「證人」と記載された台湾の召喚状は、証人としての出頭を求める書類です。日本に帰国済みなら、発行機関、期日、担当部署を確認し、渡航が難しい事情を早めに伝えてください。封筒も残します。
検察官や裁判所から届く召喚状
台湾刑事訴訟法の第175条は、証人の召喚状に立証する事項と出頭日時・場所などを記載するよう定めています。捜査中は検察官、公判中は裁判長または受命裁判官が署名します。ここで扱うのは、この正式な召喚状です。警察から参考人として話を聞きたいという連絡が来た場合は、書類の種類を別途確かめます。
適法な召喚に正当な理由なく応じなければ、第178条により3万台湾ドル以下の過料を科され、強制的に出頭させられることがあります。過料を決めるのは裁判所です。
海外滞在や病気などで出頭できないときは、その事情を示す旅程や診断書を添えて担当機関に相談します。変更をお願いしただけでは期日は変わりません。認められたかを確かめておく必要があります。
国際刑事司法共助による海外の証人への要請には別の手続があり、国内の召喚と同様に不出頭の制裁が及ぶとは限りません。
自分の刑事責任につながる質問
証人なら、どの質問にも答えなければならないのでしょうか。第181条は、供述によって自分や同法が定める親族などが刑事訴追または処罰を受けるおそれがある場合、証言の拒絶を認めています。問題になるのは刑事責任です。職場で気まずくなるという事情だけでは、この条文の要件を満たしません。
第180条には、被告人などの現在または過去の配偶者、直系血族など、列挙された関係による拒絶事由もあります。ただし、共同被告人らのうち、その関係がない別の人だけに関する事項を証言する場合には、同条第2項の制限があります。
拒絶の理由は原則として疎明します。第183条は、第181条の場合、命令により宣誓(具結)で疎明に代えることも認めています。捜査中は検察官、公判中は裁判長または受命裁判官が許否を判断します。自身の関与が問題になりそうなら、出頭前に台湾の弁護士へ事実関係と想定される質問を伝え、拒絶できる範囲を相談する方法があります。
反対尋問でも拒めますか。第181条の1は、被告人以外の人が主尋問で述べた被告人本人に関する事項について、反対尋問で証言を拒むことを認めていません。
通訳を通して伝える内容
日常会話ができても、法律上の質問を理解しきれないことはあります。必要な通訳言語を事前に伝えてください。言葉が通じない人の尋問に通訳を付ける第99条は、第192条によって証人尋問にも適用されます。
準備する資料は、召喚状、身分証明書、自分が確認した出来事を日付順に整理したメモです。直接見た事実と後から人に聞いた話を分け、覚えていない部分もそのまま残しておけば、通訳を介しても供述の範囲を伝えやすくなります。
参照した公式資料
- 台湾の刑事訴訟法 175
- 台湾の刑事訴訟法 178
- 台湾の刑事訴訟法 180
- 台湾の刑事訴訟法 181
- 台湾の刑事訴訟法 181-1
- 台湾の刑事訴訟法 183
- 台湾の刑事訴訟法 99
- 台湾の刑事訴訟法 192
- 国際刑事司法共助法第30〜32条
確認日:2026年10月7日。
よくある質問
- 証言を拒める場合は出頭しなくてもよいですか。
- 拒絶できる事情だけで出頭義務がなくなるわけではありません。第183条に基づいて拒絶の理由を疎明し、捜査中は検察官、公判中は裁判長または受命裁判官の判断を受けます。出頭が難しい場合は発行機関に事情と資料を提出し、期日の変更が認められたか確認してください。 第181条の場合は、命令により宣誓(具結)で疎明に代えることもあります。
- 日本語通訳は頼めますか。
- 言葉が通じない人の尋問には第99条による通訳が必要で、第192条はこの規定を証人尋問にも準用しています。必要な言語を担当機関に事前に伝えてください。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。


