台湾向けの輸出品が通関で負担する税金:関税、営業税5%、貨物税、推廣貿易服務費0.04%
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台湾向けの輸出品が通関で負担する税金:関税、営業税5%、貨物税、推廣貿易服務費0.04%

約9分

台湾の税関で輸入通関をすると、関税と一緒に営業税(營業稅)が、品目によっては貨物税(貨物稅)も徴収されます。営業税の5%は、課税価格に関税と貨物税を足した額に掛けて計算します(営業税法第20条、財政部関務署のQ&A)。貨物税にも営業税がかかるわけです。

徴収は税関で一度に済みます。関税は税関が徴収し(関税法第4条)、営業税と貨物税も税関が代わって徴収します(営業税法第41条、貨物税条例第23条第2項)。推廣貿易服務費(貿易振興基金に充てる手数料)も同じ納付書に載り、輸入税と同時に納めます(貿易法施行細則第17条第2項)。

納めるのは荷受人、提貨單の所持人、貨物の所持人

関税法第6条は、関税の納税義務者を荷受人(收貨人)、提貨單(船荷証券・荷渡指図書)の所持人または貨物の所持人と定めています。輸入営業税を納めるのも輸入貨物の荷受人または所持人で(営業税法第2条第2号)、ここでいう荷受人は提貨單または輸入積荷目録(進口艙單)に記載された荷受人です(同法施行細則第3条)。貨物税も、同じ範囲の者が輸入時に納めます(貨物税条例第2条第1項第3号)。

運送書類で台湾子会社や販売先が荷受人になっていれば、その会社が納税義務者となり、最終的に誰がその税を負担するかは、日本の本社と台湾側との売買契約で決めることになります。台湾に拠点を置く形については台湾での会社設立の基礎にまとめています。

台湾に固定の営業場所を持たない日本企業が台湾に物品を売る場合も、営業税はこの通関の段階で徴収されます。財政部は1991年の解釈で、そうした外国企業の物品販売を営業税法第41条、つまり税関による代理徴収で扱うと整理しました(財政部1991年6月19日の解釈)。

申告は15日以内、納付は14日以内

輸入申告の期限は、貨物を積んだ船や航空機が台湾に入った日の翌日から15日です(関税法第16条第1項)。過ぎると1日200台湾元の滞報費がかかり、20日分たまっても申告しなければ税関が貨物を売却します(第73条)。申告は荷主が自ら行うか、許可を受けた通関業者(報關業者)に委託し(第22条第1項、関務署Q&A)、申告書にはインボイスとパッキングリストなどを添えます(第17条第1項)。

納付の期限はもっと短くなります。第43条第1項により、関税は納付書(稅款繳納證)の送達の翌日から14日以内に納めなければなりません。遅れると未納税額の0.05%が1日ごとに加算され、30日分加算されても納めなければ、やはり税関が貨物を売却します(第74条)。税番や課税価格の決定に不服があるときは、納付書を受け取った翌日から30日以内に書面で復查(再調査)を申請します(第45条)。輸入に関する書類と帳簿は、貨物の放行(引取り許可)の翌日から5年間保存します(第98条)。

課税価格と、税率表の3つの欄

関税の多くは、価格に税率を掛ける従価税です。重量あたりの従量税や、従価と従量の高いほうを取る複合税もあります(関務署Q&A、2026年7月13日)。従価税の課税価格(完稅價格)は、台湾向けに輸出販売された貨物について実際に支払った、または支払うべき価格から出発します(関税法第29条第1項・第2項)。その価格に含まれていなければ、買い手が負担する手数料や容器・包装費用、取引条件に従って買い手が支払うロイヤルティー、輸入港までの運賃・積卸費と保険料などを加えます(同条第3項)。関務署の説明ではCIF価格です。関連会社間取引の価格がどう審査されるかは、また別のテーマです。

税率は、立法手続で定める海関進口税則(海關進口稅則)に載っています(関税法第3条)。関務署の2026年7月15日付Q&Aによれば、税則はHSに基づく8桁の税番を使い、税率を3つの欄に分けています。第1欄はWTO加盟国か台湾と互恵待遇のある国・地域からの貨物に、第2欄は特定の後発開発途上国・開発途上国の特定貨物と、FTAや経済協力協定を結んだ国・地域の特定貨物に適用されます。残りは第3欄です。

日本からの貨物にFTA税率はあるのでしょうか。第2欄の対象国に日本はありません。2026年10月7日に確認した経済部国際貿易署のECA/FTAポータルでも、締結相手に日本は見当たりません。品目ごとの税率は関港貿単一窓口(關港貿單一窗口)の税率照会で調べられます(関務署Q&A)。税番の判断に迷う品目なら、輸入前に税関へ事前審査を申請して書面の回答をもらっておく手があります(関税法第21条)。

貨物税がかかるのは7つの品目群

ゴムタイヤ、セメント、飲料、板ガラス、油・ガス類、電気器具、車両。対象はこの7つです(貨物税条例第6条〜第12条)。台湾で製造したものにも輸入品にも同じようにかかり(第1条)、輸入品の課税価格は関税の課税価格に関税などの輸入税を加えた額です(第18条)。関税が免除された貨物でも、貨物稅稽徵規則第55条第2項により、免除された関税の額を加えて計算します。

税率は2026年10月時点の条文で見ます。冷蔵庫は13%、エアコン(冷暖房機)は20%で、セントラル方式は15%です(第11条)。排気量2,000cc以下の乗用車は25%です(第12条)。電気器具を定める第11条は、2026年1月1日に施行された改正後の条文です。課税対象かどうか迷うときは、輸入前に輸入地の税関に事前審査を申請できます(稽徵規則第55条第3項)。

営業税5%と仕入税額控除

営業税法第10条は税率を5%以上10%以下とし、実際の徴収率は行政院に委ねています。関務署は2026年7月9日付のQ&Aで、輸入営業税を5%で計算しています。

輸入した会社が一般の方法で税額を計算する営業人であれば、この営業税は仕入税額になります。売上税額から仕入税額を差し引いて納める仕組みだからです(第15条第1項)。証憑は、施行細則第38条第1項第2号が定める「海關代徵營業稅繳納證扣抵聯」、つまり税関が代理徴収した営業税の納付証の控除用部分です。財政部高雄国税局は、この証憑を納付日の属する月の申告期に申告するよう案内しています(2020年6月2日の案内)。その期を逃したら次の期に、さらに遅れる場合は理由を説明して申告でき、期限は10年です(施行細則第29条)。

控除できない仕入れもあります。自家用乗用車など第19条が定める項目は、輸入品であっても控除されません。申告の周期と統一発票の扱いは台湾子会社の営業税と統一発票で取り上げました。

推廣貿易服務費0.04%

貿易法第21条第1項は、推廣貿易服務費の上限を貨物価格の0.0425%と定めています。実際の徴収率は0.04%だと、経済部国際貿易署が案内しています(国際貿易署Q&A)。輸入品は関税の課税価格が基準です(第21条の1第2号)。100台湾元以下なら徴収されません。一方で、税則上の税率がゼロで関税がかからないというだけでは免除になりません。保税貨物の搬出入(国内販売のために搬出して輸入するものを除く)や自由貿易港区に関わる一部の取引は、免除の対象です(経済部の2024年2月2日の公告)。

課税価格100万台湾元の冷蔵庫で試算すると

課税価格(CIF)100万台湾元の冷蔵庫を輸入するケースです。関税率10%は説明のために置いた架空の数字で、実際の税率は税番ごとに確かめる必要があります。

項目計算金額(台湾元)
関税1,000,000 × 10%(架空)100,000
貨物税(1,000,000 + 100,000) × 13%143,000
営業税(1,000,000 + 100,000 + 143,000) × 5%62,150
推廣貿易服務費1,000,000 × 0.04%400
合計305,550

貨物税が関税を上回ります。通関時の負担は合計30万5,550台湾元で、このうち営業税6万2,150台湾元は、一般の方法で申告する営業人が納付証をそろえれば仕入税額になります。営業税の課税標準124万3,000台湾元には、貨物税14万3,000台湾元も含まれています。

荷受人を誰にするか、運送書類と売買契約をどうそろえるかを検討したい場合は、昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)に品目と取引条件をお知らせください。

期限は、輸入申告が入港の翌日から15日、関税の納付が納付書送達の翌日から14日です。税関に納めた営業税の控除は、納付日の属する月の申告期から始まります。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月7日

よくある質問

台湾の輸入営業税5%は、どの金額にかかりますか?
関税の課税価格(完稅價格)に関税を足し、貨物税の対象品であれば貨物税も足した額にかかります(営業税法第20条)。法律は税率を5%以上10%以下と定め、2026年10月時点で財政部関務署は5%で計算すると案内しています。徴収するのは税関です(同法第41条)。
税関に納めた営業税は、台湾子会社の仕入税額として控除できますか?
台湾子会社が一般の方法で税額を計算する営業人であれば、税関が発行する「海關代徵營業稅繳納證扣抵聯」を証憑として仕入税額に計上します(営業税法施行細則第38条第1項第2号)。納付日の属する月の申告期に申告し、その期を逃した場合は次の期に、さらに遅れれば理由を説明して申告でき、期限は10年です(同細則第29条)。自家用乗用車など営業税法第19条が定める仕入れは控除できません。
日本から輸入する貨物に、台湾のFTA税率はありますか?
財政部関務署の2026年7月15日付Q&Aが挙げる第2欄(FTA・経済協力協定の締結国と特定の開発途上国などの特定貨物)の対象国に日本は入っておらず、経済部国際貿易署のECA/FTAポータルの締結相手にも見当たりません(2026年10月7日確認)。品目ごとの税率は関港貿単一窓口の税率照会で調べ、輸入前に税番の事前審査を申請することもできます(関税法第21条)。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。