架空の場面
← コラム一覧へ台湾法律情報

海外の代理出産で生まれた子と台湾で暮らすとき、配偶者の養子縁組が問題になる場面

約6分

架空の情景

台湾で暮らす日本人と台湾人の夫婦が、海外で生まれた子の書類をそろえるとき、「出生登記」という手続名から考え始めることがあります。海外出生なら、まず確認するのは台湾の戸籍に初めて載せる条件です。誰が法律上の親なのかも、そこで問われます。

海外出生と「初設戸籍登記」

台湾の戸籍法第6条は、国内で生まれた12歳未満の国民について出生登記を定めています。一方、国内に戸籍を設けたことのない国民が入境し、定居許可を受けた場合には、第15条の初設戸籍登記が問題になります。親子関係、国籍、定居許可には、それぞれ確認すべき条件があります。

出生証明書だけで足りますか。代理出産や生殖補助医療が関わる場合、海外の親子関係の裁判、婚姻資料、すでに行った認知や養子縁組も確認することになります。国籍と戸籍の一般的な流れは日台の子の出生・戸籍登録で扱っています。

妻が妊娠・出産する場合の規定

現行の人工生殖法第2条は、治療を受ける夫婦を、妻が自らの子宮で妊娠・出産できる夫と妻として定義しています。第三者が妊娠する仕組みを、この定義にそのまま含めることはできません。

婚姻中、夫の同意を得て提供精子によって妻が妊娠し、出産した子は、第23条により婚生子とみなされます。婚姻中に妻が同意し、夫の精子と提供卵子によって妊娠して生まれた子には第24条があります。同意も要件です。妊娠・出産の経過が条文の条件に合うかを検討します。

新北地方法院が認めた配偶者の養子縁組

114年度司養聲字第151號裁定は、新北地方法院が出した養子縁組に関する裁定です。裁定日は2025年9月12日です。海外で代理出産により生まれた子について、すでに認知した実父の配偶者との養子縁組を認可しました。配偶者も養育に参加していました。裁判所は福祉機関の家庭訪問調査などから、子の最善の利益にかなうと判断しています。

生母の同意については、その事件で保護・養育義務を果たしていなかったと認定し、法律上の例外を適用しました。代理出産であれば同意が不要になる、という一般的な判断ではありません。抗告手続のある裁定です。確定状況は未確認です。

養子縁組に台湾法を適用する場合、民法第1079条が書面と裁判所の認可を求め、第1079条の1が未成年の子の最善の利益を基準にしています。父母の同意と例外は第1076条の1によります。同性配偶者の子との養子縁組にも民法が準用されます(釈字第748号解釈施行法第20条)。

認知を選ぶ前に残る親子関係

親子関係に台湾民法が適用される範囲では、妻が婚姻中に懐胎した子について第1063条の婚生推定が働きます。非婚生子については、実父の認知、または養育によって認知したとみなす規定が第1065条にあり、生母との関係には認知が不要です。既存の推定も確認します。

国際家族の場合には、台湾民法の前に準拠法の検討があります。渉外民事法律適用法第51条は婚生の身分、第53条は認知について、国籍とその確認時点を定めています。養子縁組の成立は養親と養子それぞれの本国法によります(第54条)。日本国籍を持つ人がいる家庭も、台湾の一つの条文だけでは手続を決められません。

相談を受ける台湾の弁護士には、海外の出生・親子関係資料の法的効力と準拠法の確認、認知や養子縁組の手続選択、裁判所への申立て、戸籍窓口との調整を依頼できます。 昊鼎国際法律事務所への相談窓口はwei@hoveringlaw.com.twです。台北事務所:103 臺北市大同區承德路一段35號7樓之2。台中事務所:40453 臺中市北區館前路19號6樓之1。

すでに認められた親子関係があるかどうかを、次の申立てを出す前の資料で明らかにしておくことが出発点です。

参照した資料

確認日:2026年10月23日。

よくある質問

海外の代理出産契約に名前があれば、台湾でも親として登録されますか。
契約だけでは判断できません。出生・婚姻・親子関係の資料、関係者の国籍と準拠法を確認します。人工生殖法第23・24条が婚生子とみなす場合にも、それぞれ固有の要件があります。
台湾では同性配偶者の子との養子縁組もできますか。
司法院釈字第748号解釈施行法第20条は、配偶者の子の養子縁組に民法の規定を準用します。新北地方法院114年度司養聲字第151號では海外代理出産の子について認可されましたが、同意と子の最善の利益などを審査した個別の裁定です。確定状況は確認できていません。
海外出生の子は台湾で出生登記をするのですか。
戸籍法第6条の出生登記は、台湾国内で生まれた12歳未満の国民が対象です。台湾に戸籍を設けたことのない国民が入境し、定居許可を受けた場合には、第15条の初設戸籍登記を検討します。親子関係の成立だけで定居許可まで得られるものではありません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。