台湾の自由貿易港区・保税倉庫・科学園区と税金:再輸出貨物の関税・営業税と、2019年以降の所得税免除の条件
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台湾の自由貿易港区・保税倉庫・科学園区と税金:再輸出貨物の関税・営業税と、2019年以降の所得税免除の条件

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日本から台湾の自由貿易港区に在庫を移し、そこからベトナムやタイの取引先に出荷すれば、その利益に台湾の営利事業所得税(日本の法人税に相当)はかからない――この理解は、今も通用するのでしょうか。条件は2019年に変わりました。現行の自由貿易港区設置管理条例(自由貿易港區設置管理條例)第29条第1項が販売所得を免除するのは、台湾での活動が準備的・補助的な性質にとどまる事業者が、自由港区管理機関(自由港區管理機關)の承認を受けた場合です。

関税と営業税は、これとは切り離して考えます。自由貿易港区、保税倉庫、物流センターを経由して再び輸出される貨物には、そもそもこれらの税が生じません。課税されるのは、貨物が台湾の国内市場、つまり課税区(課稅區)に入るときです。納付の繰り延べではなく、再輸出分には税がかからない仕組みです。

自由貿易港区に入れた貨物の関税と営業税

条例第21条により、自由港区事業者(自由港區事業)が国外から港区内に運び入れた営業用の貨物には、関税、貨物税、営業税、菸酒税(たばこ・酒税)、菸品健康福利捐(たばこ健康福祉負担金)、推廣貿易服務費(貿易推進サービス費)、商港服務費(商港サービス費)がかかりません。免税の申請や担保、記帳の手続も要りません。自社で使う機械・設備も免税ですが、搬入から5年以内に課税区へ出すと、税が追徴されます。

保管期間に上限はありません。2年を超えて保管している貨物については、必要なときに帳票を印刷して税関の検査に備えます(自由貿易港区貨物通関管理弁法第18条第7号)。

では、税金はいつ発生するのでしょうか?第23条は、自由港区事業者の貨物が課税区に出るとき、輸入貨物として第21条と同じ税・負担金を課すと定めています。港区内で加工・製造・再整理などをした貨物は、搬出時の形態の価格から港区内の付加価値を差し引いて関税の課税価格を決めます。営業税法も、保税区から台湾のその他の地域に入る保税貨物を輸入とし(第5条第2号)、その営業税は税関が代わりに徴収します(第41条)。財政部の税務ポータルのQ&Aによると、この場合は課税区の買い手が輸入申告をし、保税区の売り手は統一発票(統一發票)を発行しません。

自由港区事業者になれるのは、会社または外国会社の台湾支店です(自由貿易港区事業営運管理弁法第2条第2項)。営業計画書などをそろえて、自由港区管理機関から設立・営業の許可を受けます(条例第13条)。

保税倉庫・物流センター・保税工場

区分運営できる者貨物の保管期間
自由貿易港区自由港区事業者(会社または外国会社の台湾支店)上限なし
保税倉庫税関に登記し、保証金を納めた業者2年、延長不可(税関が承認した特別な場合は例外)
物流センター払込資本金1億5,000万台湾元以上の株式会社、またはそれ以上の営業資金を実際に送金した外国会社の支店原則として上限なし

保税倉庫に入れた輸入貨物は、定められた保管期間内にそのまま、または再整理して輸出すれば関税が免除されます(関税法第58条)。2年の期限とその例外は、保税倉庫設立及管理弁法第45条が定めています。物流センターでは再整理や簡単な加工も認められ、輸出すれば免税です(関税法第60条、物流中心貨物通関弁法第5条・第18条)。

保税工場は、輸出品の製造業者のための制度です。税関に登記すると、輸出品の製造に使う輸入原料の関税が免除されます。製品や原料を工場から出すには、税関の承認を受け、出荷時の形態で申告・納税しなければなりません(関税法第59条)。海關管理保稅工廠辦法第4条の申請資格は、登記済みの工場を持つ株式会社(払込資本金5,000万台湾元以上)か外国会社の支店(実際に送金・登記した営業資金5,000万台湾元以上)で、財務や設備の条件も加わります。

営業税の面では、営業税法第6条の1が、自由貿易港区、科学園区、保税工場、保税倉庫、物流センターをまとめて保税区(保稅區)としています。台湾の事業者が保税区の事業者に営業用の貨物を販売する取引はゼロ税率です。保税区の事業者が課税区の事業者に販売した貨物でも、課税区を通らずに直接輸出されるもの、輸出のために自由貿易港区・保税倉庫・物流センターに保管されるものはゼロ税率になります(第7条第4号・第8号・第9号)。営業税の申告全般は、台湾子会社の営業税と統一発票で取り上げました。

港区の所得税免除は「準備的・補助的」な事業者に

現行の第29条第1項は、対象を外国企業に限っていません。自ら行うか自由港区事業者に委託するかを問わず、港区内での活動は貨物の調達・輸入・保管・運送であることが求められます。2019年度(民国108年度)の確定申告分から適用され、免除の期限は2042年12月31日です。改正前の規定による承認は、遅くとも2021年12月31日に終わりました(同条第4項~第6項)。

冒頭の理解は、改正前の条文に近いものです。2012年12月28日改正の条文は、外国の営利事業者またはその台湾支店が港区内で貨物を保管し、あるいは簡易な加工をして国内外の顧客に販売した所得を免除していました。

準備的・補助的かどうかは、営利事業於自由貿易港区従事貨物採購輸入儲存或運送免徴営利事業所得税弁法(以下「免税弁法」)第4条で判断します。外国法に基づいて設立された事業者は、原則として該当するものとみなされます。例外は三つです。実質的管理の場所が台湾にある場合、主要な事業活動のすべてを台湾で行っている場合、台湾の固定的な事業の場所を通じた活動の一部が準備的・補助的な範囲を超える場合です。台湾で果たす機能、負うリスク、使う資産が、事業全体から見て中核的・必要不可欠・重要な活動でないかどうかが基準です。

活動の範囲も限られています。免税弁法第5条によれば、販売活動は台湾の外で行うか、台湾内ではブローカー、一般の委託代理商その他の独立した代理人を通じて行わなければなりません。買い手は自然人であってはなりません。保管・運送には、保存、分類、等級分け、小分け、包装、ラベルの貼り替え、切断のように貨物の性質を変えない作業までしか含まれず、台湾で調達した貨物を台湾の顧客に販売できるのは、条文が定める二つの場合に限られます。

大阪に工場を持つ電子部品メーカーが、東京本社の営業部を通じてベトナムとタイの組立工場に部品を販売し、台湾の自由貿易港区の物流会社には保管と仕分け、ラベルの貼り替えだけを委託しています(架空の例です)。条文が想定する形に近い取引です。同じ会社が台湾に営業担当者を置き、台湾の商社と直接契約して販売するなら、独立した代理人を通じた販売という条件には当たりません。

証明書の申請と、毎年の申告

免除は自動的には受けられません。免税弁法第6条により、所得が生じた会計年度の翌会計年度の第3月の末日までに、自由港区管理機関に証明書(證明函)を申請します。会計年度が暦年であれば、2026年の所得については2027年3月末が期限です。証明書で認められる免除期間は最長5年です。添付書類には、実質的管理の場所が台湾の外にある旨の声明書や事業計画書があり、自由港区事業者に委託する場合は委託契約書とその中国語の要約訳も加えます。

証明書があっても、毎年の申告で改めて免除を求めます。第7条は、期限内に確定申告を行い、証明書の写しと租税奨励表(租稅獎勵表)を提出してはじめてその年度の免除を受けられるとしています。台湾に固定的な事業の場所も営業代理人もない事業者は、税務機関の承認を受けて、台湾に居住する個人か固定的な事業の場所を持つ事業者を代理人とし、申告・納税を任せなければなりません。

委託先の自由港区事業者や委託内容が変わったとき、契約を更新したときは、申請をやり直します(第10条)。

免除を受けないとき:受託した台湾の事業者が営業代理人に

承認がない場合の扱いは、財政部の2018年4月17日の解釈令(台財稅字第10600664060號)が示しています。台湾に固定的な事業の場所を持たない外国企業が、自由港区事業者や保税倉庫の業者などの台湾の事業者に貨物の輸入・保管・販売・運送を委託すると、その台湾の事業者が外国企業の営業代理人(營業代理人)になります。営業代理人は、代理業務の範囲で外国企業の台湾源泉所得を計算し、所得税法第73条第2項に基づいて申告・納税します。

台湾の取り分はどう決まるのでしょうか? 寄与度の計算が難しい場合、輸入・保管のうえで販売するケースでは、取引の流れ全体で得た総利益の3%を台湾の寄与分とします。製造・加工まで台湾で行うなら、3%に関連費用に占める台湾での加工費の割合を加え、合計100%が上限です。実際の寄与度がそれより高いことを税務機関が把握すれば、その資料に基づいて決まります。

科学園区は承認を受けた園区事業者の制度

科学園区(科學園區)も保税区の一つですが、優遇を受けるのは園区事業者(園區事業)です。免除の対象は、園区事業者が国外から輸入する自社用の機械・設備、原料、資材、燃料、半製品、サンプル、貿易用の完成品で、輸入税、貨物税、営業税がかかりません(科学園区設置管理条例第23条)。課税区に出せば課税され(機械・設備は輸入後5年以内)、製品やサービスを輸出すれば営業税はゼロ税率で、貨物税も免除です。

園区事業者とは、高度技術の製品・サービスの開発・製造・研究開発について承認を受けた科学事業者と、それらに運営・管理・技術サービスを提供する承認を受けた事業者です(第4条、第5条)。科学事業者は法に基づいて設立または認許された会社、支店その他の商業組織でなければならず、売上高に対する一定割合以上の研究開発費などの条件もあります。再輸出の物流だけを担う会社の選択肢にはなりません。所管は2022年7月27日の公告で國家科學及技術委員會に移っています(法規沿革)。

港区での委託の組み方や証明書の申請を検討している段階であれば、委託契約書の案と貨物・販売の流れをまとめて、昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)にお送りください。

自由貿易港区の所得税免除は、2042年12月31日まで実施されます。証明書の申請期限は、所得が生じた年度の翌会計年度の第3月末です。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月7日

よくある質問

外国企業が台湾の自由貿易港区に貨物を保管して販売すれば、所得税は免除されますか?
2019年度(民国108年度)の確定申告分から適用されている自由貿易港区設置管理条例第29条第1項は、台湾での活動が準備的・補助的な性質にとどまる営利事業者が、自ら、または自由港区事業者に委託して港区内で貨物の調達・輸入・保管・運送を行い、自由港区管理機関の審査・承認を受けた場合に、その販売所得を免除します。自動的には適用されず、証明書を取得したうえで毎年の確定申告で免除を申請します。免除の期限は2042年12月31日です。
保税倉庫に入れた貨物の関税は、後で払うことになるのですか?
保管期間内にそのまま、または再整理して輸出すれば関税は免除されます(関税法第58条)。台湾国内の課税区に引き取るときに輸入として課税されます。保税倉庫の保管期間は2年で延長はできず、税関が承認した特別な場合だけが例外です。
科学園区に入れば、貿易会社でも保税の優遇を受けられますか?
科学園区設置管理条例第23条の免税を受けるのは園区事業者です。園区事業者とは、高度技術の製品・サービスの開発・製造・研究開発について承認を受けた科学事業者と、それらに運営・管理・技術サービスを提供する承認を受けた事業者を指します。再輸出の物流だけを行う貿易会社が選べる制度ではありません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。