呼気1リットルあたり0.25mg。台湾では、この数値以上で運転すると刑法185条の3の罪になります。血中なら0.05%以上です。それ未満でも、検査を拒んでも、飲酒で安全に運転できないと認められれば同じです。刑は3年以下の有期徒刑で、30万台湾ドル以下の罰金を併科でき、人を死亡・重傷させれば重くなります。
出国と在留は罰金とは別に決まります
罰金を納めれば、予定の便で帰国できるのでしょうか。そうとは限りません。
嫌疑が重大で、かつ定まった住居がないか逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合、必要なら検察官か裁判官が空路・海路とも出国を制限できます(刑事訴訟法93条の2)。要件に罰金の納付は入っていません。
1年以上の有期徒刑かそれより重い刑が確定すると、移民署は居留許可や永久居留許可を取り消すか廃止し、居留証を失効させます。過失犯と執行猶予は例外です(入出國及移民法32条、33条)。より軽い刑でも、刑法95条により有期徒刑以上を言い渡された外国人は刑の執行後に国外退去とされ得ます。
免許と車への処分
検査を拒むと、過料は基本18万台湾ドルです。車はその場で移動・保管され、ナンバープレートは2年間停止です。免許は取消しです。3年間は取り直せず、飲酒運転防止講習かアルコール依存治療の修了も必要です(道路交通管理處罰條例35条4項・9項、67条)。
運転は呼気0.15mg/L以上か血中0.03%以上で禁止です(道路交通安全規則114条)。初回の過料はバイクが1万5,000~9万台湾ドルです。自動車は3万~12万台湾ドル。車の保管、免許停止1~2年、プレート停止2年が付きます。
12歳未満の子を乗せていたか、事故で人を負傷させると、免許停止は2~4年です。重傷・死亡事故なら、検査拒否の場合も含め免許取消しで、終身取り直せません。10年以内の再違反や営業用大型バスの運転も取消しです(處罰條例35条、67条)。
保管と没収は別です。重傷・死亡事故では行政機関が車を取り上げる処分(沒入)ができ(處罰條例35条9項)、運転者本人の車は事故がなくても裁判所が没収できます(刑法38条)。行政罰法26条により、刑事罰が優先しても免許処分など別種の行政罰は科せます。確定した罰金が過料の最低基準に届かなければ、差額を納めなければなりません(處罰條例35条12項)。
飲んでいない同乗者にも過料
運転者が0.25mg/L(血中0.05%)以上と測定されると、18歳以上の同乗者にも過料が科されます。額は6,000~1万5,000台湾ドルです。70歳以上、心智障礙のある人、タクシー・バスなど自動車運輸業の乗客は除かれます(處罰條例35条8項、公路法34条)。故意も過失もなければ処罰されません(行政罰法7条)。ただ、處罰條例85条3項は併せて処罰される人の過失を推定します。飲酒を知らなかった事情は、同乗者が示すことになり得ます。
以上は2026年10月6日時点の施行条文です。過料を引き上げた2026年8月17日公布の改正35条は施行日が未定です。
昊鼎国際法律事務所へは、検挙日時、測定値、在留資格など秘密にあたらない概要だけをまず wei@hoveringlaw.com.tw へお送りください。
参考にした公的資料
- 道路交通管理處罰條例 2026年1月14日改正時点の35条・67条(2026年10月6日時点で施行中の条文)、85条
- 道路交通管理處罰條例 35条(2026年8月17日改正公布、施行日未定)、法規沿革
- 道路交通安全規則 114条
- 公路法 34条
- 中華民國刑法 38条、95条、185条の3
- 行政罰法 7条、26条
- 刑事訴訟法 93条の2
- 入出國及移民法 32条、33条
確認日:2026年10月6日
この記事は2026年10月6日に確認した台湾の法令に基づく一般的な情報であり、個別の事案についての法律上の助言ではありません。
よくある質問
- 台湾で飲酒運転をして罰金を払えば、予定どおり日本に帰国できますか。
- 罰金の納付と出国は別の問題です。呼気1リットルあたり0.25mg以上(血中0.05%以上)などで刑法185条の3の事件になると、嫌疑が重大で、かつ定まった住居がないか逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合に、必要があるとき、検察官または裁判官は出境・出海を制限できます(刑事訴訟法93条の2)。罰金や過料を納めたことは、この条文の要件に含まれていません。制限されるかどうかは事件ごとに判断されます。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。


