台湾支店の税務:日本の本店の管理費を経費にする条件と、利益を本店に送るとき
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台湾支店の税務:日本の本店の管理費を経費にする条件と、利益を本店に送るとき

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台湾支店の営利事業所得税(法人税にあたる税)の申告書に、日本の本店の財務報告書を添えることがあります。本店の管理費の一部を支店の費用として配賦するときです。配賦の基準は原則として売上高の比率で、条件は営利事業所得税査核準則(營利事業所得稅查核準則)第70条にまとめて定められています。

支店は本店の一部です。台湾の財政部は1987年の解釈(台財稅第7586738號)で、外国会社の台湾支店を本店の分支機構とし、支店が台湾で得た利益を本店の利益の一部と位置づけました。本店費用の配賦も、利益を本店に戻す方法も、そのため子会社とは扱いが違います。両者の一般的な違いは台湾進出:子会社と支店の違いにまとめています。

申告するのは台湾の所得だけです

外国会社は、支店登記をしなければ自社の名義で台湾で営業できず、違反すれば行為者が刑事罰を受けます(会社法(公司法)第371条)。会社法第372条により、支店には営業に使う資金を専用に割り当て、台湾での責任者を指定しなければなりません。登記後に責任者がその資金を本店に返還し、または本店に回収させた場合も刑事罰の対象です。設立の手続は台湾での会社設立の基礎で扱っています。

課税されるのは台湾の所得です。所得税法第3条第3項は、本店が台湾の外にある営利事業について、台湾域内の営利事業所得に営利事業所得税を課すと定めています。第41条は、台湾域内の固定営業場所に独立した帳簿を置き、所得を計算するよう求めます。申告は毎年5月1日から31日までに前年分を、支店の登記地の税務機関に支店単位で行います(第71条第1項、施行細則第49条第2項)。2026年10月現在、税率は20%です(第5条第5項)。

赤字の年はどうなるでしょうか。1975年の財政部解釈(台財稅第32565號)は、第41条に従って帳簿を独立させた支店も、第39条の欠損金繰越控除を使えるとしています。現在の繰越期間は10年です。第39条は、帳簿書類が整っていること、欠損の年と控除する年のいずれも青色申告書(藍色申報書)か会計師の査核簽証による申告で、期限内に申告したことを条件にしています。

営業税(付加価値税にあたる税)でも、支店はそれ自体が営業人です(営業税法第6条第3号)。経済部商業発展署の支店設立手続の案内は、会社・支店の登記の次の段階として、支店所在地の国税局に営業(税籍)登記を申請する流れを示しています。

本店管理費の配賦に必要な二つの要件

第70条第1項によれば、台湾にある外国会社の支店が国外の本店または地域統括本部の管理費を負担する場合、次の二つの要件を満たせば実額で認められます。

一つ目は、本店や地域統括本部が自らは対外的な営業をせず、別に営業部門を置いている場合の扱いです。その営業部門も、各地の支店と一緒に非営業部門の管理費を負担しなければなりません。支店だけに管理費を寄せる配賦では、この要件を満たしません。

二つ目は、本店側の管理費が支店の仕入原価にすでに含まれていないことです。本店が支店の営業のために供給した資金について、支店が利息を支払っていないことも同じ号の要件です。本店から商品を仕入れる支店なら、まず仕入単価に管理費が上乗せされていないかを確かめることになります。

基準は売上高の比率です。本店・地域統括本部に属する各営業部門と各支店の営業収入の比率で按分するのが第2項の原則で、特別な事情があれば管轄の税務機関に申請して承認を受け、ほかの合理的な基準を使えます。日本の本店の非営業部門の管理費が10億円、本店の営業部門と各支店の売上合計に占める台湾支店の割合が5%なら、台湾支店の負担分は5,000万円です(説明のための架空の数字です)。

申告書に添付する本店の財務報告書

書類の要件は第3項と第4項にあります。支店はその年の営利事業所得税の申告の際に、本店(または地域統括本部)所在地の資格ある会計士が簽証(監査・証明)した本店の財務報告書を提出します。報告書には、本店全体の営業収入と本店の管理費の金額が記載されていなければなりません。会計士の報告書に代えて、外国の税務当局の証明を出すこともできます。ほかの配賦基準の承認を受けた場合は、基準の内容、計算方法、各営業部門・各支店への配賦額まで報告書に載せる必要があります。

財務報告書に管理費の金額や配賦の内容が載っていないときは、どうするのでしょうか。本店所在地の会計士が監査・証明し、それらを記載した監査報告書を別に提出します(第4項)。

こうして配賦した管理費には、移転価格の査核準則(營利事業所得稅不合常規移轉訂價查核準則)を適用しないと第5項が定めています。日台民間租税取決めにも関連する規定があります。公益財団法人交流協会と亜東関係協会(現在の名称は日本台湾交流協会と台湾日本関係協会)が結んだ民間の取決めで、日本国が締結した条約ではありません(国税庁の説明)。その第7条第3項は、恒久的施設の利得を計算するとき、恒久的施設のために生じた費用を、経営費と一般管理費を含め、どこで生じたかを問わず控除すると定めています(取決めの英文)。

国外で生じた原価・費用と2026年9月の財政部令

本店の管理費以外で国外で生じた原価・費用は、財政部の別の解釈2件が扱っています。1997年の解釈(台財稅第861924459號)は、台湾で設計・請負などの工事を行う外国営利事業の支店・工事現場を、1999年の解釈(台財稅第881896532號)は、外国の本店が台湾の顧客に台湾域内で直接役務を提供し、支店が合わせて申告する場合を対象にしています。もとの文言は、本店の財務報告書に台湾の在外公館または政府が認めた機関の認証(簽證)まで求めていました。

財政部は2026年9月16日の令(台財稅字第11500617350號)で、この2件を改正しました。改正後の文言は、本店所在地の資格ある会計士が簽証し、国外の原価・費用の金額、内容、計算・配分の方法を記載した本店の財務報告書、または外国の税務当局の証明によって認定するとしています。在外公館の認証は消えました。令の題名にも「免經驗證」(認証不要)とあります。1997年解釈の改正後の文言では、報告書を出せないときや税務機関が疑義を持ったときは、承認を経て所得税法第83条により帳簿・書類の提示を求めることができ、提示がなければ把握した資料や同業者利益率の基準で所得額を決定できるとされています。令には、どの申告から適用するかの定めがありません。

本店に払う利息、本店側への支払い

本店が支店の営業に供給した資金に支店が利息を払えば、先に見た第70条第1項第2号の要件を満たさなくなります。第三者から本店が借りた資金は事情が少し違います。1975年の財政部解釈(台財稅第36379號)は、本店が別の石油会社から借りて支店の台湾海域での石油探査に充てた事案で、その資金がすべて支店に使われたことを支店が税務機関に確実に証明できれば、本店が支払った利息を原則として支店の費用にできるとしています。

支店が本店側の組織に支払う場合もあります。1999年の解釈(台財稅第881958163號)は、外国銀行の台北支店が本店所属のプロジェクトチームに支払った費用を本店の台湾源泉所得とし、支店の申告に合算して営利事業所得税を納めるよう求めました。

ロイヤルティーを本店に払う場合はどうでしょうか。この記事で確認した条文と財政部解釈には、これを正面から扱ったものがありません。契約を作る前に、管轄の国税局や台湾の会計師に扱いを確認しておくと安心です。

税引後利益を本店に送るとき

源泉徴収はありません。前述の1987年解釈は、支店が台湾の利益に営利事業所得税を納める以外に利益分配の問題はなく、支店に源泉徴収の必要はないと整理しています。財政部の所得源泉の認定原則(2023年10月13日改正)第2点も、配当から外国会社の台湾支店の利益送金を除いています。留保利益に5%を上乗せする未分配盈余課税(2018課税年度から、所得税法第66条の9)も、本店が台湾の外にある営利事業は計算・申告の対象外です(財政部税務入口網Q&A 2814、2026年4月27日更新)。

子会社であれば、外国の親会社への配当に2018年1月1日以降の支払分から21%の源泉徴収がかかります(同Q&A 1503)。取決めの税率は台湾子会社の配当にかかる台湾の源泉税で取り上げました。日本の本店側で支店の所得や台湾で納めた税金をどう扱うかは、日本の税理士にご確認ください。

初めて本店管理費の配賦を申告に入れる場合や、別の配賦基準の承認を検討している場合は、昊鼎国際法律事務所にメール(wei@hoveringlaw.com.tw)でご相談いただけます。その前に本店の会計士報告書に本店全体の営業収入と管理費の金額が分けて記載されているかを見ておけば、第4項の監査報告書を別に用意するかどうかがすぐ分かります。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月6日

よくある質問

本店の管理費を、売上高の比率以外の基準で配賦できますか?
営利事業所得税査核準則第70条第2項の原則は、本店・地域統括本部に属する各営業部門と各支店の営業収入の比率です。特別な事情があれば、管轄の税務機関に申請して承認を受け、ほかの合理的な基準を使えます。その場合、本店の財務報告書には基準の内容、計算方法、各営業部門・各支店への配賦額も記載されていなければなりません(同条第3項ただし書)。
本店の財務報告書に、台湾の在外公館の認証が必要ですか?
第70条の文言は、本店所在地の資格ある会計士が簽証した財務報告書か外国の税務当局の証明を求めており、在外公館の認証は要件として書かれていません。国外で生じたほかの原価・費用に関する財政部の解釈2件は、以前は在外公館などの認証を求めていましたが、2026年9月16日の財政部令(台財稅字第11500617350號)で改正された文言にはその要件がありません。
支店が税引後利益を日本の本店に送金すると、台湾で源泉徴収されますか?
されません。1987年3月9日の財政部解釈(台財稅第7586738號)は、支店が台湾の利益に営利事業所得税を納める以外に利益分配の問題はなく、源泉徴収の必要もないとしています。本店が台湾の外にある営利事業は、未分配盈余への5%の上乗せ課税の計算・申告も不要です(財政部税務入口網Q&A 2814、2026年4月27日更新)。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。