台湾の記帳委託先を替えるとき、帳簿データと原本をどう引き継ぐか
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台湾の記帳委託先を替えるとき、帳簿データと原本をどう引き継ぐか

約5分

日本本社に決算書のPDFが届いても、台湾子会社の取引を後から確かめる資料がそろったとは限りません。税務機関が適法に調査する際には、売上や所得を証明する帳簿・証憑を所定の期間内に提示する義務があります。根拠は帳簿証憑管理規則第28-1条です。引継ぎでは、報告書を受け取った先と、元の記録を取り出せる人を確かめます。

5年と10年の起算点

商業会計法第38条は、証憑を年度決算手続終了後少なくとも5年、帳簿と財務諸表を少なくとも10年保存すると定めています。委託先変更日は起算点ではありません。証憑には永久保存対象や未結の会計事項の例外があり、帳簿・財務諸表も未結事項に関するものは年数だけで廃棄を決められません。

電子保存でも同じです。電子方式による会計資料処理規則第9条にも期間と例外が規定されています。対象年度、資料の種類、決算手続の終了時点、未結事項を引継ぎ表に添えると、後任者が保存期限の根拠をたどれます。

スキャン済みの箱は空にできるか

画像ファイルがあれば、紙を処分してよいのでしょうか。帳簿証憑管理規則の第26条と第27条は、紙の廃棄を伴う電子保存への移行について一般手続を設けています。当該年度の営利事業所得税の確定申告が税務機関の調査・確定を経た後、管轄税務機関の承認を受け、順序に沿って電子媒体に保存し、法定保存期間を守る手続です。未結の会計事項は対象から除かれ、証憑では永久保存すべきものも除かれます。

公開発行会社、金融持株会社、証券・先物・銀行・手形金融・信託・保険業およびその子会社が規定どおり電子処理・保存する資料には、別の特例があります。外国資本であること自体は特例の条件ではありません。また、当初から電子的に発行・送信・受信した原始証憑は第21条に基づき媒体へ保存します。紙を後でスキャンした記録と、受領時から電子形式だった記録を分けて把握します。

災害の場合も例外があります。帳簿が不可抗力の災害により毀損・滅失し、管轄税務機関が確認した場合です(第26条第1項)。引継ぎでファイルが見つからない事情を、そのままこの例外に置き換えることはできません。

保存場所と読める形式

第25条は、帳簿・証憑を原則として営業場所に置き、税務調査に備えると定めます。例外は、不可抗力の災害損失を緊急に防ぐ場合、関係機関が公務で取り寄せる場合、適格な会計士へ監査・証明のために送る場合です。通常の記帳委託を、最後の例外と一括りにはできません。

受け取る電子ファイルは、後任者が実際に開いて確認できますか。第28-1条は、規定に従い電子処理・保存した帳簿・証憑や、電子的に発行・送信・受信した原始証憑など、列挙された資料の電子ファイル提出を認めています。調査者が読めない、または内容を完全に表示できない場合には、事業者が帳簿・証憑や関係書類を印刷するか、提供する責任が残ります。拡張子だけでは判断できません。

データの扱い方も残す

電子方式による会計資料処理規則第3条は、アクセス権、入力・処理・出力の検証、バックアップなどを対象に書面で内部統制を定めるよう求めています。第10・11条は会計資料処理マニュアルの作成・更新と記載内容を規定し、担当または主担当の会計職員が職務を離れたり変更したりする際には、マニュアルを引継ぎに含めると定めます。勘定コードと中国語名の対応表、バックアップ・復元手順もその内容です。

返却期限は契約でも確認します。原本返却範囲やファイル形式も、契約と実際の業務を照合する事項です。これらの条文から全業者に共通する返却期限を決めることはできません。次の表は引継ぎ結果を残すための整理例で、法定様式ではありません。

受け取る資料受領後の確認
帳簿・証憑・財務諸表対象年度、欠けた期間、紙の所在、未結事項
電子ファイルとアクセス権後任者が開き、全体を表示・出力できるか
マニュアルとバックアップ勘定コード対応表、復元手順、担当変更時の引継ぎ記録

旧委託先のアクセスを終える前に、一つの会計期間を選んで、後任者が帳簿から該当する証憑までたどる方法があります。受領件数に加え、記録を再び読めた結果も残せます。財務諸表監査と所得税申告の会計士証明の適用基準は、会計・監査の案内を参照できます。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月14日。台湾子会社の資料保存についての説明で、日本本社に別途生じる申告・保存義務を扱うものではありません。

よくある質問

保存期間は記帳委託先を替えた日から数えますか。
商業会計法第38条は、年度決算手続の終了後から数えます。証憑は原則5年以上、帳簿・財務諸表は10年以上です。証憑の永久保存対象と未結の会計事項、帳簿・財務諸表の未結事項に関する例外も確認します。
紙の領収書をスキャンすれば原本を処分できますか。
スキャンだけでは足りません。帳簿証憑管理規則第26・27条の一般手続には、当該年度の所得税申告の調査・確定、税務機関の承認、順序に沿った電子保存と法定期間の遵守が含まれます。永久保存・未結事項の除外や、特定の会社向けの特例にも注意が要ります。
旧委託先のソフトでしか開けないファイルでもよいですか。
契約上の引継ぎ方法とは別に、調査で資料を提示できる状態が求められます。第28-1条は、提出した電子ファイルを調査者が読めない場合や内容を完全に表示できない場合、事業者に印刷または関連資料の提供責任を残しています。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。