台湾で逮捕された後の24時間は、釈放の約束ではない
← コラム一覧へ台湾法律情報

台湾で逮捕された後の24時間は、釈放の約束ではない

約3分

台湾で逮捕された後の24時間は、止まることのある時計です。2026年10月時点の台湾刑事訴訟法では、検察官が裁判所に羈押(勾留に近い身柄拘束)を請求する期限で、釈放の時刻ではありません。

24時間の起点と数えない時間

起点は拘提(強制的な連行)または逮捕の時です。93条により検察官は羈押が必要と考えればその間に請求し、請求しないなら直ちに釈放しなければなりません。その際も羈押の事由があれば保証金(具保)や住居制限などを付けられます。

請求されれば釈放はなく、裁判官の審問に進みます。深夜(午後11時~翌日午前8時)の受理なら審問は翌日の日中です(同条)。

93条の1では、通訳を待った時間(6時間まで)、弁護人の選任を申し出て待った時間(4時間まで)などが計算から外れます。その間は取調べができません。不必要な遅延も許されません。

壁の時計と法律の24時間は、こうしてずれます。

取調べでの通訳と弁護人

拘提・逮捕の際は理由と権利を告げ、理由は本人とその指定する親族・友人に書面で知らせなければなりません(89条)。

95条は取調べの前に罪名、黙秘権、弁護人選任権などの告知を求めています。弁護人のいない場で本人が選任済みと述べれば、続行に同意しない限り取調べを止めなければなりません。警察でも同じです(100条の2)。弁護人は法定の制限事由がない限り立ち会えます(245条)。

言葉が通じなければ通訳を付けなければなりません(99条)。調書は読み聞かせか閲覧で誤りの有無を確かめ、訂正の求めは付記されます(41条、43条の1)。

外国人というだけで警察段階から弁護人を付ける規定は31条にありません。法令上の対象者は法律扶助を請求でき(95条)、捜査中の羈押審査では弁護人がいなければ原則として裁判長が指定します(31条の1)。

釈放と出国制限は別に決まる

羈押を決めるのは本人を審問した裁判官です。101条の要件は、重大な嫌疑、逃亡・証拠隠滅のおそれなど法定の事由、羈押しなければ訴追・審判・執行が著しく困難という事情です。詐欺や飲酒運転など列挙された罪では同じ犯罪を繰り返すおそれも羈押の理由になります(101条の1)。

保証金を納めれば出られるのでしょうか。必ずではありません。羈押後も保証金を納めて停止を請求できますが(110条)、裁判所が審査します。退けられないのは、最高刑が3年以下の有期徒刑の罪(累犯などを除く)、妊娠5か月以上・出産後2か月未満、外で治療しないと治りにくい病気の場合です(114条)。この場合、保証金などで代えられないときにしか羈押できません(101条の2)。

出国・出海の制限は要件が別です。最高刑が拘役か罰金のみの事件は93条の2では制限できません。捜査中に検察官が命じた制限は8か月までで、延長は裁判所の決定で2回(4か月、2か月以内)に限られ、公判段階の期間は別です(93条の3)。取消しや変更は本人と弁護人が申し立てられます(93条の5)。

日本にいる配偶者や父母、兄弟姉妹も本人とは別に台湾の弁護人を選任できます(27条)。

秘密でない概要から昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)にご相談いただけます。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月6日

本記事は2026年10月6日に確認した台湾の法令に基づく一般的な情報であり、個別の事案についての法的助言ではありません。

よくある質問

台湾で逮捕されてから24時間たてば釈放されますか?
必ず釈放されるわけではありません。2026年10月時点の台湾刑事訴訟法第93条の24時間は、検察官が拘提・逮捕の時から裁判所へ羈押を請求する期限です。通訳を待った時間(6時間まで)など第93条の1が定める時間は算入されず、期限内に請求されれば釈放ではなく裁判官の審問に進みます。請求がなければ検察官は直ちに釈放しなければなりませんが、羈押の事由があるときは保証金などの条件が付くことがあります。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。