6か月という告訴期限は、台湾の普通傷害事件では原則として「告訴できる人が犯人を知った時」から数えます。けがが治った日や、示談を断られた日からではありません(刑事訴訟法第237条)。
安全な場所へ移ります。必要な診療を受けてください。診断書、傷の写真、相手とのメッセージ、現場の映像は、それぞれ確認できる事実が異なります。診断書だけで、誰がどのような行為をしたかまで証明されるわけではありません。
診療の記録と、暴力の経過を分けて残します
医療機関では、受傷した時刻、痛む場所、症状を伝え、診断書や診療記録の取得方法を確認します。写真は元のデータを保存します。腫れやあざが後から現れた場合も、撮影日時が分かる形で残しておくと、初日の写真との違いを説明できます。
現場の記録も必要です。店や駅などのカメラの位置、居合わせた人の連絡先、暴力の前後の会話を控えます。相手の氏名が分からなくても、容姿、服装、車両、利用した店など、覚えている事実を警察に伝えられます。身元調査のために危険な接触を続ける必要はありません。
被害を伝えた際には、「報案」と呼ばれる通報の記録と、処罰を求める告訴の意思が記録されたかを確かめます。告訴は検察官または司法警察官に書面・口頭で行え、口頭の場合は記録が作成されます。告訴を要する犯罪の被害者などが出頭した場合に、告訴の意思を確認して記録する規定もあります(刑事訴訟法第242条)。
普通傷害の6か月を、すべての暴力事件に当てはめない
刑法第277条第1項は、人の身体や健康を害する普通傷害を定めています。この犯罪は原則として告訴を要します。ただし、公務員が職務中に同項の犯罪を行った場合には例外があります(第287条)。
死亡や重い傷害という結果が生じた事件など、同じ「殴られた」という説明から別の犯罪が問題になる場合もあります。告訴が必要かどうかは罪名と適用条文によります。警察に相談する前に、自分で「6か月を過ぎたから何もできない」と決めないでください。
普通傷害について有効に告訴を取り下げた人は、同じ事件を再び告訴できません。相手が示談金を払わなくても、この禁止は変わりません(刑事訴訟法第238条第2項)。これは取り下げた人についての規定で、独立の告訴権を持つ別の人の立場まで一律に決めるものではありません。告訴の取下げと賠償の支払いをどう確保するかは分けて検討します。示談と告訴取下げの記事で、時期と効力を確認できます。
双方が告訴した場合の説明
被害者と被疑者の両方の立場になる場合もあります。相手も申告できるためです。どちらが先に手を出したかだけでなく、その後の行為を時系列に並べます。押された、転倒した、立ち上がった、相手が離れたといった変化を、見聞きした範囲で具体的に記します。
反撃の時点も問われます。
刑法第23条の正当防衛は、自分や他人の権利に対する現在の不法な侵害を防ぐ行為を対象とし、防衛の程度を超えた場合には、刑を軽くし、または免除することができると定めています。「先に殴られた」という事情だけで、相手が退いた後の追撃まで正当化されるわけではありません。
被疑者として話を聞かれる場合は、通訳や弁護人の利用を含めて準備します。調書で「相手を止めたかった」という説明が「仕返ししたかった」に変わっていないかなど、行為の目的と順番を確認します。分からない中国語の表現には説明を求めてください。
けががなくても、危害を加える発言は残します
命、身体、自由、名誉、財産に害を加えると告げて安全を害する行為は、刑法第305条の脅迫が問題になります。発言の一文だけでなく、相手との関係、繰り返しの有無、実際に近づいてきた行動なども保存します。
第305条の脅迫は、普通傷害と同じ告訴条件ではありません。同章の第308条が告訴を必要とする犯罪に第305条を含めていないためです。示談で当然に手続が終わるともいえません。継続する危険があるときは、事件の告訴と並行して、警察に現在の危険を伝えます。
賠償も別途検討します。治療費や休業による損害を求めるには、刑事事件とは別に請求を準備する必要があるため、領収書、休業期間、給与への影響が分かる資料を残し、示談書に刑事と民事のどちらの合意が含まれるか確認してください。
参照法令
確認日:2026年10月8日。台湾の中国語の法令本文を参照しています。
よくある質問
- 相手と示談中なら、傷害の告訴は待ってよいですか?
- 普通傷害など告訴が必要な犯罪では、原則として告訴できる人が犯人を知った時から6か月以内に告訴します。話し合い中という理由だけで待たず、期限と告訴の有無を確認してください。
- 先に殴られたなら、殴り返しても正当防衛ですか?
- 台湾刑法第23条は、現在の不法な侵害から権利を守る防衛行為を対象とします。攻撃が続いていたか、防衛の程度はどうだったかなどを判断します。先に殴られたことだけで、その後の行為がすべて正当防衛になるわけではありません。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。

