ニュースをきっかけに執筆した記事です。公開日以降に状況や法令が変わっている可能性があります。
「家庭用品」と申告されたコンテナから、知的財産権侵害が疑われる「ちいかわ」などの箸置きが見つかったと、フォーカス台湾が10月22日に報じました。検査自体は7月15日です。台湾の保安警察第三総隊が今回その結果を公表し、事件を高雄税関へ移送したという内容です。
台湾法人の仕入伝票に「雑貨」としか書かれていなければ、日本本社の担当者は、個々の商品と申告内容を照合できるでしょうか。
申告書と実際の貨物が食い違うとき
関税法第17条第1項は、輸入申告書にインボイス、梱包明細書その他の輸入に必要な関係書類を添えるよう求めています。種類の違う商品を一つの呼び名でまとめたままでは、書類の品名や数量と個々の貨物との対応をたどりにくくなります。
梱包明細書や所定の許可証などは、同条第3項により、税関の貨物引渡し許可前まで補って提出できます。
照合する単位は商品です。請求書と梱包明細書で名称が違っていても、品番や数量、写真を対応させれば、同じ品物を指しているかどうかを具体的に説明しやすくなります。どちらも大まかな分類だけなら、箱に入った物と書類を結ぶ情報が不足します。
担当者の説明を残す際にも、どの商品について説明したのかを特定できる資料があれば、後から申告の経緯をたどれます。
虚偽申告には制裁があります。海關緝私條例第37条第1項は、名称・数量・重量などの虚偽申告に対し、情状に応じて、免れた輸入税額の5倍以下の過料、貨物の没収、またはその両方を科すことができると定めています。販売価格が基準ではありません。
輸入規制の回避を伴う場合は、同条第3項により第36条第1項・第3項が適用されます。このため、5倍という数字を、あらゆる虚偽申告の上限として使うことはできません。問題となる貨物の種類と申告内容によって、適用される規定も変わります。
申告の正確さと、輸入できる商品の範囲
輸入禁止品もあります。関税法第15条第2号が挙げるのは、特許などの専利権、商標権、著作権を侵害する物品です。品名と数量を正確に書いたことだけで、この禁止がなくなるわけではありません。キャラクターの名前を申告書に載せるだけでは、その商品の権利関係を説明したことにはならないのです。
今回の報道は、権利侵害の疑いがある商品を税関へ引き継いだという内容です。個々の商品の違法性や処分が確定したという報道ではありません。どの権利が問題となるか、仕入先にどのような許諾があるかは、商品の資料に即した検討が必要です。
台湾法人と日本本社の仕入担当者が、商品の写真・品番・数量と請求書を対応させておけば、申告内容の食い違いを見つけやすくなります。仕入経路や使用許諾を説明する資料も、権利関係を検討する手がかりです。今回のように複数の商品を同じコンテナに入れる取引では、一括した呼び名の内訳が分かる資料が、その照合を支えます。
貨物の検品をイメージして制作した架空の画像です。実際の押収品や検査現場を撮影したものではありません。
参照資料
- フォーカス台湾、2026年10月22日:7月の貨物検査についての警察発表と税関への移送。
- 関税法:第17条(申告と添付書類)、第15条(輸入禁止品)。
- 海關緝私條例:第37条(虚偽申告への制裁)、第36条(第37条第3項が適用を定める規制回避の制裁)。
確認日:2026年10月24日。台湾の輸入規制に関する一般情報であり、報道された商品の権利侵害や個別の処分を認定するものではありません。
よくある質問
- 台湾の輸入申告では、どのような書類が必要ですか?
- 関税法第17条第1項は、輸入申告書にインボイス、梱包明細書その他の輸入に必要な関係書類を添えるよう定めています。梱包明細書や所定の許可証などは、同条第3項により税関の貨物引渡し許可前まで補って提出できます。
- 虚偽申告の過料は、商品の販売価格の5倍までですか?
- 海關緝私條例第37条第1項の基準は、免れた輸入税額です。情状に応じて、その5倍以下の過料、貨物の没収、または両方を科すことができます。輸入規制の回避を伴う場合は同条第3項により第36条の規定が適用されるため、5倍をあらゆる案件の上限とはいえません。
- 品名や数量を正しく申告すれば、権利侵害品でも輸入できますか?
- できません。関税法第15条第2号は、専利権、商標権、著作権を侵害する物品の輸入を禁じています。申告内容の正確さと、商品自体が輸入禁止品に当たるかは別の問題です。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



