台湾の民事裁判書類が適法に「寄存送達」された場合、本人がまだ受け取っていなくても、原則として寄存の日から10日を経過すると送達の効力が生じます(民事訴訟法第138条)。ただし、10日以内に文書を受け取ったときは、実際の受取日に効力が生じます(司法院の注意事項第141点)。
寄存送達は、法律に定める本人への交付や補充送達ができないとき、文書を送達地の自治機関または警察機関に預ける方法です。通知書を見つけた日と、文書が預けられた日は同じとは限らないため、通知に記載された寄存日が期限を調べる手掛かりになります。
通知書が届いた場所にも意味がある
第138条は、通知書を2通作り、1通を住居所・事務所・営業所または勤務先の入口に貼り、もう1通を郵便受けなどの適切な場所に置くよう定めています。前提は、第136条・第137条による送達ができないことです。
基本となる送達場所は、本人の住所・居所、事務所、営業所です。そこが分からないか、そこで送達できない場合には、勤務先での送達も認められます。本人が勤務先での受取を申し出た場合も同様です。
住所・居所、事務所、営業所で本人に会えない場合は、事理を弁識する能力のある同居人や被用者に渡す補充送達ができます。ただし、その人が訴訟の相手方である場合には、この方法は使えません。
以前の住所に通知が届いたなど、実際の居住状況と食い違う場合は、送達場所の適否が問題になります。司法院の注意事項第140点も、執達員(送達担当者)に対し、転居が分かったときは転居先を確かめて送達するか、裁判所に報告するよう求めています。通知書と転居時期の分かる資料が、裁判所の送達記録と照合する材料になります。
2か月の保管期間と、裁判への対応期限
第138条により、文書を預かった機関は寄存日から2か月間、文書を保管しなければなりません。この2か月は機関側の保管期間で、回答や不服申立てを待てる期間ではありません。
通知書を見つけたら、寄存先で早めに文書を受け取り、文書名と裁判所名、事件番号を確かめる必要があります。通知に気付いた日、寄存日、実際の受取日は分けて記録し、通知書と封筒も残すと、いつ送達の効力が生じたかを検討する際に使えます。
司法院の注意事項第142点は、送達証書に文書の種類、送達方法、送達の年月日時などを記載するよう定めています。担当書記官への問い合わせでは、手元の書類と裁判所に残る記録を照合します。その上で、文書に応じた手続と期限を確認します。第161条は期間計算に民法を適用すると定めていますが、どの文書も実際の受取日から一律の日数を数えればよいわけではありません。
送達場所や方法に争いがある場合や、対応期限が迫っている場合は、書類一式と日付の記録をもとに台湾の弁護士へ確認する場面です。ここで述べた10日ルールは台湾の民事訴訟法に基づく説明であり、行政機関の処分書などの送達には別の規定があります。
参照資料
法令・注意事項の確認日:2026年10月11日(台湾時間)。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



