台湾子会社の株式を売却するときの台湾の税金:証券取引税0.3%と、譲渡益に課税される二つの場合
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台湾子会社の株式を売却するときの台湾の税金:証券取引税0.3%と、譲渡益に課税される二つの場合

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台湾子会社の株式を売って利益が出たら、台湾で譲渡益に税金はかかるのでしょうか。銀行の簽證(認証)を受けた株券を発行している股份有限公司(株式会社に相当)の株式なら、原則として譲渡益に所得税はかからず、売り手が売買価格の0.3%を証券取引税として負担します。2026年10月時点で譲渡益に課税が及ぶのは、二つの場合です。子会社が株券を発行していないか有限公司である場合と、子会社の価値の半分以上を台湾の不動産が占める場合です。

証券取引税は売り手の負担、徴収するのは買い手

証券取引税条例(證券交易稅條例)第2条は、会社が発行した株式について、売り手から取引ごとの成約価格の1000分の3を徴収すると定めています。誰が徴収するかは売り方で変わります。証券会社に委託して売れば証券会社、持ち主が相手方に直接譲り渡すなら譲受人が代徴人です(第4条第1項)。非上場の子会社株式を証券会社を通さずに買い手企業へ譲渡する契約では、買い手が受渡(交割)の当日に税額を差し引き、翌日に国庫へ納めます(第3条第1項)。

売買価格が10億台湾元なら、証券取引税は300万台湾元です。買い手も台湾に拠点のない外国企業であれば、この代徴を実際にどう処理するかを、契約前に管轄の国税局に確かめておくと安心です。

発行会社である子会社にも役割があります。名義書換の申請を受けたときは、直前の取引の証券取引税の納付証明を確認し、未納があれば税務機関に報告しなければなりません。報告を怠れば、その税額を代わりに負担する責任を負います(第6条第2項・第3項)。

譲渡益の課税停止が及ぶのは「有価証券」だけです

所得税法(所得稅法)第4条の1は「自中華民國七十九年一月一日起,證券交易所得停止課徵所得稅」と定めています。1990年1月1日から証券取引所得には所得税を課さず、損失も控除しないという意味です。条文は売り手の属性を区別しておらず、財政部の税務ポータルも、営利事業が上場・非上場の株式を売った場合にこの規定を適用すると案内しています(Q&A 2301)。

台湾の法人が同じ株式を売った場合は、停止されている証券取引所得が最低税負制(所得基本稅額)の計算で加算されます(所得基本稅額條例第7条第1項第1号)。台湾に固定の営業場所と営業代理人のどちらも持たない外国の営利事業は、その対象外です(第3条第1項第5号)。

では、何が「有価証券」に当たるのでしょうか。財政部は、有限公司の社員が出資持分(出資額)を譲渡するのは証券取引に当たらず、財産取引に当たると解釈しています(台財稅第38498號)。股份有限公司でも株券を発行していなければ、持分の譲渡に使う「股份轉讓憑證」などは証券取引税の対象となる有価証券に含まれません(税務ポータルQ&A 6104)。株券を印刷していても、会社法(公司法)第162条が求める銀行の簽證がなければ、出資持分の譲渡として扱われます(台財稅第841632176號)。

この三つには証券取引税がかかりません。その代わり譲渡益は財産取引所得(財產交易所得)となり、第4条の1の課税停止は及びません(税務ポータルQ&A 1144)。台湾に拠点のない外国法人がこの所得をどの税率で、いつ申告・納付するのかは、売買契約の前に管轄の国税局や台湾の会計師に確認しておく必要があります。最初の確認事項は単純です。子会社は有限公司か、股份有限公司なら簽證済みの株券を発行しているか、です。

株式価値の半分以上が台湾の不動産なら

2021年7月1日からは、有価証券であっても例外があります。所得税法第4条の4第3項は、売り手が直接・間接に過半数を持つ会社の株式や出資持分を譲渡し、その会社の株式・出資の価値の50%以上が台湾の建物・土地で構成されている場合、その取引を土地・建物の取引とみなします。上場・上櫃・興櫃の株式は除かれます。財政部の房地合一課徵所得稅申報作業要點(2026年4月21日改正)第6点は、過半数かどうかを取引日前1年以内のいずれかの日に50%を超えて保有していたかで判定し、その会社が支配する事業の台湾の不動産も分子に含めます。

本店が台湾の外にある営利事業の税率は、保有期間2年以内なら45%、2年超なら35%です。ほかの所得とは合算せず、分けて計算します(第24条の5第2項第2号)。国内に本店がある法人向けの「5年超20%」の区分はありません。台湾に固定の営業場所も営業代理人もない場合は、所得税法施行細則第60条第2項により承認を受けた代理人が、申告時の代理人所在地の国税局で代わりに申告・納付します(要點第23点)。

売る株数が少なくても対象になります。財政部臺北國稅局が紹介した例では、不動産売買業を営む非上場会社の株式の60%を持つ会社が、取得から1年たたないうちに発行済株式の10%を売り、譲渡益を課税停止の証券取引所得として申告しました。国税局はこれを土地・建物の取引所得として45%で200万台湾元余りを追徴し、過料も科しています(2025年12月11日の発表)。

長く保有してきた子会社には経過措置があります。基準日は二つです。株式を2021年6月30日以前に取得していれば、子会社が持つ台湾の不動産のうち2015年12月31日以前に取得した部分の割合に応じた損益は、この規定の対象から外れます(要點第2点)。2008年の設立時に取得した台中工場の土地・建物のほかに台湾の不動産を持たない子会社で、親会社が設立以来ずっと株式を保有しているなら(架空の例です)、この割合は100%です。譲渡損益の全体がこの規定の対象外になります。

売却するもの証券取引税外国法人の売り手の譲渡益
簽證済みの株券、上場株式売買価格の0.3%課税停止(第4条の1)
有限公司の出資持分、株券未発行・未簽證の株式かからない財産取引所得。税率・申告方法は要確認
上の二つのうち、不動産の比重が高い非上場会社の持分上の区分による土地・建物の取引とみなし45%または35%

日台民間租税取決めの第13条

日台民間租税取決めは、公益財団法人交流協会と亜東関係協会が2015年11月26日に結んだ民間の取決めで、日本国が締結した条約ではありません。両団体は、それぞれ日本台湾交流協会、台湾日本関係協会に名称を変えています(国税庁)。

取決め第13条第4項によれば、日本の居住者が譲渡する会社の株式で、その会社の財産価値の50%以上が直接または間接に台湾の不動産に由来するものについては、台湾も譲渡益に課税できます。それ以外の財産の譲渡益は、譲渡者が居住者である側だけが課税します(第5項)。韓国との協定にある持株割合25%の規定は、日台の取決めにはありません。

日本の親会社にとっての意味はこうです。不動産の比重が高い子会社の株式なら、台湾は国内法どおり45%または35%で課税できます。第4項に当たらない株式や出資持分の譲渡益は、文言上、日本だけが課税する所得です。もっとも、国内法は「株式・出資の価値」、取決めは「財産価値」を物差しにしており、二つの計算が一致するとは限りません。取決めの適用を台湾でどう示すかも含め、取引前に台湾の国税局に確認しておくのが確実です。

日本側の課税については、取決め第22条第1項が、台湾が取決めに基づいて課税できる所得に台湾で納めた税額を、日本の法令に従って日本の税額から控除すると定めています。具体的な処理は日本の税理士にご確認ください。

経済部の承認と売却代金の送金

外国人投資条例(外國人投資條例)に基づいて投資した日本の親会社が持分を譲渡するときは、譲渡人と譲受人が共同で主管機関に承認を申請しなければなりません(第10条第2項)。主管機関は経済部で(第2条)、2023年9月26日からは経済部投資審議司が外国人投資の審査を担当しています(經濟部處務規程第9条、第19条)。承認を受けた後は、審定された投資額の全額を一括で両替・送金(結匯)するよう申請でき、投資で得たキャピタルゲインも同様です(第12条第2項)。

売却の前に利益を配当で受け取る場合の源泉徴収は台湾子会社の配当にかかる台湾の源泉税で、売却ではなく会社を清算する場合は台湾会社を終了する際、資本金と会社財産はどのように処理すべきでしょうか?で取り上げました。

子会社の会社形態、株券発行の有無、台湾の不動産の比重を踏まえて売却の形を検討される場合は、昊鼎国際法律事務所(wei@hoveringlaw.com.tw)までメールでお知らせください。

保有割合は、取引日から1年さかのぼって見ます。先に一部を売って50%を下回っても、その1年の間に過半数を持っていた日が1日でもあれば、過半数の要件は満たされたままです。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月6日

よくある質問

台湾子会社は有限公司です。出資持分を売るときも証券取引税0.3%がかかりますか?
かかりません。台湾の財政部は、有限公司の社員による出資持分の譲渡を証券取引に当たらない財産取引と解釈しています(台財稅第38498號)。証券取引税の対象外である一方、譲渡益は財産取引所得となり、所得税法第4条の1による課税停止は及びません。台湾に拠点のない外国法人がどの税率で、いつ申告・納付するかは、取引前に管轄の国税局や台湾の会計師に確認しておく必要があります。
日台民間租税取決めでは、台湾子会社株式の譲渡益はどちらの国・地域で課税されますか?
取決め第13条第4項は、財産価値の50%以上が直接または間接に台湾の不動産に由来する会社の株式の譲渡益について、台湾も課税できるとしています。それ以外の財産の譲渡益は、第5項により譲渡者が居住者である側、つまり日本の親会社なら日本だけが課税します。韓国との協定にある持株割合25%の規定はありません。
台湾に支店も代理人もない日本の親会社に、台湾の最低税負制(AMT)は適用されますか?
適用されません。所得基本稅額條例第3条第1項第5号は、台湾に固定の営業場所と営業代理人のいずれも持たない営利事業を納税義務者から除いています。台湾の法人が株式を売った場合は、課税が停止されている証券取引所得が基本所得額に加算されます(同条例第7条第1項第1号)。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。