台湾証券取引所が日本の大手証券と協議 個別株投資に適用される現行の登録制度
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台湾証券取引所が日本の大手証券と協議 個別株投資に適用される現行の登録制度

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ニュースをきっかけに執筆した記事です。公開日以降に状況や法令が変わっている可能性があります。

台湾証券取引所が、日本の全国規模の大手証券会社と協議を進めています。TechNewsが2026年10月13日に掲載した中央社の配信は、取引所の董事長(取締役会の長)が日本経済新聞(Nikkei Financial)のインタビューで語った話として、その協議を伝えています。同じ配信では、ETFに限らず、日本の投資家が台湾の個別株をより直接組み入れられるようにしたいという意向も伝えられています。新商品の開始、提携の合意、実施の日程は、この配信では確認できません。

TechNewsが2026年10月13日に掲載した中央社配信は、日本の年金・生命保険などの長期資金を呼び込み、台湾市場の投資家層を多様にしたいという意向も伝えています。同配信によると、台湾株式の時価総額の約50%を外資が保有しています。

日本の証券会社を通じて買えるようになった場合、台湾側の登録はどうなるのでしょうか?10月13日の配信からは、その扱いは分かりません。日本から台湾株への直接投資を考える個人や会社には、現行の登録手続と、境外投資家に必要な代理人・保管機関の指定が関わります。現行の華僑及外國人投資證券管理辦法では、第3条が投資家の区分、第10条が登録、第16条と第17条が代理人と保管機関を定めています。

日本在住の個人と台湾にある外国法人の支店では、投資家の区分が異なる

第3条第1項は、境内の華僑・外国人を、中華民国の域内に居住し、華僑身分証明書、僑居身分の加簽がある中華民国旅券、または外僑居留証を持つ自然人か、外国機関投資家と定めています。個人には証明書が要ります。

第3条第2項では、中華民国の域外にいる華僑・外国の自然人と外国機関投資家を、境外投資家としています。

外国機関投資家には、第3項のとおり、域外で現地法により設立・登記された者と、外国法人が台湾内に設けた分公司(外国会社の支店)が含まれます。日本在住で中華民国の域外にいる外国の自然人も、日本の法令により設立・登記され、台湾の外から投資する会社も、第2項の境外投資家に当たります。その会社は、第3項の外国機関投資家でもあります。

三つの証明書のいずれかを持ち、台湾に住む個人は、第3条第1項の境内投資家に当たります。台湾に設けた分公司が自ら投資する場合、第3項後半の外国機関投資家に当たります。分公司は台湾内にあるため、第3条第2項の境外投資家ではなく、第1項の境内投資家です。

三つの証明書のいずれも持たない自然人は、台湾にいても第1項の境内の自然人の要件を満たしません。第2項の境外投資家にも、域外にいなければ該当しません。

個別株は境内投資家の登録免除の対象外

第10条第1項は、華僑・外国人が国内の証券に投資する場合、証券取引所の業務規程に従って関係書類を添え、同取引所へ登録を申請するよう定めています。提出方法もその業務規程によります。登録先は変わっていません。日本の証券会社との協議で、登録先が移るわけではありません。

ただし、境内の華僑・外国人が、政府債券、株式の性質を持たない金融債券、普通社債、開放型受益憑証(オープン型の受益証券)に投資する場合、この登録は要りません。個別株と株式の性質を持つ金融債券は、列挙された免除対象には含まれません。境外投資家が同じ債券や開放型受益憑証を買っても、第10条第1項のただし書による登録免除は受けられません。この免除は境内投資家に限られます。

日本から個別株に投資する個人や会社は、第3項の先物取引資格による免除に当たらなければ、第1項の登録を申請します。

境外投資家が登録を申請する際の提出書類は、第10条第2項に定められています。申請書に加え、代理人の授権書または代表人の指派書、第3条第2項に合う身分証明の書類、金融監督管理委員会が定めるその他の書類です。その他の書類の名称までは、第10条にありません。

先物取引資格による登録免除

第10条第3項では、台湾期貨交易所股份有限公司での登録を終え、国内で先物取引をする資格も得た華僑・外国人について、第1項の登録手続を免除しています。この項は境内と境外を分けません。

台湾期貨交易所への登録を完了し、国内先物取引の資格も得る必要があります。申請中は免除されません。どちらか一方では足りません。

免除されるのは第1項の登録手続です。第2項の提出書類は、第1項の登録を申請する境外投資家について定めたものです。

境外投資家に必要な国内代理人・代表人

第16条第1項は、境外の華僑・外国人が国内証券へ投資するとき、国内の代理人または代表人を指定するよう定めています。扱う手続は、国内証券の売買のための口座開設、国内社債の交換・転換・株式引受けの申請、買い入れた証券の権利行使、結匯(投資資金の為替)の申請、税の納付などです。第16条の指定義務は境外投資家に向けた規定で、境内投資家に同じ義務は定めていません。

国内代理人になる自然人には行為能力が必要で、これを欠く人は代理人になれません。その代理人が華僑または外国の自然人であるときは、中華民国の域内に居住し、華僑身分証明書、僑居身分の加簽がある中華民国旅券、外僑居留証のいずれかを持つ者に限られます。

法人を代理人にするなら、中華民国の法律により設立され、代理の業務を営むことができる者に限られます。外国法人のときは、中華民国の域内に分公司を置き、代理の業務を営むことができる者です。法人または外国法人が代理人なら、業務を行う自然人を指定します。指定は一人です。

ここでいう代表人は、台湾に設けた代表人辦事處(代表事務所)の代表人か、分支機構の責任者を指します。第10条第2項は、登録申請の書類に、代理人の授権書か代表人の指派書を含めています。

公開発行会社(株式を公開して発行している会社)の株式を持つ境外の外国機関投資家については、第16条第4項が議決権の行使方法を定めています。法令に別段の定めがある場合を除き、国内の代理人または代表人を指派(指名)して出席させ、議決権を行使します。対象は機関投資家です。日本に住む個人の議決権まで、この項は定めていません。

保管機関は金管会が認めた銀行か証券会社

金銭と証券の保管は、第17条が境外投資家について別に定めています。境外の華僑・外国人が国内証券へ投資するときは、金融監督管理委員会の認可を受けた銀行または証券会社を保管機関に指定します。保管機関は、証券投資に関する金銭・証券の保管に加え、取引の確認、売買の受渡し、資料の申告なども担います。

証券会社が保管機関であるときは、顧客の金銭を、同委員会の認可を受けた銀行の専用口座へ預けます。第17条は、銀行が保管機関となる場合の専用口座については定めていません。また、どの銀行・証券会社が保管機関になるかは、第17条にも10月13日の配信にも示されていません。

代理人を指定しても、保管機関は別に指定する必要があります。台湾先物取引所への登録を終え、国内先物取引の資格も得て第10条第1項の登録手続が免除される場合でも、第16条と第17条に基づく指定まで免除されるとは定められていません。

昊鼎国際法律事務所への相談

日本から投資する個人か会社か、どこに住み、または設立されているかで、登録と代理人・保管機関の扱いは変わります。証明書の有無や先物取引資格も、第10条の登録、第16条の代理人・代表人、第17条の保管機関を判断する際に関わります。

ご相談は、昊鼎国際法律事務所(Hovering International Law Firm)の弁護士・曾雋崴が担当します。メールはwei@hoveringlaw.com.twです。台北事務所は103 臺北市大同區承德路一段35號7樓之2、台中事務所は40453 臺中市北區館前路19號6樓之1です。メールには、個人か会社か、居住地または設立地、先物取引資格の有無を記すと、相談内容が伝わりやすくなります。日本の大手証券会社を通じた個別株投資については、開始時期がまだ示されていません。今、日本から台湾の個別株へ投資する場合は、現行の登録免除に該当するか、境外投資家として誰を代理人・保管機関に指定するかを現行制度に照らして判断することになります。

参照した資料

  • TechNewsが2026年10月13日に掲載した中央社配信:台湾証券取引所と日本の全国規模の大手証券会社との協議、ETFに限らない個別株への意向、日本の年金・生命保険など長期資金の呼び込み、投資家層をより多様な構成にしたいという記述。時価総額の約50%が外資保有だという記述を含む。新商品の開始、提携の合意、実施の日程は、この配信では確認できない。インタビューの出典として日本経済新聞(Nikkei Financial)に触れている。
  • 台湾法務部・全國法規資料庫、華僑及外國人投資證券管理辦法第3条、第10条、第16条、第17条(2026年10月14日確認)。

確認日:2026年10月14日

よくある質問

10月13日の配信で、日本の大手証券から台湾の個別株を直接買えるようになりましたか。
配信が伝えているのは、台湾証券取引所が日本の全国規模の大手証券会社と協議していることと、ETFに限らず個別株をより直接組み入れられるようにしたいという意向です。新商品の開始、提携の合意、実施の日程は、この配信では確認できません。
日本在住の個人にも、政府債券や開放型受益憑証を買う場合の登録免除は適用されますか。
第10条第1項のただし書による登録免除は、境内の華僑・外国人が政府債券、株式の性質を持たない金融債券、普通社債、開放型受益憑証に投資する場合に限られます。日本に住み、中華民国の域外にいる外国の自然人は第3条第2項の境外投資家であり、このただし書はその自然人には適用されません。個別株も、列挙された証券には含まれません。
台湾先物取引所への登録が済んでいれば、代理人も保管機関も不要ですか。
不要とは定められていません。第10条第3項が免除するのは、台湾期貨交易所股份有限公司への登録を終え、国内先物取引の資格も得た華僑・外国人に対する第1項の登録手続です。境外投資家について第16条が求める国内の代理人または代表人の指定と、第17条が求める認可を受けた保管機関の指定は、この免除には含まれていません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。

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