と交差点の監視映像を収めたディスク1枚、静止画像10枚、押収関係の資料などもありますが、判決が車の動きを具体的に説明する際に挙げているのは、告訴人側のドライブレコーダーの勘驗結果です。

証拠は映像だけではありません。被告人の警察・検察・公判での供述、告訴人の供述、内湖分局の押収調書、押収物の目録と写真、裁判所の勘驗調書も列挙されています。ただし、監視映像のどの部分を使って何を認定したのか、各資料がそれぞれどれほど判断を左右したのかは、判決の証拠一覧だけでは分かりません。映像ファイルの存在と、裁判所が理由の中で具体的に説明した内容との間にも、読み分けが要ります。

台湾で車を運転していて同様のトラブルに遭ったとき、この判決から考えられる備えは、問題の一瞬だけでなく前後を含む映像を残すことです。今回、6分を挟んだ二つの場面は、裁判所によって一連の行動として評価されました。短く切り出した映像だけでは、最初の停止と、その後の逆走・進路妨害とのつながりを示せないことがあります。これは判決の証拠評価から導く保存上の工夫で、判決が一定時間の保存を義務付けたわけではありません。

もちろん、他の車の前で止まる行為がすべて強制罪になる、という判決でもありません。この事件で裁判所が見たのは、二度にわたる妨害、逆走での追越し、バットを持って近づく動き、罵声という具体的な組合せです。車を止めただけという本人の説明と、相手が走り続けられなくなった状況との違いは、前後を含む映像の中に残っていました。

出典

判決

法令

この記事は公開判決文と法令をもとに作成しました。資料確認日:2026年10月3日。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。