日本の昆虫標本が台湾の博物館へ、保護対象の標本を送る際の輸入許可
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日本の昆虫標本が台湾の博物館へ、保護対象の標本を送る際の輸入許可

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ニュースをきっかけに執筆した記事です。公開日以降に状況や法令が変わっている可能性があります。

日本の昆虫収集家が、台中の国立自然科学博物館に2万5千点を超える標本を寄贈したと、フォーカス台湾が10月16日に報じました。15日には記念式典が開かれています。同館への寄贈は2015年から続いており、報道の日付を、すべての標本が台湾へ運ばれた日と読むことはできません。

コレクションには複数の国・地域で採集された昆虫が含まれ、採集データも詳しく残されているといいます。ただし、各標本が台湾法上の保護対象か、どの輸入手続を経たかは記事に書かれていません。

生きていない昆虫にも関わる規制

台湾の野生動物保育法第3条は、野生動物の定義に昆虫を含めています。また、野生動物の死体や骨、皮、卵、器官などの全部・一部や、その加工品を「野生動物產製品」(野生動物の産製品)と定義しています。乾燥させた標本も、生体でないという理由だけで規制の対象から外れるわけではありません。

一方、すべての昆虫標本が同じ扱いになるわけでもありません。第4条は、絶滅のおそれがある動物、希少な動物などの「保育類」と、それ以外の「一般類」を区別します。保育類は、中央主管機関が指定・公告し、名簿を作成する仕組みです。報道で、台湾ではすでに絶滅した可能性があると紹介された標本が含まれることや、研究価値が高いことだけでは、その指定の有無は決まりません。

種を特定できない呼び名や、「チョウ標本一式」という説明だけでは、指定された種が含まれるかを照合できません。種を特定できる名称や、標本と採集記録の対応が、台湾側で分類を確かめるための資料になります。

博物館の受入れと行政の同意

第24条第1項は、野生動物の生体と、保育類野生動物の産製品について、中央主管機関の同意を得ずに輸入・輸出することを禁じています。昆虫標本について同項の対象になるのは、保育類の産製品に当たる場合です。代金を受け取るかどうかは、この要件には関係がありません。

さらに第25条は、研究機関、大学、動物園、博物館などが保育類野生動物やその産製品を輸入・輸出する場合にも、中央主管機関の同意を求めています。博物館から寄贈を受け入れるという返事を得ても、それが行政機関の同意に代わるわけではありません。研究や展示に使うという説明だけで、許可が不要になる制度でもありません。

第24条第2項が輸出入できる機関と用途を限定しているのは、保育類の生体です。同項は、学術研究機関、大学等、公立または政府に登録された私立動物園が、教育・学術研究用に輸出入する場合に限っています。乾燥標本の輸入を検討する際に、生体に限った機関や目的の条件を、そのまま当てはめることはできません。

寄贈を受ける側が確認したいのは、箱の総数だけでなく、中にどの種の標本が何点あるかです。対象が特定できれば、博物館と収集家は、受入れの合意とは別に、どの標本について行政の同意が必要かを検討できます。収集家の記録と受入れ側の一覧で種名や点数が食い違っていれば、どの標本について同意を求めるのかも定まりません。

画像は架空の標本整理の場面で、今回の寄贈品や実際の博物館を写したものではありません。

ニュース・法令確認日:2026年10月17日。台湾の野生動物保育法に関する一般情報です。今回の寄贈品が保育類に該当する、または手続に違反したと判断するものではありません。

よくある質問

乾燥した昆虫標本にも台湾の野生動物保育法は関わりますか?
関わり得ます。同法第3条は昆虫を野生動物に含め、死体や骨・皮・卵・器官などの全部または一部と、その加工品を野生動物の産製品と定義しています。保育類に指定された種の標本を輸入する場合には、第24条の中央主管機関の同意が必要です。
台湾の博物館への無償寄贈なら、輸入同意は不要ですか?
寄贈であることによる一律の免除はありません。第25条は、博物館などが保育類野生動物やその産製品を輸入・輸出する場合にも、中央主管機関の同意を求めています。
報道にある珍しい標本は、すべて保育類なのですか?
報道だけでは判断できません。第4条の保育類は中央主管機関が指定・公告する分類です。標本の珍しさや学術的価値だけで、法令上の指定の有無は決まりません。本文は今回の寄贈品の指定状況や許可取得状況を認定するものではありません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。

台湾の博物館へ昆虫標本を寄贈、保育類の輸入同意 | 昊鼎国際法律事務所