台湾の労働基準法が適用される雇用関係では、退職した労働者が勤務証明書(服務證明書)を求めたとき、雇用主またはその代理人は発行を拒めません(同法第19条)。
労働部の案内によると、自己都合退職、定年退職、懲戒解雇を含む解雇など、離職の理由を問わず、会社は請求を受けたら速やかに発行する必要があります。退職時に請求していなかったことだけで、後日の発行を拒めるわけでもありません。
勤務経歴と、人事評価の記載
証明書の中心となるのは、職務、仕事の性質、勤続期間、賃金といった客観的な事項です。どの役職で、どのような仕事を、いつからいつまでしていたかを示します。期間や賃金が手元の記録と違う場合は、入退社時の連絡や給与明細と照らし合わせると、訂正を求める箇所が明確になります。
人事評価、契約終了の理由、表彰・懲戒の記録などを加える場合は、労働者の意思を尊重しなければならず、会社が一方的に記載してはいけないと、同じ労働部の案内は説明しています。会社独自の様式に欄がある場合も同じです。経歴の誤りを直す話と、希望していない評価などを削除する話を分ければ、会社にも修正の理由が伝わります。
台湾で失業給付や関連する政府の給付を申請するための「非自願離職證明書」は、目的の異なる書類です。労働部のFAQも、求職時に職歴を示す勤務証明書と区別しています。提出先が指定する書類名を会社に伝えることで、用途の取り違えを避けられます。
発行や記載をめぐって話が進まないとき
依頼のメールには、氏名や在職期間に加えて、証明してほしい事項、提出先の指定、必要な時期などを記載できます。会社からの回答と一緒に残せば、何をいつ求めたのかを後から示せます。第19条自体には、一律の発行日数は定められていません。提出先の締切がある場合は、発行予定日や受取方法も会社とのやり取りに含めます。
退職から時間が経っていても、労働部は退職後5年以内の請求について会社は拒否できないと案内しています。その説明の根拠に挙げられている第7条は、労働者名簿を退職後5年間保管する義務を定めた条文です。
会社が発行を拒む、先延ばしにする、記載の修正に応じない場合は、台湾で働いていた地域の労働行政主管機関に相談・申訴できます。依頼文、会社の回答、受け取った証明書、記載の不一致を示す資料があれば、発行そのものを求めるのか、どの記載を直したいのかを説明できます。個別の雇用関係への法の適用や、提出先が受け付ける書類の条件は、それぞれ確認が必要です。
参照資料
法令・案内の確認日:2026年10月11日(台湾時間)。
- 勞動基準法第19条、第7条
- 労働部「服務證明書是勞工法定權益」(2026年2月24日)
- 労働部「服務證明書跟非自願離職證明書有何不同?」(2026年9月3日更新)
- 労働部「服務證明書」(2025年9月10日更新)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



