月末の入金一覧に、台湾向けの請求だけが残っています。催促を重ねる間にも、進む期限があります。
2年です。台湾法が適用される場合に民法127条が挙げる請求権の時効期間で、商人や製造人が供給した商品の代金(8号)もその一つです。起算点は請求権を行使できる時です(128条)。
契約書に準拠法の条項はありますか。渉外民事法律適用法20条は当事者の意思を先に見て、明示の合意がなければ最も関係の深い法によるとします。準拠法と時効の関係、手続き全体は売掛金回収の進め方にまとめています。
存證信函の後の6か月
存證信函は中華郵政の内容証明にあたる郵便で、判決ではありません。強制執行法4条の執行名義にも入っていません。
請求は時効を中断させますが、請求後6か月以内に訴えを起こさなければ、中断しなかったものとみなされます(民法129条、130条)。支払命令・調停・強制執行の申立て、仲裁への付託などは提訴と同じ効力があります(129条2項)。催促状の再送は入っていません。
仮差押えの担保は裁判所が決める
財産を動かす兆しがあれば、仮差押え(假扣押)が先になることがあります。要件は将来の執行が不能または著しく困難になるおそれで(民事訴訟法522条、523条)、請求と仮差押えの原因は疎明が必要です。疎明が足りなくても、債権者が担保を申し出るか裁判所が適当と認めれば、相当の担保を条件に仮差押えが命じられることがあり、疎明が十分でも担保を求められることがあります(526条)。請求額の3分の1という数字は条文にありません。
本案がまだ係属していなければ、裁判所は債務者の申立てにより、期間を定めて債権者に提訴を命じなければなりません(529条)。支払命令や調停の申立て、仲裁の開始も提訴にあたり、期間を過ぎれば債務者は仮差押えの取消しを申し立てられます。
支払命令の3か月と20日
支払命令(支付命令)は一定額の金銭請求に使え、請求は疎明します(508条、511条)。使えないのは、債権者の反対給付が済んでいない、命令の送達が外国になる、公示送達による、の三つの場合です(509条)。債権者が海外企業であることは含まれません。
515条により、発令から3か月以内に債務者へ送達できなければ命令は効力を失います。送達後は20日です。債務者はその間、516条により理由を付けずに異議を出せます。適法な異議の範囲で命令は効力を失い、申立ては提訴か調停の申立てとみなされます(519条)。異議がなければ執行名義になり得ますが、債務者は債権不存在確認の訴えを起こし、担保を立てて執行停止を求められます(521条)。
訴訟費用の担保と執行
台湾に住所も事務所も営業所もない原告には、被告の申立てがあれば、裁判所が訴訟費用の担保を命じなければなりません(96条)。被告が争わない部分と、訴訟費用を賄える資産が台湾にある場合は除かれます。仮差押えの担保とは別です。
契約書と催促日を書いた秘密でない概要は、昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)へ先にお送りいただけます。執行名義を得ても執行には別に申立てが要り(強制執行法5条)、差し押さえる財産がなければ入金はありません。
参考にした公的資料
- 台湾法務部・全國法規資料庫「民法」:第127条、第128条、第129条、第130条
- 「涉外民事法律適用法」:第20条
- 「民事訴訟法」:第96条、第508条、第509条、第511条、第515条、第516条、第519条、第521条、第522条、第523条、第526条、第529条
- 「強制執行法」:第4条、第5条
- 中華郵政「存證信函」の案内
確認日:2026年10月6日
本記事は2026年10月6日に確認した台湾の法令と公的資料に基づく一般的な情報であり、個別の事案についての法的助言ではありません。
よくある質問
- 存證信函を送れば、時効は延び続けますか。
- いいえ。台湾法が適用される場合、請求は時効を中断させますが(民法129条)、請求後6か月以内に訴えを起こさなければ中断しなかったものとみなされます(130条)。支払命令の申立て、調停の申立て、仲裁への付託、強制執行の申立てなどは、129条2項により訴えの提起と同じ効力があります。催促状を送り直すことは、そこに含まれていません。
- 仮差押えの担保は請求額の3分の1ですか。
- 民事訴訟法526条に、請求額の3分の1という基準はありません。債権者は請求と仮差押えの原因を疎明しなければなりません。疎明が足りなくても、債権者が担保を申し出るか裁判所が適当と認めれば、裁判所は相当の担保を定めて仮差押えを命じることができ、疎明が足りていても担保を命じることができます。担保を申し出れば必ず認められるわけではありません。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



