示談金を受け取る前に告訴を取り消すと、その後支払いがなくても告訴は復活しません。台湾刑事訴訟法の第238条は、取り消した人が再び告訴することを禁じています。取消し後は戻せません。
中国語の示談書にある「撤回告訴」
日本へ帰国する前に手続を済ませようとすると、支払いを約束する条項に目が向きがちです。「撤回告訴」は取消しです。同じ書面にこの文言があるなら、署名によっていつ取消しの意思を示すことになるのか、支払日との関係を読んでおく必要があります。
台湾高等検察署は、示談の履行前に告訴を取り消したり、取消しの文言を含む示談書へ署名したりする危険を説明しています。支払日、分割払いの条件、告訴を取り消す時期を一緒に確かめてください。
示談が刑事手続に与える効果
示談すれば、どの刑事事件も終わるのでしょうか。告訴を訴追の条件とする「告訴乃論之罪」では、第238条により第一審の弁論終結前まで告訴を取り消せます。判決前でも、弁論終結後なら期限を過ぎています。
告訴を必要としない罪には、この効果はありません。高等検察署の告訴に関する説明も、取消しの意思表示をしても取消しの効力が生じないと区別しています。罪名の確認が先です。
また、第237条の6か月という告訴期間は、告訴が必要な罪に関する規定です。告訴権者が犯人を知った時から数えます。事件発生日や台湾からの出国日を、どの事件にも共通する起算点として扱うことはできません。
すでに通報しているなら、処罰を求める意思がどのように記録されたかも確認します。第242条では、検察官や司法警察官への書面または口頭による告訴を認め、口頭の場合は調書の作成を求めています。
一人との示談が共犯者にも及ぶ場合
告訴を必要とする罪について、共犯者の一人に対して告訴し、または取り消すと、その効力は他の共犯者にも及びます。第239条の規定です。一人だけの問題ではありません。
有効な取消しがあれば、捜査段階では第252条第5号の不起訴処分、公判段階では第303条第3号の不受理判決が問題になります。示談金を支払ったという事実だけでは、これらの条件を満たすといえません。
署名前には、賠償する損害の範囲と支払日、取消しの意思表示の時期を照合します。すでに取り消した後に支払いが止まったなら、示談書の原本と未払いを示す入金記録が、次の請求を検討する資料になります。
参照した公式資料
- 台湾の刑事訴訟法 237
- 台湾の刑事訴訟法 238
- 台湾の刑事訴訟法 239
- 台湾の刑事訴訟法 242
- 台湾の刑事訴訟法 252
- 台湾の刑事訴訟法 303
- 台湾高等検察署:被害者の告訴権
- 台湾高等検察署:刑事告訴と取消し
確認日:2026年10月7日。
よくある質問
- 示談金を払えば台湾の刑事事件は終わりますか。
- 示談だけですべての事件が終わるわけではありません。告訴を必要とする罪か、有効な取消しがあったか、その時期が第一審弁論終結前かなどを確認します。告訴を必要としない罪では、被害者の取消しの意思だけで手続が終わることはありません。
- 取消し後に示談金が支払われなければ、もう一度告訴できますか。
- 第238条により、告訴を取り消した人は同じ事件について再び告訴できません。示談に基づく民事上の請求や執行の可否を検討することになり、不払いだけで告訴が復活することはありません。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。


