AIで生成した架空の場面です。磨かれた淡い色の床が続く空港の到着通路に、窓からの冷たい日差しが差し込み、遠くに黒いスーツケースが一つだけ置かれています。人物や文字はありません。
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大麻・CBD製品を台湾に持ち込むと何が起きるか:毒品危害防制条例の刑罰と、日本人旅行者が知っておくこと

約9分

AIで生成したイメージ画像です。実在の空港、人物、事件を写したものではありません。

日本の大学生が、留学先の米国の州で合法的に買ったCBDグミと、使い残した電子たばこのカートリッジをスーツケースに入れたまま、帰国途中に台湾へ立ち寄りました。桃園空港の税関で荷物を開けられ、カートリッジの成分検査でTHCが検出されます。本人は「向こうでは合法だった」「自分で使うだけだ」と説明しますが、その日のうちに警察へ移され、翌日には検察官の取調べを受けることになりました(架空の例です)。

台湾の薬物規制では、「持ち込んだ」という事実が所持とは別の、はるかに重い罪名で評価されます。日本の外務省も海外安全ホームページの台湾の項目で、違法薬物の取締りは非常に厳しく、製造・密輸入・販売の最高刑は死刑であると注意を促しています。対象になるのは、短期の旅行者だけではありません。台湾に留学や駐在で滞在している人、日本から台湾の家族や友人へ荷物を送る人、台湾を経由して第三国へ向かう乗継客も、同じ条文の下にあります。

大麻は第二級毒品

毒品危害防制条例第2条は、毒品を依存性、濫用性、社会への危害性によって四つの等級に分け、大麻(大麻)を罌粟、古柯、アンフェタミンなどと並ぶ第二級毒品に置いています。第一級はヘロイン、モルヒネ、アヘン、コカインです。等級は法務部と衛生福利部の審議委員会が3か月ごとに見直し、行政院が公告して調整します。

日本でも大麻は違法ですが、台湾では等級ごとに法定刑が条文で細かく定められていて、特に国外からの持ち込みは所持よりはるかに重く扱われます。医療・科学用途の管理は別の法律に委ねられていますが(第2条第4項)、海外で「医療用」や「娯楽用」として合法に入手したことは、この条例上の扱いを変えません。

持ち込みは「運輸」:無期または10年以上

もっとも重いのが第4条です。第二級毒品を製造、運輸、販売した者は、無期懲役または10年以上の有期懲役に処し、1,500万台湾ドル以下の罰金を併科できます。未遂も処罰されます。第一級毒品の製造・運輸・販売は死刑または無期懲役です。

ここで問題になるのが「運輸」という言葉です。第17条第3項が「自分で使うために第4条の運輸の罪を犯した」場合を定めているとおり、国外から台湾へ運び入れる行為は、少量で自分用でも運輸の罪に問われる可能性があります。財政部関務署臺北関も、大麻とその関連製品を台湾に持ち込まないよう英文で注意喚起を出し、大麻が第二級毒品であることを明示しています。冒頭の例のように、自分で使うために少量を手荷物に入れていたとしても、入国の時点で運輸の嫌疑がかかる可能性があり、その場合は法定刑の下限が10年という罪名で捜査が始まります。

運輸は、本人が機内に持ち込む場合に限りません。日本の自宅から台湾の滞在先へ国際郵便や宅配便で送る、友人に預けて運んでもらう、といった方法も、台湾の領域内へ運び入れる行為として同じ条文で評価される可能性があります。第4条第6項は未遂も処罰すると定めているので、税関で発見されて目的地に届かなかったとしても、罪が成立しないわけではありません。

第17条には、刑を軽くする方向の規定が三つあります。毒品の出所を供述して他の正犯や共犯の摘発につながれば、刑を減軽または免除します。第4条から第8条の罪について捜査と各審級の裁判で一貫して自白すれば、刑を減軽します。そして第3項は、被告が自分で使うために第4条の運輸の罪を犯し、情状が軽い場合に、裁判所が刑を減軽できると定めています。この第3項は、自用目的の持ち込みで問題になる規定ですが、「減軽できる」であって「不処罰」ではありません。

所持、使用、譲渡の法定刑

持ち込みが運輸と評価されない場面、たとえば台湾内で入手した大麻を持っていた場合には、第11条の所持罪になります。第二級毒品の所持は2年以下の有期懲役、拘役または20万台湾ドル以下の罰金で、純重量が20グラム以上になると6か月以上5年以下の有期懲役と70万台湾ドル以下の罰金に跳ね上がります。製造や使用のための器具の所持も、1年以下の懲役などの対象です。

使用(施用)は第10条により3年以下の有期懲役ですが、台湾は使用者を治療の対象と見る仕組みを持っています。第20条により、検察官は裁判所に申し立てて、被告を勒戒処所に入れて最長2か月の観察・勒戒を受けさせます。継続して使用する傾向がないと判断されれば釈放されて不起訴となり、傾向があると判断されれば6か月以上1年以内の強制戒治に移ります。第24条は、検察官が条件付きの起訴猶予(緩起訴)として依存症治療を命じる道も用意しています。外国人旅行者の場合、この手続の間に滞在期限や在留資格の問題が重なるため、弁護人を通じて検察官と早い段階で処理の方針を詰める必要があります。

観察・勒戒や強制戒治を終えて釈放された後、3年を過ぎてから再び使用の罪を犯した場合は、もう一度この治療中心の手続が適用されますが(第20条第3項)、3年以内の再犯は第23条第2項により通常の起訴の対象になります。台湾に繰り返し滞在する留学生や駐在員にとっては、一度目の処理がどう記録されるかが、その後の滞在にも影響します。

友人に分けるだけでも罪になります。第二級毒品の譲渡は第8条により6か月以上5年以下の有期懲役と70万台湾ドル以下の罰金、販売の意図をもって所持していれば第5条により5年以上の有期懲役と500万台湾ドル以下の罰金です。SNSで頼まれて無償で分ければ譲渡、代金を受け取れば第4条の販売として扱われる可能性があります。

日本の感覚で誤解しやすいのが、行政罰で済む範囲の狭さです。第11条の1は、第三級・第四級毒品を正当な理由なく所持または使用した者に1万台湾ドル以上5万台湾ドル以下の罰鍰と4時間以上8時間以下の毒品危害講習を定めていますが、これはあくまで第三級・第四級の話です。大麻は第二級ですから、所持も使用も最初から刑事事件として扱われ、罰金で終わる行政手続はありません。

CBD製品:THC 10ppmの線と、薬事法の禁薬

日本では大麻草由来のCBD製品が広く流通しているため、台湾でも同じ感覚で持ち込む人がいます。台湾の整理は二段階です。

財政部関務署臺中関の案内によれば、CBD(大麻二酚)は依存性がなく薬理活性と医療効果があるため、台湾では一般の医薬品として管理されています。そして、製品に含まれるTHC(四氫大麻酚)が10ppmを超えると、毒品危害防制条例の附表二に基づき第二級毒品と見なされます。THCが10ppmを超えるCBD製品は、CBD製品ではなく第二級毒品として前述の第4条や第11条の対象になるということです。本人の認識にかかわらず、成分が基準を決めます。

THCが基準以下であっても、終わりではありません。CBDが医薬品として管理されている以上、台湾で承認を受けていないCBD製品を許可なく輸入すれば、薬事法第22条の禁薬(未経核准擅自輸入之薬品)に当たります。第82条は禁薬の製造または輸入に10年以下の有期懲役と1億台湾ドル以下の罰金を、第83条は禁薬と知って販売、供給、運送、譲渡などをした者に7年以下の有期懲役と5,000万台湾ドル以下の罰金を定めています。第22条には旅客が自分で使う薬を携帯して持ち込む場合の例外があり、その限度量は衛生福利部が財政部とともに公告しますが、関務署の案内は、CBD製品について医師の処方に基づき食品薬物管理署へ専案輸入を申請する手続を案内しており、旅行者が手荷物で持ち込む形は想定されていません。ネット通販で日本から台湾の住所へCBD製品を送る行為も、輸入として同じ条文の問題になります。本人が「食品だと思っていた」と説明しても、成分と承認の有無が基準になる点は変わりません。

止められたらどうなるか:権利と手続

税関で疑わしい物が見つかると、警察に引き渡され、検察官の取調べへと進みます。台湾の刑事訴訟法第95条は、被告を取り調べる前に、犯罪の嫌疑とすべての罪名、黙秘できること、弁護人を選任できること、有利な証拠の調査を求められることを告げなければならないと定めています。第27条により、被告はいつでも弁護人を選任でき、警察の調査を受ける段階の被疑者も同じです。家族が独立して弁護人を選任することもできます。

運輸の罪は最も軽い法定刑が10年ですから、第31条により、裁判の段階で弁護人を選任していなければ裁判長が公設弁護人または弁護士を指定します。ただし、これは裁判と、捜査中の勾留審査(第31条の1)での話で、警察や検察の最初の取調べには自動的には及びません。捜査段階の供述がその後の流れを決めることが多いため、取調べの前に日本語の通訳を求め、弁護人と相談するまで調書への署名を急がないでください。逮捕から勾留、通訳、弁護人の選任までの流れは、日本人が台湾で逮捕・取調べを受けた場合の記事で詳しく説明しています。

出入国の面でも影響が残ります。入出国及移民法第18条は、禁制品を携帯している外国人や、台湾または外国で犯罪記録のある外国人の入国を移民署が禁止できると定め、第36条は、入国後にこれらの事情が判明した外国人を強制退去させるか、10日以内の出国を命じることができるとしています。刑事事件が司法手続に入っている場合、移民署は退去の10日前に司法機関へ通知し、勾留などを受けていない限り退去や出国命令の対象になります。刑の執行が終わった後も、犯罪記録を理由に次の入国を拒まれる可能性が続きます。

旅行前に確かめること

日本の外務省は、台湾への渡航者に向けて、違法薬物に興味を示さないことに加え、繁華街の路地裏などに近づかない、たばこや高級茶葉と称される不審な物を買わない、見知らぬ人から「おみやげを持って行ってほしい」と頼まれたら断る、空港では手荷物の管理を徹底する、と呼びかけています。知らないうちに運び屋にされる事例があるためです。同じ注意は、同行者から「スーツケースに空きがあるなら入れてほしい」と頼まれた場面にも当てはまります。中身を確認していない荷物を自分の名義で持ち込めば、見つかったときに運輸の嫌疑を受けるのは本人です。

持ち物については、CBDと表示された食品、オイル、化粧品、電子たばこのリキッドやカートリッジ、海外で処方された大麻由来の医薬品は、台湾に持ち込まないでください。処方を受けたCBD医薬品が必要な場合は、食品薬物管理署の専案輸入の手続を事前に確認します。台湾滞在中に必要な医薬品があれば、成分と承認状況を事前に確認し、処方箋と英文の説明書を携帯してください。

万一、ご家族やご同僚が台湾で薬物事件の被疑者になった場合、最初に拝見するのは、押収品の種類と数量、検査結果の有無、どの段階(警察・検察・裁判所)にいるか、そして取調べで既に署名した書面の内容です。昊鼎國際法律事務所では、刑事手続における弁護人の選任、検察官との処理方針の協議、出入国手続への影響についてご相談を受け付けています。初回相談は1時間NT$3,000で、オンラインでも受け付けています。ご連絡の際は、ご希望の言語をお知らせください。連絡先はwei@hoveringlaw.com.tw、所在地は103 臺北市大同區承德路一段35號7樓之2です。

参考にした公的資料

確認日:2026年10月7日(台湾時間)。条文は中国語の原文を基準にしています。本稿は一般的な情報であり、個別の事案についての法的助言ではありません。

よくある質問

海外で合法的に買ったCBDオイルやグミを、自分で使うために台湾へ持ち込めますか。
原則としてできません。財政部関務署の案内によれば、台湾ではCBD(大麻二酚)は一般の医薬品として管理され、THC(四氫大麻酚)の含有量が10ppmを超える製品は毒品危害防制条例の第二級毒品に当たります。THCが基準以下でも、承認を受けていない医薬品を許可なく輸入すれば薬事法第22条の禁薬となり(第82条は10年以下の懲役と1億台湾ドル以下の罰金)、医師の処方に基づく食品薬物管理署への専案輸入の申請は、旅行者が手荷物で持ち込む形を想定した手続ではありません。
ごく少量の大麻を持っていただけでも逮捕されますか。
第二級毒品の所持は、少量でも2年以下の懲役、拘役または20万台湾ドル以下の罰金の対象で、純重量20グラム以上なら6か月以上5年以下の懲役になります(第11条第2項・第4項)。国外から運び込んだと評価されれば、所持ではなく運輸として第4条第2項が問題になり、法定刑は無期または10年以上の懲役です。自分で使う目的で情状が軽い場合に裁判所が減軽できる規定(第17条第3項)はありますが、刑を免れる規定ではありません。
空港で止められたら、まず何をすべきですか。
黙秘権と弁護人を選任する権利があり、取調べの前にこれらを告げられることになっています(刑事訴訟法第95条)ので、日本語の通訳を求め、弁護人が来るまで供述調書への署名を急がないでください。弁護人がいなければ、捜査中の勾留審査では事件を問わず(第31条の1)、裁判では最も軽い法定刑が3年以上の事件で(第31条)、裁判所が弁護人を付けます。有罪が確定すれば、退去強制や入国禁止の対象になりえます。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。