台湾に帰化すると日本国籍はどうなるか:原国籍の喪失証明と高級専門人材の例外
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台湾に帰化すると日本国籍はどうなるか:原国籍の喪失証明と高級専門人材の例外

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期限は、帰化が許可された日から1年です。台湾で帰化を許可された外国人は、この間に元の国籍を失ったことの証明(喪失原有國籍證明)を提出しなければならず、出せなければ帰化の許可は取り消されます(台湾の国籍法第9条)。

台北で台湾人の配偶者と暮らして4年になる日本人が、帰化を申請して許可されました(架空の例です)。この人は許可の日に台湾の国籍を取得し(国籍法第8条)、同じ日から1年の期限が始まります。

この証明を出さなくてよい場合が、三つあります。その一つが、中央の所管官庁の推薦を受けた「高級專業人才」(以下、高級専門人材)として帰化を申請する場合です。ただ、台湾が証明を求めないからといって、日本国籍が残るとは限りません。日本国籍を失うかどうかは、日本の国籍法が定めています。

居留期間は5年、3年、2年

申請の前提は、台湾に住所があることです。一般、配偶者、高級専門人材のどの区分でも変わりません。ここでいう住所は、長く住む意思で台湾に住み、有効な外僑居留証(ARC)または外僑永久居留証(APRC)を持っていることを指します(施行細則第4条)。

一般の要件は五つあります(国籍法第3条)。まず居留です。毎年合計183日以上の合法的な居留が、5年以上続いていなければなりません。残りの四つは、台湾法と本国法のどちらでも行為能力があること、素行不良がなく刑事事件の記録がないこと、自立できるだけの財産または専門技能があること、基本的な言語能力と国民の権利義務についての基本常識があることです。

居留期間などは申請の区分によって変わります。次の表は2026年10月6日時点の条文によるものです。

区分居留期間帰化テストの合格点元の国籍の喪失証明
一般(国籍法第3条)毎年183日以上を5年以上継続70点許可の日から1年以内に提出
台湾国民の配偶者など(第4条第1項)毎年183日以上を3年以上継続60点許可の日から1年以内に提出
高級専門人材(第5条第1項第3号)毎年183日以上を2年以上継続、または過去に5年以上継続して居留60点不要

3年の区分には、配偶者のほか、台湾国民の養子、台湾で生まれた人、父または母が現在または過去に台湾国民である人なども入ります。このうち台湾国民の配偶者は、財産・技能の要件を満たす必要がありません(第4条第1項第1号)。

期間は、申請の時点からさかのぼって数えます。途中で途切れてはいけません(施行細則第6条)。施行細則第5条により、台湾での就学を理由とする居留の期間などは、この計算に入りません。

配偶者以外の一般の申請者は、いくつかある方法のいずれかで財産・技能の要件を満たします。直近1年の台湾での平均月収が労働部公告の基本工資の2倍を超えること、台湾にある動産と不動産の評価額が500万台湾元を超えること、などです(2024年11月19日改正の施行細則第7条)。APRCを持っている人は、この証明書類の添付を省けます(施行細則第9条第3項)。APRCの要件は台湾の永住許可(APRC)はいつ申請できるかで説明しています。

言語能力と基本常識は、テスト以外でも証明できます

言語能力と基本常識は、台湾の学校に1年以上在学した証明、政府機関が開く講座を所定の時間以上受講した証明、帰化テストの合格証明のいずれかで認められます(「歸化取得我國國籍者基本語言能力及國民權利義務基本常識認定標準」の第3条)。講座の時間数は、一般の申請者が200時間以上、台湾国民の配偶者などが72時間以上、第5条による申請者などが100時間以上です。

テストは20問で、口頭試験と筆記試験のどちらかを選びます。口頭試験は華語、閩南語(いわゆる台湾語)、客家語、原住民族の言語から一つを選んで受けられ、筆記試験は華語で行われます(同標準第6条)。満点は100点です。65歳以上の人は、50点で合格です(同標準第7条)。

窓口は住所地の戸政事務所です。申請は本人が行います(施行細則第2条)。

許可から1年以内に出す喪失証明

期限の延長を申請できるのは、一つの場合だけです。元の国籍国の法律や行政手続の制限で期限内に出せないことを、外交部が確認した場合です(国籍法第9条第2項)。延長を申請するときは、元の国籍国に国籍の喪失を申請したことを示す書類を添えて、遅くとも期限の30日前までに手続きをします(施行細則第11条)。

証明を出すまでは、定居の許可も受けられません(国籍法第9条第3項)。定居とは、台湾に居住して戸籍を設けることをいい、帰化で国籍を取得したもののまだ戸籍のない人は「無戸籍国民」に当たります(入出国及び移民法第3条)。

帰化した人は、まず移民署に居留を申請します(同法第9条)。定居を申請できるのは、同法第10条が定める期間を居住した後です。1年間なら335日以上です。連続する2年間なら毎年270日以上、連続する5年間なら毎年183日以上で、このいずれかを満たせば足ります。定居が許可されたら、30日以内に戸政事務所で戸籍の登記をします。帰化の許可が出た日に戸籍ができるわけではありません。

喪失証明がいらない三つの場合

国籍法第9条第4項が挙げるのは、高級専門人材として申請した場合(第5条第1項第3号)、台湾に対する特別な功績(殊勳)によって申請した場合(第6条第1項)、本人の責めに帰することができない事由で喪失証明を取得できない場合の三つです。功績による帰化は、内政部が許可する前に行政院の承認を得る必要があります。

高級専門人材として申請するには、中央の所管官庁(中央目的事業主管機關)の推薦を受け、台湾の利益に資すると認められ、内政部が社会の公正な立場の人(社會公正人士)と関係機関を招いて行う共同の審査を通らなければなりません。居留期間は短くなります。住所、行為能力、素行、自立、言語の要件はそのまま適用されます。

どのような人が高級専門人材に当たるかは、「歸化國籍之高級專業人才認定標準」の第2条が定めています。分野は六つです。科学技術、経済、教育・学術研究、文化・芸術、運動(スポーツ)、その他に分かれます。経済の分野には、半導体、集積回路、光電などの企業で専門職に就き、傑出した専門能力または国境を越えた経験があって台湾が必要とする人材が入ります。台湾の教育・学術・研究機関に在籍し、傑出した専門能力または優れた実績のある教授・研究者も対象です。この条文は2026年7月14日に改正され、量子科技、原子力、証券・先物、自然の炭素吸収源(自然碳匯)、炭素の回収・貯留などが加わりました。

申請者は、中央の所管官庁が6か月以内に発行した推薦理由書を添付します。高級専門人材などとして永久居留を許可されている人については、内政部が所管官庁に推薦の同意を求め、書面審査で進めることができます(同標準第3条)。

例えば、新竹の半導体メーカーに勤めて3年になり、毎年183日以上台湾に滞在してきた日本人技術者であれば、2年の居留要件はすでに満たしています。残るのは、所管官庁の推薦理由書、内政部の審査、言語の要件です。就業ゴールドカードがあれば、推薦や審査は省けるのでしょうか。カードが推薦や審査の代わりになるという規定は、国籍法にもこの認定標準にもありません。ゴールドカードについては台湾の就業ゴールドカードをご覧ください。

子も一緒に申請できます。帰化する人の、未婚で18歳未満の子が対象です(国籍法第7条)。ただし国籍法第9条第4項は、免除の対象を、第5条第1項第3号の規定により帰化を申請した場合と書いています。一緒に帰化する子も喪失証明が不要になるかどうかは、申請の前に戸政事務所で確認してください。

日本国籍は日本の国籍法で決まります

台湾が免除するのは、台湾に出す書類です。日本の国籍法第11条第1項は「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と定めています。高級専門人材として帰化する場合でも、日本国籍がどうなるかは、この規定に照らして別に判断されます。

また戸籍法第103条は、国籍喪失の届出を、本人、配偶者または四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知った日から1か月以内(その日に国外にいるときは3か月以内)にしなければならないと定めています。ご自身の場合にこれらの規定がどう当てはまるかは、申請の前に法務局や在外公館にお尋ねください。

帰化後の公職制限と許可の取消し

就けない公職があります。期間は、帰化の日から10年です。総統・副総統、立法委員、行政院・司法院・考試院・監察院の院長と副院長、将官、民選の地方公職などがこれに当たります(台湾の国籍法第10条)。外国籍を持ったまま台湾の国籍を取得した人には、外国籍を持つ国民の公職就任を制限する同法第20条も適用されます(施行細則第19条第2項)。

内政部は、帰化が国籍法の規定に合っていないことを知った日から2年以内であれば許可を取り消すことができ、帰化の日から5年を過ぎると取り消せません。偽装の結婚や養子縁組によって帰化したことが確定判決で認められた場合は、この期間の制限がありません(国籍法第19条)。配偶者として居留している間の手続きは、台湾人と結婚した外国人配偶者の居留で扱っています。

永住許可と帰化のどちらが合っているか、これまでの居留期間で要件を満たすかを整理したいときは、昊鼎国際法律事務所へメール(wei@hoveringlaw.com.tw)で、国籍、居留資格と期間、毎年の台湾滞在日数をお知らせください。許可するかどうかは、内政部が書類を見て判断します。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月6日

よくある質問

台湾人と結婚して台湾に住んでいます。何年で帰化を申請できますか?
国籍法第4条により、台湾に住所があり、毎年183日以上の合法的な居留が3年以上続いていれば申請できます。台湾国民の配偶者は財産・技能の要件が不要ですが、行為能力、素行、基本的な言語能力の要件は必要です。許可された後は、1年以内に元の国籍の喪失証明を提出しなければなりません(第9条)。
高級専門人材として帰化すれば、日本国籍を持ったままでいられますか?
台湾側は喪失証明の提出を求めません(国籍法第9条第4項)。ただし日本の国籍法第11条第1項は、日本国民が自己の志望によって外国の国籍を取得したときは日本の国籍を失うと定めています。日本国籍がどう扱われるかは日本法の問題ですので、申請の前に法務局や在外公館に確認してください。
喪失証明を1年以内に出せないとどうなりますか?
帰化の許可は取り消されます。元の国籍国の法律や行政手続の制限で期限内に出せないことを外交部が確認した場合に限り、期限の延長を申請できます(国籍法第9条第2項)。延長の申請は、遅くとも期限の30日前までに行います(施行細則第11条)。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。