台北市が職場いじめ防止を注意喚起 台湾子会社の最高責任者が相手のときの申立て先
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台北市が職場いじめ防止を注意喚起 台湾子会社の最高責任者が相手のときの申立て先

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ニュースをきっかけに執筆した記事です。公開日以降に状況や法令が変わっている可能性があります。

台北市労働局が10月20日に出した注意喚起は、職場いじめの防止が雇用主の義務であることと、その認定要件を説明しています。合理的な業務指導が直ちに職場いじめになるわけではなく、言動の内容や継続性、心身への影響などを調査に基づいて判断するという内容です。

日本本社が台湾子会社の社員から相談を受けたら、社内調査の結果を待ってもらうのでしょうか。相手が現地の最高責任者なら、社員は地方政府へ直接申し立てられます。職場いじめ防止に関する改正規定は、全国法規資料庫の沿革によると、2026年7月1日に施行されています。

申立て先を分ける「最高責任者」

台湾の職業安全衛生法第22条の3は、職場いじめを受けた労働者の申立て先を原則として雇用主とし、相手が最高責任者の場合には、直轄市または県・市の主管機関へ直接申し立てられると定めています。本社の承認は不要です。

最高責任者の範囲は、台湾の法令で定まります。職業安全衛生法第22条の3第5項に基づく「地方主管機關受理最高負責人職場霸凌事件申訴處理辦法」(以下「辦法」)の第2条は法人の対外代表者などを対象とし、第3条は会社登記等を基準にするとしています。代表者業務の実質的な遂行、または人事・財務・経営の実質的な支配に加え、役員経験など同条所定の条件を満たす者も含まれます。総経理や日本本社の役員という肩書だけで決めず、台湾法人での地位と権限を確かめる必要があります。

この地方主管機関への申立てには期限があります。第22条の3によれば、行為の終了から3年を過ぎると原則として受理されません。事件当時に在職していた社員は離職日から1年以内にも申し立てられ、行為終了から3年の期限の方が長ければ、そちらが適用されます。退職後にも使える手続です。

手続は書面で行います。辦法第7条は、申立人の情報、申立ての事実内容と関連証拠、申立日などを記載し、署名または押印するよう求めています。代理人に委任する場合は、委任状も添付します。社内での相談記録をまとめる際には、言動そのものと、台湾法人での役職や権限とを分けておくと、申立ての内容を具体化できます。

申立て先の確認と、被害を防ぐ対応は並行して進めます

第22条の1がいう職場いじめは、労働者が労働の場で職務を遂行している際に、同じ事業単位の人員が職務上の地位や力関係を利用し、業務上必要かつ合理的な範囲を超えた侮辱、威嚇、孤立させる行為などを継続し、心身の健康を害するものです。ただし、情状が重大なら継続性は要件ではなく、一度の行為でも対象になり得ます。

雇用主が職場いじめを知った場合、第22条の2は直ちに有効で適切な措置を取るよう求めています。本人からの申立てによらず知った場合にも、必要な事実確認、本人の意思に沿った申立て等の支援、仕事の内容や場所の適切な調整などが必要です。日本本社が相談を受けた際も、現地雇用主が何を知り、どの措置を取ったかをたどれる記録が、台湾側の対応を検討する材料になります。

また、第39条は、同法に基づく申立てや他人の申立てへの協力を理由とする解雇、降格、減給などを禁じ、違反する不利益処分を無効としています。相談した社員の配置を変える場合にも、本人保護のための措置なのか、申立てを理由とする不利益なのかで評価が変わります。

面談室を描いた架空の画像です。実際の企業、相談者や申立ての場面を撮影したものではありません。

ニュース・法令確認日:2026年10月22日。台湾法に関する一般情報です。職場いじめの成立や申立て先は、当事者の関係と具体的な事実によって異なります。

参照資料

よくある質問

台湾子会社の最高責任者を相手に申し立てるにも、社内手続が先ですか?
職業安全衛生法第22条の3は、申立ての相手が最高責任者の場合、直轄市または県・市の主管機関へ直接申し立てられると定めています。社内調査や日本本社の承認を先に得ることは、この規定の要件ではありません。
総経理なら、必ず法律上の最高責任者に当たりますか?
肩書だけでは決まりません。地方主管機關受理最高負責人職場霸凌事件申訴處理辦法第2条・第3条は、登記上の対外代表者のほか、代表者業務の実質的遂行や人事・財務・経営の実質的支配に加え、第3条所定の条件を満たす者を対象にしています。台湾法人での地位と権限に即した判断が必要です。
退職した社員も地方政府へ申し立てられますか?
最高責任者を相手とする申立てには期限があります。職場いじめの行為終了から3年を過ぎると原則として受理されません。事件当時に在職していた社員は離職日から1年以内にも申立てができ、行為終了から3年の期限の方が長ければ、そちらが適用されます。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。

台湾の職場いじめ、最高責任者に対する申立てと日本本社の対応 | 昊鼎国際法律事務所