台湾の取引先の清算公告:3か月以内に申報しなかった売掛金はどうなるか
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台湾の取引先の清算公告:3か月以内に申報しなかった売掛金はどうなるか

約7分

台湾の取引先について出た清算公告に「逾期不申報者,不列入清算之內」とあれば、申報が遅れた債権は清算に含めないという意味です。股份有限公司(株式会社)の清算人は、就任後ただちに3回以上公告し、債権者に3か月以内の申報(届出)を催告して、その扱いも明記しなければなりません(公司法第327条)。売掛金が残っているなら、まず公告の申報期間を確かめます。

この手続は、公司法の第5章「股份有限公司」のうち「清算」の節、その中の「普通清算」の部分に置かれています(公司法の全文)。第2条第1項は会社を四つの種類に分けています。同項第4号は、股份有限公司について、資本の全部を株式に分けることなどを定めています。会社の名称にはその種類を表示しなければならない(同条第2項)ので、契約書や請求書にある取引先の名称に「股份有限公司」とあるかどうかで、まず見分けがつきます。「股份」のない「有限公司」であれば、清算は第113条第2項を経由する別の道筋になり、以下の三つの条文をそのまま当てはめることはできません。

台中の取引先が解散したら

大阪の部品メーカーが、台中の股份有限公司に数年にわたって部品を納めてきました(架空の例です)。納品のたびに請求書を出し、代金は送金で受け取っていました。手元には注文書、納品書、請求書、取引先から支払予定を知らせてきたメールが残っています。最後の2回分の請求書は、まだ支払われていません。その取引先が解散し、清算人の名前で債権の申報を求める公告が出たと、現地の代理店から連絡がありました。裁判所の破産宣告は出ていません。担当者は、清算人への申報と、期限後の売掛金の扱いを確かめたいと考えています。

まず公告の原文を取り寄せます。会社名、清算人、申報期間、申報先がどう書かれているかを確かめます。第327条が定めているのは、3回以上行われる「3か月以内に申報せよ」という公告です。担当者が目にした公告が1回目とは限りません。締切は、実際の公告にある日付で確認します。複数の公告を見つけたら、それぞれの日付も控えておきます。

日本の供給会社が公告を知るまでに時間がかかることもあります。取引先が解散したと聞いたら、清算人が公告を出したかどうか、その公告が定めた期間がいつまでかを、まず確かめることになります。

取引先の社名は、公告と契約書・請求書で一致していますか?取引先を英語名だけで呼んできた場合は、契約書、注文書、請求書のどこかにある中国語の正式名称を探し、公告の会社名と一字ずつ突き合わせます。名前のよく似た関連会社が別にあることもあります。確かめたいのは、契約書と請求書に書かれたその会社が清算に入ったのかどうかです。

清算人が知っている債権者には個別の通知

第327条のただし書は、清算人が明らかに知っている(明知)債権者には、期限までに申報しなかったことを理由に清算から外れる扱いは及ばない、と定めています。続く一文は、そうした債権者には清算人が個別に通知しなければならないとしています。公告も個別の通知も、清算人の義務です。

取引先の帳簿に未払いの記録があるはずだとして、申報せずに待てるでしょうか。清算人がその債権者を明らかに知っていたかどうかは、確認が必要です。期間内に申報すれば、この例外に頼らずに済みます。逆に、第327条の定める個別の通知が届かないからといって、清算人がその債権者を知らないとも言い切れません。通知を受け取った場合も、期間内に申報書で応えておくのが安全です。

請求額の根拠と申報の記録

申報の方法は公告の案内に従い、請求額とその根拠を一つにまとめて送ります。公告に書式や言語の指定があれば、それに合わせます。金額を請求書ごとに分けて書き、合計を添えておくと、清算人が会社の帳簿と照合しやすくなります。申報書には部品メーカーの会社名、連絡先、担当者名も書き、清算人から連絡が取れるようにします。根拠になるのは手元の資料です。請求書、契約書や注文書、納品の記録、取引先が支払いを認めたメールなどが当たります。

送った書類一式の控えと、いつ何を送ったかがわかる発送・受領の記録も残します。申報の証拠になります。

清算人に申報書を出したからといって、支払いが決まるわけではありません。会社に残る財産が足りるか、清算人が申報額をそのまま認めるかは、申報だけでは決まりません。申報後に清算人から問い合わせがあれば、同じ資料で答えられるよう整理しておきます。それでも、第327条が公告で明らかにさせる「清算に含めない」扱いは、期間内に申報した債権者には向けられていません。

期間を過ぎた債権に残る道

清算人が明らかに知っている債権者に当たらず、期間内にも申報しなかった場合、その債権は清算に含まれません(第327条)。それで終わりではありません。第329条本文によれば、清算から外れた債権者も、会社がまだ分配していない残余財産については弁済を請求できます。

残余財産の分配は第330条が定めています。この条文によれば、会社が債務を弁済した後に残った財産は、各株主の持株の割合に応じて株主に分配しなければならず、会社が特別株(特別股)を発行していて定款に別段の定めがあるときは、その定めに従います。第329条ただし書は、残余財産がこの条文に従ってすでに分配され、そのうち全部または一部がすでに受け取られていれば、本文の請求権は適用されないとしています。二つの条件がそろったときの話です。

期間を過ぎた部品メーカーには、何ができるでしょうか。残る問いは、清算がどこまで進んだかです。清算人に申報書と証拠を送るとともに、まだ分配されていない財産があるかを尋ね、第329条に基づいて弁済を求める旨を書面で残しておく方法があります。この請求の対象は、会社がまだ分配していない残余財産です。財産が残っていない場合もあります。

裁判所が破産を宣告した場合の債権の届出は、別の手続です。取引先がまだ営業していて支払いだけが遅れている段階なら、台湾の取引先から入金がない。催促の次に動くものが参考になります。会社を閉じる側の手続は台湾子会社の解散登記後、残余財産を送金できるまでで取り上げました。日本側での会計・税務上の処理は、日本の税理士や会計士にご確認ください。

台湾の弁護士に依頼できること

公告にある会社は、本当に契約相手でしょうか。台湾の弁護士は、契約書と請求書を見比べて、同じ股份有限公司かどうか確認できます。公告と請求書を検討して請求額と根拠資料を整理し、清算人あての申報書を証拠とともに作成して、提出の記録が残る方法で送ることもできます。申報期間が残っているうちなら、申報書の内容と添付資料の点検だけを頼むことも可能です。中国語の公告を読んで要点を日本語で説明し、清算人とのやりとりを中国語で引き受け、申報額への質問や異議に資料で答えるのも弁護士の仕事です。期間を過ぎた場合は、清算人がその債権者を知っていたかどうか、まだ分配されていない財産が残っているかを資料から検討し、必要であれば民事訴訟で部品メーカーを代理します。公告を知るのが遅れたときは、その時点で清算がどこまで進んでいるかの確認から任せられます。回収の見込みは、残っている財産と清算の進行状況を確認して判断します。

昊鼎国際法律事務所の所在地は台北市大同区承徳路一段35号7F-2です。相談をご希望の場合は、メール(wei@hoveringlaw.com.tw)に清算公告と未払いの請求書を添えてお送りいただけます。

参考にした公的資料

  • 台湾 公司法 第2条、第113条、第327条、第329条、第330条
  • 台湾 公司法 全文(第5章 股份有限公司、第12節 清算、第1目 普通清算における条文の位置を確認。民国114年(2025年)12月26日の改正を反映した現行条文)
  • 台湾 公司法 公式英訳(用語の確認用。中国語の原文が優先します)

確認日:2026年10月16日

よくある質問

清算人は当社の売掛金を知っているはずです。それでも申報が必要ですか?
[台湾の公司法第327条](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=J0080001&flno=327)では、清算人が明らかに知っている債権者には申報期限を過ぎたことによる清算からの除外は及ばず、清算人はその債権者に個別に通知しなければなりません。清算人が実際に知っていたかどうかを、推測だけで決めることはできません。個別の通知の有無にかかわらず、公告に書かれた申報期間内に証拠をそろえて申報し、提出の記録を残しておくのが安全です。
申報期間を過ぎたら、売掛金を回収する道はなくなりますか?
清算人が明らかに知らなかった債権者が期間内に申報しなければ、その債権は清算に含まれません([公司法第327条](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=J0080001&flno=327))。清算から外れた債権者も、会社の未分配の残余財産には弁済を請求できます([第329条](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=J0080001&flno=329))。ただし、その財産が[第330条](https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=J0080001&flno=330)に従って分配され、全部または一部が受け取られていれば、第329条の請求権は適用されません。財産が残っている保証もありません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。