台湾で働きたいものの、まだ雇用主が決まっていない、あるいは雇用主を介さずに自分で書類を準備したいという方もいるでしょう。台湾の就業ゴールドカード(就業金卡)は、本人が内政部移民署に直接申請できます。資格審査は、政府が公表する専門分野ごとの基準に基づいて行われます。
給与にかかる所得税の減免は、これとは別の規定です。カードを受け取ることと税負担を軽くすることは別の手続で、それぞれの要件を満たす必要があります。
カードにはどのような許可が含まれますか
外国専門人材招致・雇用法(外國專業人才延攬及僱用法)第9条は、台湾で専門業務に従事しようとする外国特定専門人材が、移民署に就業ゴールドカードを直接申請できると定めています。カード1枚に、就労許可、居留査証、外僑居留証(ARC)、再入国許可がまとめられています。移民署は、カードを発給する前に労働部・外交部と共同で審査します。また、ただし書きにより、すでに台湾に入国している人は居留査証の部分を申請する必要がありません。
第4条の外国特定専門人材とは、中央の目的事業主管機関が公告した、台湾に必要な科学技術、デジタル、経済、教育、文化芸術、スポーツ、金融、法律、建築設計、国防、環境、バイオなどの分野で特別な専門性を持つ外国専門人材、または主管機関が関係機関と協議のうえ特別な専門性があると認めた人をいいます。「専門業務」の範囲も同じ条に定められています。
就業ゴールドカード事務所の紹介ページは、このカードを、採用が事前に決まっている必要がなく、雇用主が申請する必要もないオープンな就労許可と説明しています。求職、就職、転職も自由にできると書かれています。分野別ページが雇用契約や過去の在職証明を求めることがありますが、それらはその分野の資格を示すための書類です。
申請案内によると、外国旅券、または戸籍のない中華民国旅券を持つ人が申請できます。台湾に戸籍がある人や国民身分証を持つ人は申請できません。戸籍のない中華民国旅券の所持者が台湾国内で申請する場合は、外国旅券で入国している必要があります。同じページによると、カードは台湾の移民署サービスセンターで受け取り、国外から来る人は入国後30日以内に受け取らなければなりません。渡航前に、この部分を読み直しておいてください。申請中であっても、ビザ免除や短期の停留期限は止まりません。案内ページは、その滞在期間内に手続が終わらない場合は、いったん出国して再入国する必要があると注意しています。
どの分野で申請すればよいですか
資格ページでは、申請分野が科学技術、経済、教育、文化芸術、スポーツ、金融、法律、建築、国防、デジタル、バイオ、環境に分かれています。紹介ページには、国家発展委員会が協議のうえ認める特別なケースも挙げられています。これらは第4条の分野に対応しています。
分野別ページごとに、申請ルートと必要書類が異なります。給与水準、上級職、その業界での経験年数、学位、受賞歴、主管機関の認定など、ルートはいくつもあります。具体的な数値は分野ごとに違うため、この記事には転記していません。各分野のページで確認してください。資格ページによると、建築分野を除き、1件の申請は1つの分野・1つの規定で行います。申請ページは、提出後に分野を変更すると審査が長引くと注意しています。
有効期間と延長の仕組みはどうなっていますか
第9条によると、有効期間は1年から3年です。一定の条件を満たせば満了前に延長を申請でき、1回の延長は最長3年です。その条件は、第9条に基づく規則と事務所の案内に定められています。
事務所の居留延長FAQによると、カード延長のオンライン申請は満了の4か月前から受け付けられ、最後の1か月に入るとシステム上申請できなくなります。受付期間は変わることがあるため、最新のページを確認してください。延長に必要な書類は、満了前の延長FAQにまとめられています。
第17条は、これとは別の申請です。カードの満了が近づいても引き続き居留する必要がある場合、本人と、すでに居留許可を受けている配偶者、未成年の子、障害のため自立して生活できない成年の子は、移民署に居留の延長を申請できます。許可されると、カード満了の翌日から6か月有効の外僑居留証が発給されます。必要ならもう1回延長を申請できますが、延長期間は合計で最長1年です。事務所のFAQはこれを求職用の居留証と呼び、この状態では就労できないとしています。第17条によって、4つの許可をまとめたカードがもう一度1年から3年延長されるわけではありません。
家族はどうなりますか
第16条第2項は、配偶者、未成年の子、心身の障害のため自立して生活できない成年の子について定めています。特定専門人材が居留または永住の許可を受けた後、これらの家族がビザ免除または停留査証で入国した場合は、移民署に直接居留を申請でき、許可されれば外僑居留証が発給されます。紹介ページはこれを簡潔に、配偶者と子は扶養家族として居留を申請できると説明しています。成年の子については、条文の条件を満たす必要があります。
第20条により、居留または永住の許可を受けた外国特定専門人材・外国高級専門人材の直系尊属は、有効期間1年・数次入国の停留査証を申請できます。停留期間は6か月で、延長を禁じる注記は付かないため、延長が可能です。第1項により、1回の入国での停留は合計で最長1年です。それより長く滞在するには、第2項により、台湾での停留期間の医療保険と全額入院保険に加入している必要があります。紹介ページは、申請人と配偶者の父母・祖父母を直系尊属として説明しています。
永住許可はいつ申請できますか?
永住については第18条が定めています。一般の外国専門人材は、合法的に5年連続で居留し、1年平均183日以上滞在したうえで、第1項の成年、素行、自立、国家利益の要件を満たす必要があります。就業ゴールドカードで居留する特定専門人材がこれらの要件を満たす場合は、第3項により、申請に必要な居留期間が短くなります。3年連続で居留して1年平均183日以上滞在した場合か、内政部が公告する一定の条件を満たし、1年居留して183日以上滞在した場合です。紹介ページの「3年後に永住申請が可能」という記述は、香港・マカオ住民を対象から外しています。第30条は、香港・マカオ住民が台湾で専門業務に従事したり求職したりする場合にこの法律の一部の条文を準用するとしつつ、入境・停留・居留については香港マカオ関係条例に従って扱うとしています。第18条は、準用される条文に含まれていません。日数の数え方と学位による控除は、台湾の永住許可で説明しています。
給与の所得税減免は、カードの資格とどう違いますか
第22条は、2018課税年度から適用される所得税の優遇措置です。対象は、台湾に戸籍がなく、就労を理由に初めて居留許可を受け、一定の条件を満たす外国特定専門人材です。初めて台湾に183日以上居留し、かつ給与所得がニュー台湾ドル(新臺幣)300万元を超えた課税年度から5年間、183日以上居留した各課税年度について、300万元を超える給与の半分を総合所得総額に算入しません。所得基本税額条例第12条第1項第1号も適用されません。就業ゴールドカードを取得し、その有効期間中に雇用されて専門業務に従事する場合も、対象の一つです。
第20条は直系尊属の停留査証に関する条文です。ところが、事務所の英語FAQは、今も第20条を税優遇の根拠として挙げています。中国語FAQは本文で第22条を示していますが、あわせて読むべき条文の欄には第20条が残っています。所得税で183日がどのような意味を持つかは、台湾の所得税上の居住で説明しています。
第22条が下位規範に委ねた条件は、外国特定専門人材所得税減免弁法(外國特定專業人才減免所得稅辦法)に定められています。同弁法第3条第2項によると、就業ゴールドカードの所持者は、就労を理由に初めて居留許可を受けたこと、認定された特別な専門性に関連する専門業務に従事すること、カード発給日前の5年間に台湾に戸籍がなく、所得税法上の台湾居住者でなかったことを、すべて満たす必要があります。ただし、以前に留学や専門業務に当たらない就労など、専門業務への従事以外の理由で居留許可を受けたことがあっても、「初めて」の制限は受けません。また、台湾で留学して準学士以上の学位を取得した人については、留学期間と、卒業後に外国専門人材招致・雇用法第12条に基づいて居留を延長した期間は、台湾居住者かどうかを判断する滞在日数に含めません(同弁法第3条第5項)。これらの要件を満たしたうえで、カードの有効期間中に雇用されて専門業務に従事することが、優遇を受ける条件になります。
第4条は、5年の起算点を、183日の居留と給与の基準を初めて同時に満たした課税年度としています。ここでいう給与とは、その専門業務について台湾内外の雇用主から受け取った課税対象の給与です。5年の間に雇用主が変わっても、引き続きその専門性に合った専門業務に従事していれば、優遇は続きます。第5条により、優遇は総合所得税の確定申告の際に、所定の様式で、その年の申告期限が終わる前に申請しなければなりません。就業ゴールドカードの写しや雇用契約など、条文が定める書類を添付します。この期限を過ぎると、その年は適用を受けられません。本人の責めに帰すことのできない理由でカードの取得が遅れた場合は、カードを取得した日から1か月以内に申請できます。第7条は、第30条により第22条が準用される香港・マカオ住民にも、この弁法を準用しています。ただし、これは税についての準用であり、永住許可に必要な居留期間とは関係ありません。
最初のメールには何を書けばよいですか
この記事は、法律、所得税減免弁法、就業ゴールドカード事務所のページを整理したもので、特定の申請が許可されることを意味するものではありません。
昊鼎国際法律事務所の曾雋崴弁護士に連絡する際は、国籍と旅券の種類、中華民国旅券の有無、台湾の戸籍の有無を書いてください。現在台湾の国内と国外のどちらにいるか、どの資格で滞在していて期限はいつかもお知らせください。申請を考えている分野と、すでにお持ちの学位、免許、在職証明、受賞歴も書いてください。同行予定の配偶者、未成年の子、障害のある成年の子、ご両親がいるかどうか、給与の減免についても相談したいかどうかも添えていただくと、確認がスムーズです。
日本側で必要になる手続や税務については、この記事では判断を示していません。台湾側のカードの手続とは別に、日本での手続はそれぞれの窓口でご確認ください。
メールはwei@hoveringlaw.com.tw、住所は103 臺北市大同區承德路一段35號7樓之2(台北市大同区承徳路一段35号7階の2)です。旅券の写しは、事務所が案内する方法でお送りください。
参照した公式資料
- 外国専門人材招致・雇用法(全文): https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=A0030295
- 第4条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=4
- 第9条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=9
- 第12条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=12
- 第16条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=16
- 第17条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=17
- 第18条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=18
- 第20条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=20
- 第22条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=22
- 第30条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=A0030295&flno=30
- 外国特定専門人材所得税減免弁法(全文): https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0340150
- 第3条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=G0340150&flno=3
- 第4条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=G0340150&flno=4
- 第5条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=G0340150&flno=5
- 第7条: https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=G0340150&flno=7
- 就業ゴールドカード事務所の紹介: https://goldcard.nat.gov.tw/en/about/
- 資格分野: https://goldcard.nat.gov.tw/en/qualification/
- 申請案内: https://goldcard.nat.gov.tw/en/application/
- カード満了前の居留延長FAQ: https://goldcard.nat.gov.tw/en/faq/how-can-i-extend-my-residency-if-my-employment-gold-card-is-about-to-expire/
- 満了前のカード延長FAQ: https://goldcard.nat.gov.tw/en/faq/how-do-i-extend-my-employment-gold-card-before-it-expires-what-documents-do-i-need-to-provide/
- 税の根拠を第20条と書く英語FAQ: https://goldcard.nat.gov.tw/en/faq/what-is-the-legal-bases-of-enacting-tax-benefits-for-foreign-specialist-professionals-and-what-are-the-benefits/
- 税優遇の中国語FAQ: https://goldcard.nat.gov.tw/zh/faq/can-i-apply-for-the-gold-card-tax-benefits/
確認日:2026年9月29日
よくある質問
- 就職先が決まっていなくても、就業ゴールドカードを申請できますか?
- 外国専門人材招致・雇用法第9条は、外国特定専門人材が内政部移民署に就業ゴールドカードを直接申請できると定めています。就業ゴールドカード事務所も、専門能力の評価に基づいて審査し、事前に仕事が決まっている必要はないと案内しています。ただし、分野別ページの一部のルートでは、在職証明や雇用契約が求められます。
- 配偶者や子どもも同じカードをもらえますか?
- 4つの許可をまとめたカードは、申請人本人に発給されます。配偶者、未成年の子、障害のため自立して生活できない成年の子は、ビザ免除または停留査証で入国したあと、移民署に別途居留を申請できます。直系尊属は、第20条の停留査証を申請します。
- カードがあれば所得税が半分になりますか?
- 給与所得の減免を受けるには、第22条と財政部の弁法が定める別の要件を満たす必要があります。カードの有効期間中に認定された専門業務で雇用されていること、183日以上居留し、給与がニュー台湾ドル300万元を超える課税年度であることなどが条件です。カードの発給基準とは別のものです。公式FAQの一部は今も第20条を根拠として挙げていますが、第20条は直系尊属の停留査証に関する条文です。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



