日本国籍のまま、台湾のマンションを自分の名義で買えるのでしょうか。国籍の段階は通ります。台湾内政部の相互主義の一覧で、日本は「完全平等互恵の国」の2番、韓国は1番です(台北市が2026年10月時点で掲載する2021年5月版)。
米国籍は州ごとです
外国人が土地の権利を取得できるのは、台湾の国民がその国で同じ権利を得られる場合だけです(土地法18条)。米国は同じ一覧に州単位で載っています。41州とワシントンD.C.は完全互恵、8州は面積や農地などの条件付き、オクラホマ州は非互恵です。
17条は林地、漁地、水源地など7種類の土地の移転(相続による取得を除く)・負担の設定・賃貸を外国人に禁じ、19条は住宅や事務所などの用途を、自己使用・投資・公益の目的に限って認めています。面積と場所には地方政府の制限があります。
予約販売契約の転売制限
平均地権条例47条の4は2023年7月1日に施行されました(沿革)。予約販売の物件(預售屋)と、使用許可後・初回所有権登記前の新建成屋の買主は、契約を第三者に譲渡・転売できず、広告も出せません。
条文の例外は二つです。配偶者、直系血族、二親等内の傍系血族の間の譲渡。もう一つは、中央の主管機関が公告した事由で地方の主管機関の許可を得た場合で、全国で2年に1戸(棟)までです。
会社名義の事務所と住宅
外国人投資条例17条は、外国人が同条例により投資した事業の権利義務を、法律に別段の定めがない限り、台湾の国民が営む事業と同じと定めています。事務所の取得はここが出発点です。
住宅はどうでしょうか。平均地権条例79条の1により、私法人が住宅用の建物を買うには、原則として使用計画を添えて中央の主管機関の許可(有効期間1年)を受けます。登記後5年間は、強制執行・収用・判決などを除き移転できません。住宅用かどうかは、登記謄本などの建物用途が「住」か「住宅」かで決まります(許可弁法2条)。机を置いても、その記載は変わりません。
登記と税金
署名だけで所有権は移るでしょうか。民法758条は、登記をしなければ効力を生じないと定めています。申請は物件所在地の地政事務所に出し、地方政府の許可を受けます(土地法20条、台北市の案内)。
数字は2026年10月時点です。売買の契税は、買主が契価の6%を納めます。契価は不動産評価委員会の標準価格で、土地増値税が課される地域の土地は免税のため、マンションでは通常、時価ではなく建物の標準価格の6%です(契税条例2条、3条、4条、13条)。
売るときの税率は居住者区分で決まります。台湾に住所があり通常居住しているか、住所がなくても課税年度に合計183日以上滞在すれば居住者です(所得税法7条)。2016年1月1日以後に取得した家屋・土地を個人の非居住者が売ると、保有2年以内は45%、2年超は35%です(4条の4、14条の4)。税率は売買代金の全額ではなく、取引所得から土地増値総額を引いた額に掛かります。計算は税金の解説にあります。
国籍と物件所在地を書いた、機密を含まない概要は、昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)へお送りいただけます。
参考にした公的資料
- 台湾法務部 全国法規資料庫 土地法:17条、18条、19条、20条
- 内政部「外國人在我國取得或設定土地權利互惠國家一覽表」2021年5月(110.5)版:台北市政府地政局の外国人土地権利の案内(2026年6月8日更新)に掲載されている版。申請の窓口も同じページ
- 平均地権条例(平均地權條例):47条の4、79条の1、沿革(2023年6月9日の行政院令により2023年7月1日施行)
- 預售屋及新建成屋買賣契約讓與或轉售審核辦法 2条、私法人買受供住宅使用之房屋許可辦法 2条
- 外国人投資条例(外國人投資條例)17条
- 民法 758条
- 契税条例(契稅條例):2条、3条、4条、13条
- 所得税法(所得稅法):4条の4、7条、14条の4
資料確認日:2026年10月6日
この記事は、2026年10月6日に確認した台湾の法令と公的資料に基づく一般的な情報であり、個別の取引についての法律・税務上の助言ではありません。
よくある質問
- 日本人は台湾の住宅を自分の名義で買えますか。
- 国籍の面では、日本は台湾内政部の「外國人在我國取得或設定土地權利互惠國家一覽表」(2021年5月版)で完全平等互恵の国に載っています。そのうえで、土地法17条による土地の種類の制限、19条による目的・用途と面積・場所の制限、20条による地方政府の許可が別にかかります。米国籍の場合は州ごとの扱いで、41州とワシントンD.C.は完全互恵、8州は条件付き互恵、オクラホマ州は非互恵とされています。
- 外国籍の人が台湾の住宅を売ると、必ず非居住者の税率になりますか。
- なりません。税率を分けるのは国籍ではなく、所得税法7条の居住者区分です。台湾に住所があり通常居住している人、または住所がなくても課税年度に合計183日以上滞在した人は居住者です。2016年1月1日以後に取得した家屋・土地を個人の非居住者が売ると、2026年10月時点で保有2年以内は45%、2年超は35%で(4条の4、14条の4)、売買代金の全額ではなく、取引所得から土地増値総額を引いた額にかかります。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



