台湾の交通違反通知書が車の持ち主に届いたとき、別の運転者を知らせる期限と書類
← コラム一覧へ台湾法律情報

台湾の交通違反通知書が車の持ち主に届いたとき、別の運転者を知らせる期限と書類

約7分

運転したのは別の人なのに、なぜ車の所有者に通知書が届くのでしょうか。台湾の道路交通管理處罰條例第7条の2第1項は、運転者を現場で止められないか、止めるのが適当でないとき、列挙された違反行為について、車を止めずに取り締まる「逕行舉發」を認めています。赤信号や踏切を無視して進む行為(第1号)、科学機器で得た証拠から違反が証明される行為(第7号)などです。

同条第5項によると、道路主管機関(公路主管機關)または警察は、ナンバーや車種など車を特定できる情報を記録し、所有者か、所有者が指定した主な運転者を被通知人として通知書を作成しなければなりません。賃貸期間が1年以上のレンタル業者の車なら、業者の申請を受けて借主を被通知人とすることもできます。所有者が自分で運転していなくても通知書が届くのは、この仕組みによります。

高雄に駐在する日本人社員が、週末のあいだ台湾人の同僚に自分の車を貸しました。しばらくして、赤信号を無視したという通知書が本人あてに届きます(架空の例です)。現場で車を止めての取締りはありませんでした。運転していたのは同僚で、その週末は台南の実家まで車で往復したと話しています。

本人は罰鍰の納付も考えています。通知書を受け取ってから30日以内に第9条第1項の定める方法で罰鍰を納めれば、裁決を経ずに事件は終わります。

別の運転者を知らせる期限と書類

第85条第1項によると、取り締まられた違反を他人に帰すべきだと考える処罰対象者は、通知書の出頭期日(應到案日期)より前に、関連する証拠と責任を負うべき人(應歸責人)に関する証明書類を添え、処罰機関(處罰機關)にその人を知らせなければなりません。名前だけでは足りません。家族で一台の車を使い、その日誰が運転したか分からないなら、誰に違反を帰すと知らせるのか、まだ決められません。

この社員には、車の鍵を渡す約束をしたメッセージが残っています。受け渡しの日時が分かれば、通知書に書かれた違反の日時とも照らし合わせられます。同僚についての書類を集めるには、本人の協力が必要になるかもしれません。違反を同僚に帰すべきだと考えるなら、出頭期日より前に、関連する証拠と同僚についての証明書類を第85条第1項に従って処罰機関に出す必要があります。

第85条第1項により、知らせを受けた処罰機関は、責任を負うべき人に直ちに別途通知し、出頭を求めて法に従って処理しなければなりません。適用される期限までに規定どおりに行わなかった人は、違反した条項に従って処罰されます。通知書が遅れて届いた場合は、処理細則第15条第2項と第36条第1項も関わります。記載された期日だけで届出の期限が過ぎたとは判断できません。下の送達に関する説明を確認してください。

通知書を出した機関と、処罰する機関

知らせる先はどこでしょうか。第8条第1項は、違反した条項によって処罰機関を分けています。第12条から第68条まで、および第92条第7項・第8項の違反は道路主管機関が、第69条から第84条までの違反は警察機関が処罰します。一方、第7条の2第5項は、止めずに取り締まった場合の通知書を道路主管機関または警察が作成すると定めています。通知書を出した機関と処罰機関が一致しないこともあるわけです。通知書を出したのが警察だったとしても、それだけで警察が処罰機関だとはいえません。第85条第1項による運転者の届出先は処罰機関です。第8条第1項が挙げる違反なら、違反した条項でその機関が決まります。

所有者への過失の推定

止めずに取り締まった事件、または他の人を同時に処罰する事件について、第85条第3項は、止めずに取り締まられた人やその他の人に過失があると推定します。その日に車に乗っていなかった所有者には、この一文が壁のように見えるかもしれません。推定されるのは過失です。所有者を運転者と決めつける規定ではなく、運転した人を知らせる道は同じ条の第1項に残っています。

受領から30日を数える手続

第9条第1項は、通知書を受け取った後の30日という期間を定めています。処罰対象者はこの期間内に、裁決を経ずに、第92条第4項の罰鍰基準に従って指定の場所で罰鍰を納め、事件を終えることができます。納付するかどうかは選べます。取締りの事実に不服がある人は、受領後30日以内に処罰機関へ意見を述べなければなりません。適用される出頭期限までに指定の場所へ行って裁決を待たず、しかも定められた期限内に納付も意見陳述もしなかったときは、処罰機関は本人の出頭を待たずに裁決することができます。通知書が遅れて届いたときは、処理細則第15条第2項に沿って出頭期限を確認する必要があります。詳しくは下で説明します。

罰鍰の基準や納付、処罰機関への意見陳述と裁決の処理手続などは、第92条第4項に基づき、交通部が内政部と共同で定める処理細則に委ねられています。

通知書には二つの期限が関わります。第85条第1項の期限は通知書に記載された出頭期日で、第9条第1項の30日は通知書を受け取ったときから数えます。同じ日になるとは限りません。同僚が運転していたと知らせつつ、取り締まられた事実そのものにも異議があるなら、それぞれの手続の要件と期限に合わせて資料を用意する必要があります。

受け取った時点で出頭期日まで30日未満しかない通知書も、期日を過ぎて届く通知書もあります。このどちらの場合も、処理細則第15条第2項により、送達の効力が生じた日から30日以内に出頭できます。これは出頭についての規定です。同細則第36条第1項は、別の人への帰責を知らせる書類を、通知書に記載された出頭期日より前に提出するよう定めています。遅れて届いた通知書では、送達記録を確認し、第85条の届出に適用される期限を処罰機関に早急に確かめる必要があります。記載された期日だけで、もう間に合わないと決めつけることはできません。

別の人を知らせる通知取締り事実への意見陳述
根拠第85条第1項第9条第1項
誰が違反を他人に帰すべきだと考える処罰対象者取締りの事実に不服がある人
宛先処罰機関処罰機関
期限通知書の出頭期日より前。送達が遅れた場合は上の説明と処理細則第15条第2項・第36条第1項に沿って適用される期限を確認通知書を受け取ってから30日以内
内容責任を負うべき人を知らせ、関連する証拠とその人に関する証明書類を添える意見の陳述
しなかったとき適用される期限までに規定どおりに行わなければ、違反した条項に従って処罰される。遅い送達については上の説明を参照適用される出頭期限までに出頭せず、期限内に納付も意見陳述もしなければ、処罰機関は直ちに裁決できる

同じ週末に事故も起きていたなら、現場での対応や損害賠償は台湾交通事故対応Q&A:現場対応・過失・示談・損害賠償で扱う別の問題です。

高雄の社員の手元にあるのは、通知書一枚と、同僚とのメッセージです。通知書を受け取った日を書き留めておけば、第9条第1項の30日を数える起点にもなります。違反を同僚に帰すべきだと考えるなら、第85条第1項に従い、通知書の出頭期日より前に、関連する証拠と同僚に関する証明書類を添えて処罰機関に知らせなければなりません。

台湾の弁護士に依頼できること

台湾の弁護士には、実際の通知書で被通知人と出頭期日、受け取った日を確かめ、車の使用記録と運転者の身元資料を検討してもらえます。通知書が期日間際か期日後に届いたなら、送達の効力が生じた日を調べ、処理細則第15条第2項と第36条第1項を踏まえて、第85条の届出に適用される期限を処罰機関に早急に確認できます。違反した条項から第8条第1項により処罰機関を見きわめ、証拠と責任を負うべき人の証明書類を添えた第85条第1項の通知を作成して、適用される期限内に提出することも依頼できます。同僚に身元資料を頼む依頼文の作成も、この作業に含まれます。取締りの事実そのものを争うなら、通知書を受け取ってから30日以内に処罰機関へ出す第9条第1項の意見書を別に用意します。提出した資料を処罰機関がどう判断するかを、前もって約束することはできません。

通知書の写真と受け取った日付、車を貸した経緯をまとめて、昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)へメールでお送りください。事務所は台北市大同区承徳路一段35号7F-2にあります。メールには通知書の出頭期日と、運転していたと考える人も書き添えてください。

参考にした公的資料

  • 台湾 道路交通管理處罰條例 第7条の2、第8条、第9条、第85条、第92条、全文 — 現行条文を確認(全國法規資料庫が示す法律全体の最終改正日:2026年8月17日)
  • 違反道路交通管理事件統一裁罰基準及處理細則 第15条、第36条 — 現行条文を確認(細則全体の最終改正日:2026年5月26日)

確認日:2026年10月16日

よくある質問

運転していた人の名前を伝えるだけで足りますか?
[道路交通管理處罰條例第85条第1項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=K0040012&flno=85)では、取り締まられた違反を他人に帰すべきだと考える処罰対象者は、通知書の出頭期日(應到案日期)より前に、関連する証拠とその人に関する証明書類を添え、処罰機関に責任を負うべき人を知らせなければなりません。処罰機関はその人に直ちに別途通知し、出頭を求めて法に従って処理しなければなりません。適用される期限までに規定どおりに行わなければ、違反した条項に従って処罰されます。通知書が遅れて届いた場合は、下の送達に関する説明に沿って、送達記録と第85条の届出期限を処罰機関に確認する必要があります([処理細則第15条第2項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=D0080029&flno=15)、[第36条第1項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=D0080029&flno=36))。
通知書を受け取ってから30日以内に知らせればよいのですか?
[第9条第1項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=K0040012&flno=9)の30日は、通知書を受け取ってから数えます。処罰対象者はこの期間内に[第92条第4項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=K0040012&flno=92)の罰鍰基準に従って指定の場所で納付し、裁決を経ずに事件を終えることができます。取締りの事実に不服があれば、同じ期間内に処罰機関へ意見を述べなければなりません。違反を別の人に帰すべきだと考えるなら、[第85条第1項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=K0040012&flno=85)に従い、通知書の出頭期日より前に関連する証拠とその人に関する証明書類を添え、処罰機関に知らせます。二つの日付は一致するとは限りません。通知書が遅れて届いたときは、下の送達に関する説明のとおり、記載された期日だけで届出の機会がなくなったと判断せず、[処理細則第15条第2項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=D0080029&flno=15)と[第36条第1項](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=D0080029&flno=36)を踏まえて処罰機関に確認してください。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。