矢板氏襲撃事件で起訴、台湾の刑事裁判で被害者が伝えられる意見
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矢板氏襲撃事件で起訴、台湾の刑事裁判で被害者が伝えられる意見

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ニュースをきっかけに執筆した記事です。公開日以降に状況や法令が変わっている可能性があります。

公視の2026年10月6日報道と台中地方検察署の同日発表によると、7月に台中で矢板明夫氏が襲われた事件で、検察が香港籍の男を起訴し、有期徒刑5年を求めました。この5年は裁判所の判決ではなく、検察側が求めた刑です。

台湾の刑事訴訟法第154条は、有罪が確定するまで被告人を無罪と推定し、犯罪事実は証拠によって認定するよう求めています。被害者がどのような処罰を望むかを伝えることと、被告人の有罪が証明されることは、別の問題です。

被害者の意見を聞く場面

第271条第2項によれば、裁判所は原則として審判期日に被害者またはその家族を呼び出し、意見を述べる機会を与えます。ただし、適法に呼び出されても正当な理由なく出頭しない場合、出頭を望まないと表明した場合、裁判所が不要または不適切と認めた場合は例外です。

刑の重さに関する意見には、さらに第289条第2項の規定があります。刑の範囲についての弁論に先立ち、その場にいる告訴人、被害者、その家族などに意見を述べる機会を与える制度です。検察官の求刑とは別に、被害者側の意見を伝える場面が設けられています。

同条では、証拠調べが終わると、検察官、被告人、弁護人がこの順で事実と法律について弁論し、その後に刑の範囲について弁論します。被害者の量刑意見を聞く場面は、この二つの弁論の間に位置付けられています。

台湾で暴行などの被害を受けた日本人にとっては、けがの経過や生活・仕事への影響を、自分の言葉で伝える機会になります。診療の記録や休業の経過があれば、その説明を具体的にできます。ただし、意見陳述は、希望した刑や損害賠償がそのまま認められる手続ではありません。

事件について自分が見聞きしたこと、事件後の生活への影響、刑についての希望は、区別して伝えられます。被害の説明と処罰を求める理由を分けることで、裁判所にどの事情を考慮してほしいのかが明確になります。

告訴人が代理人を委任する場合

第271条の1は、告訴人が裁判中に代理人を委任し、出頭して意見を述べてもらうことを認めています。委任書は裁判所への提出が必要です。これは「告訴人」についての規定であり、被害者であれば誰でも同じ条件で代理人に任せられる、と読み替えることはできません。

また、裁判所が必要と認めれば、告訴人本人の出頭を命じられます。代理人が弁護士でない場合は、裁判中の記録や証拠物の閲覧・書き写し・撮影もできません。家族に連絡を取り次いでもらうことと、裁判上の代理権を与えることには違いがあります。

帰国後も台湾の裁判が続く場合、委任の有無だけでは出頭予定を決められません。裁判所から届いた通知が誰の出頭を求め、どの手続を予定しているかを、代理人との委任内容と併せて読むことになります。

架空の情景

参照資料

ニュース・法令確認日:2026年10月13日。台湾の刑事手続に関する一般情報です。個別事件の有罪・無罪や刑の重さ、被害者側の出頭方法を判断するものではありません。

よくある質問

報道された5年は、裁判所が決めた刑ですか?
違います。2026年10月6日の検察発表に記載された、起訴に際して検察官が求めた刑です。刑事訴訟法第154条は、有罪が確定するまで被告人を無罪と推定します。
被害者も量刑について意見を述べられますか?
刑事訴訟法第289条第2項は、刑の範囲についての弁論に先立ち、その場にいる告訴人、被害者、その家族などに、刑の範囲に関する意見を述べる機会を与えるよう定めています。希望した刑がそのまま採用されることを意味しません。
代理人を委任すれば、日本に帰ってから出頭せずに済みますか?
必ずそうなるわけではありません。刑事訴訟法第271条の1は、告訴人が裁判所に委任書を提出して代理人に意見陳述を任せることを認めますが、裁判所は必要と認めれば本人の出頭を命じられます。被害者全員について、委任だけで出頭が不要になる制度ではありません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。

台湾の刑事裁判、被害者の量刑意見と告訴人の代理 | 昊鼎国際法律事務所