台湾の産休・育休と外国人従業員:2026年の1日単位の育児休業と、手当を受けられる人
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台湾の産休・育休と外国人従業員:2026年の1日単位の育児休業と、手当を受けられる人

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台湾の育児休業(育嬰留職停薪)は無給で、休業中の手当は就業保険(就業保險)から支払われます。休業を取る権利は労働法が、手当を受ける資格は保険の法律が別々に定めているため、外国人従業員は、休業は取れても手当を受けられないことがあります。

例えば、台北の日系子会社に、勤続2年の日本人従業員が2人いるとします。1人は会社が取得した就労許可で働くエンジニアで、妻も日本人です。もう1人は台湾に戸籍のある台湾人と結婚し、居留許可を受けて働いています。子どもが生まれれば、2人とも育児休業を申請できます。ただし、手当を請求できるのは後者だけです。

妊娠から出産まで:休暇の日数と会社が支払う賃金

休暇の種類と日数は性別平等工作法第15条が定めています。同法は、雇用主に雇われて働き、賃金を得る人を「受僱者」と定義しており(第3条)、国籍を要件にしていません。

休暇日数賃金
妊婦健診休暇(產檢假)妊娠中に7日全額
配偶者の健診付添い・出産時の休暇(陪產檢及陪產假)7日全額
出産休暇(產假)出産の前後8週間勤続6か月以上は全額、6か月未満は半額
妊娠3か月以上の流産4週間出産休暇と同じ
妊娠2か月以上3か月未満の流産1週間勞基法第50条に賃金の定めなし
妊娠2か月未満の流産5日同上

出産休暇中の賃金は労働基準法(勞動基準法、以下「勞基法」)第50条が定めており、同法の適用を受ける労働者が対象です。早い時期の流産の休暇について、性別平等工作法は、賃金の計算は関係法令の定めによるとしているだけです。

妊婦健診休暇と配偶者の休暇の賃金は、会社が全額を支払います。それぞれ5日を超える部分については、雇用主が労働部に補助を申請できます。他の法令で5日を超える有給の休暇を与える義務がある場合は対象外です(第15条第7項)。補助の事務は労働部労工保険局(勞工保險局)が扱います。

会社の賃金とは別に、労工保険(勞工保險)の出産給付があります。加入から280日を過ぎて出産した女性の被保険者は、平均月投保薪資(保険に届け出た賃金等級の平均)の60日分にあたる生育補助費を一時金で受け取ります(労工保険条例第31条、第32条)。同条例でいう労働者には、在職中の外国籍の従業員が含まれます(第6条第3項)。

育児休業は子が3歳になるまで、最長2年

勤続6か月を過ぎた従業員は、子が満3歳になる前であれば育児休業を申請できます。期間は子が満3歳になるまでで、2年を超えることはできません(第16条第1項)。父親も母親も、それぞれ自分の勤務先に申請します。雇用主は申請を拒めません(第21条)。

休業中も、従来の社会保険に加入し続けることができます。雇用主負担分の保険料は免除され、本人負担分は3年まで納付を繰り延べられます(第16条第2項)。休業期間は、労使で別の取決めをしない限り勤続年数に算入されません(育嬰留職停薪實施辦法第4条)。休業中の従業員は、他の者と別の労働契約を結ぶことができず(第7条)、雇用主は休業者の業務のために代替要員を雇うことができます(第6条)。

2026年1月から、30日分は1日単位で取れます

實施辦法第2条は2025年11月21日に改正され、2026年1月1日に施行されました(第9条)。育児休業は1回6か月以上が原則です。それより短い休業が必要なときは、30日以上6か月未満の休業を2回まで、30日未満の休業を1日単位で合計30日まで取れます。

申請の期限は、30日以上の休業が10日前、30日未満の休業が5日前です。子の病気、保育施設の休園、学校の休校で自分が世話をしなければならないときは、前日までに申請できます。急なことで前日の申請も間に合わなければ、他の人に手続きを頼めます。書面、メール、メッセージアプリなどのうちどの方法で申請するかは、会社と従業員があらかじめ決めておきます。

労働部が2026年3月20日に更新したQ&Aによると、1日単位の休業は出勤日だけを選んで申請でき、この30日も最長2年の枠に含まれます。従業員30人未満の雇用主には、従業員が1日単位の休業を1日取るごとに1,000台湾ドルの奨励金が支給されます。公立学校、政府機関、国営事業は対象外です。

手当を受けられるのは就業保険の被保険者だけです

育児休業の間、会社は賃金を支払いません。就業保険の被保険者は、保険の加入期間が通算1年以上あれば、育児休業手当(育嬰留職停薪津貼)を請求できます(就業保険法第11条第1項第4号)。金額は、休業を始めた月から遡って6か月の平均月投保薪資の60%で、子1人につき最長6か月です(第19条の2)。政府が2021年7月1日から20%の賃金補助を合わせて支給しているため、合計は80%になります。両親がともに被保険者であれば、それぞれ6か月ずつ受け取れます。2026年1月1日からは、1か月に満たない期間を30日を1か月として日割りで計算します(労工保険局の案内)。

80%の基礎になるのは実際の給与ではなく、投保薪資です。就業保険の投保薪資は労工保険の規定を準用します(第40条)。2026年1月1日施行の等級表では、月給が43,901台湾ドル以上であれば、投保薪資は一律に最高等級の45,800台湾ドルとなるため、手当と補助を合わせても月36,640台湾ドルを超えません。

外国人の場合は、就業保険の被保険者になるかどうかが先に問題になります。就業保険法第5条第1項が被保険者とするのは、中華民国の国籍を持つ人と、台湾に戸籍のある国民と結婚し、居留を許可されて適法に働いている外国人です。これに加えて、外國專業人才延攬及僱用法第25条が2026年1月1日に施行され、台湾で雇用されて働き、永久居留の許可を受けた外国専門人材にも就業保険法が適用されるようになりました。在職中に永久居留の許可を受けた場合、雇用主は許可の日に加入の届出をしなければなりません。

どちらにも当たらない人、例えば就労許可や就業ゴールドカードで働いていて、台湾人の配偶者も永久居留の許可もない人は、条文上、被保険者になりません。育児休業は取れますが、手当は受けられません。冒頭のエンジニアがこれに当たります。この人が永久居留の許可を受ければ、その日から被保険者になりますが、手当を受けるには加入期間1年の要件も満たす必要があります。永久居留の要件は台湾の永住許可(APRC)はいつ申請できるかで、ゴールドカードは台湾の就業ゴールドカードで取り上げました。加入の有無と加入期間は、会社の人事担当者か労工保険局にご確認ください。

妊娠・出産・休業を理由とする解雇と不利益な取扱い

出産休暇の期間中、雇用主は労働契約を終了できません。例外は、天災などの不可抗力で事業を続けられず、主管機関の認可を受けた場合だけです(勞基法第13条)。就業規則や労働契約で、結婚・妊娠・出産・育児の際に退職する、または無給で休職すると定めることはできず、これらを解雇の理由にすることもできません。違反した定めは無効で、契約の終了は効力を生じません(性別平等工作法第11条)。雇用主には30万台湾ドル以上150万台湾ドル以下の罰鍰(過料に相当)が科され、名称が公表されます(第38条の1)。

妊婦健診休暇、出産休暇、育児休業の申請を拒むこと、欠勤として扱って皆勤手当や人事評価で不利益を与えることも禁じられています(第21条)。違反には2万台湾ドル以上30万台湾ドル以下の罰鍰と名称の公表があります(第38条)。

育児休業を終えた従業員が復職を申請したとき、雇用主が拒めるのは、廃業・赤字・業務縮小など法律が挙げる四つの事由のいずれかがあり、主管機関の同意を得た場合に限られます。その場合も、30日前に通知し、法定の基準による資遣費または退職金を支払わなければなりません(第17条)。

雇用主が休暇を与えない、または不利益な取扱いをした場合、従業員は地方の主管機関である直轄市・県(市)政府に申し立てることができます(第33条、第34条)。会社側の解雇手続きは台湾子会社で従業員を解雇するにはで説明しています。

日本本社からの出向で日本の雇用保険に加入したままの方の給付は日本の制度によりますので、ハローワークや社会保険労務士にご確認ください。就業保険の加入資格や復職について会社と見解が分かれたときは、昊鼎国際法律事務所へメール(wei@hoveringlaw.com.tw)で、居留資格、入社日、出産予定日、会社からの回答をお知らせください。この記事は2026年10月6日時点の一般的な説明であり、個別の結論は契約内容と保険の加入記録によって変わります。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月6日

よくある質問

就労許可で台湾で働く日本人も、育児休業の手当を受けられますか?
育児休業そのものは勤続6か月を過ぎれば申請できますが、手当を受けられるのは就業保険の被保険者だけです。就業保険法第5条が被保険者とする外国人は、台湾に戸籍のある国民と結婚し、居留を許可されて適法に働いている人です。2026年1月1日からは、外國專業人才延攬及僱用法第25条により、永久居留の許可を受けた外国専門人材も対象になりました。どちらにも当たらない人は、条文上、被保険者になりません。
2026年に育児休業の何が変わりましたか?
育嬰留職停薪實施辦法第2条が改正され、2026年1月1日から、30日以上6か月未満の休業を2回まで、30日未満の休業を1日単位で合計30日まで取れるようになりました。30日未満の休業は5日前までに申請し、子の病気や休園・休校で自分が世話をしなければならないときは前日までに申請できます。
出産休暇中の賃金は誰が支払いますか?
会社が支払います。労働基準法第50条により、勤続6か月以上なら出産休暇8週間の賃金は全額、6か月未満なら半額です。これとは別に、労工保険に加入して280日を過ぎてから出産した女性の被保険者は、労工保険条例第31条・第32条により、平均月投保薪資の60日分の生育補助費を受け取れます。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。