台湾の自宅や会社に捜索が入ったとき、捜索票と同意を確かめる
← コラム一覧へ台湾の刑事訴訟コラム台湾法律情報

台湾の自宅や会社に捜索が入ったとき、捜索票と同意を確かめる

約5分

「搜索票」と書かれた台湾の捜索票には、事件の内容、調べる人や物、電磁的記録、場所、有効期間などが記載され、裁判官が署名します。自宅や会社で提示されたら、実際に調べようとしている部屋や端末と、書面の対象がどう対応するか確かめます(刑事訴訟法第128条)。

捜索票がない場合にも、台湾法には例外があります。「票がない」という理由だけで押し問答を続けず、執行する機関、担当者、法律上の根拠を確認します。会社の法務担当者や台湾の弁護士に連絡する場合も、現場の状況と提示された書類の内容を伝えます。

書面のどこを見ればよいか

捜索票を使う執行では、原則として住居の人や管理者などに提示する手続が定められています。法律上、捜索票を要しない場合は別です(第145条)。

住所だけでなく範囲を見ます。

同じ建物に住居と事務所がある、複数の会社がフロアを使っている、個人と会社で端末を共用しているといった事情は、具体的に説明します。書面に分からない中国語があれば、意味の説明を求め、何が分からなかったかを記録します。

第148条は、住居の人、管理者またはその代表者の立会いを定め、これらの人がいない場合の近隣住民や地域の職員による立会いも規定しています。本人が不在なら一切執行できない、という仕組みではありません(第148条)。

捜索票を使わない三つの場面

逮捕などに伴う捜索では、被疑者・被告の身体、携帯している物、使用する交通手段、直ちに手が届く場所について、捜索票なしに調べることができます。どこまでも範囲を広げられる規定ではありません(第130条)。

住居などについては、逮捕対象者が中にいると認める相当な理由がある場合、現行犯の追跡、現に犯罪が行われている明らかな事情と緊急性がある場合など、第131条の要件を確認します。捜査中に証拠が急速に失われるおそれがある場合の検察官による捜索と、裁判所への事後報告・審査も同条に定められています(第131条)。

もう一つが同意による捜索です。第131条の1は、捜索を受ける人が自発的に同意した場合、捜索票なしの執行を認めています。執行者は身分証明書を示し、その同意を記録しなければなりません。

同意の範囲を確かめます。何を探すのか、どの部屋・かばん・端末を調べるのか、署名する書類に何と書かれるのかを確認します。理解できないまま「説明を受けて同意した」と記録されないよう、不明点を伝えてください。他方、同意がない場合でも、別の法律上の根拠で捜索できることはあります。

会社の端末や顧客情報が含まれる場合

駐在員の自宅にあるパソコンでも、会社所有の端末、個人の端末、顧客から預かった物では関係者が異なります。所有者、管理者、業務上の用途を説明できるようにします。会社資料であることだけを理由に、捜索の対象から当然に外れるわけではありません。

現場から会社へ連絡するときは、担当機関、捜索票の対象、持ち出された機器や資料を正確に共有します。通知を受けた同僚が関係データを消したり書き換えたりしないよう、保存を優先します。これは事実を残すための対応です。

端末については、捜索票があるという一言から、すべてのアカウントを無制限に調べられると結論づけることはできないため、端末本体の押収、端末内の情報の捜索、パスワードやクラウドへのアクセスに関する要求は、内容を分けて確認します。要求された操作と根拠を、書類とともに弁護士へ伝えます。

持ち出された物の記録を残す

押収した物には目録を作り、所有者、所持者または保管者に受取証を渡す規定があります(第139条)。「パソコン一式」などの記載が、実際の機器や付属品と対応しているかを確認します。会社の機器なら、管理番号が分かる資料も残します。

現場での異議と、押収後に物を返してもらう手続は、検討する内容が異なります。終了時刻、説明された根拠、対象に疑問を伝えた箇所、受け取った書類を控え、早めに相談します。返還の申立てや押収処分への不服申立ては、押収されたスマートフォン・物品の返還の記事を参照できます。

参照法令

確認日:2026年10月8日。台湾の中国語の刑事訴訟法本文を参照しています。

よくある質問

捜索票がないなら、捜索は必ず違法ですか?
台湾法は、逮捕に伴う一定範囲の捜索、法律が定める緊急の場合、本人の自発的な同意がある場合などに例外を認めています。捜索票の有無に加え、どの根拠で、どの範囲を調べるのか確認します。
同意の書類に署名するとき、何を確認しますか?
刑事訴訟法第131条の1は、自発的な同意、執行者の身分証明書の提示、同意の意思の記録を定めています。対象となる場所や端末、説明の意味が分からない点を確認し、通訳や弁護士への相談を求めます。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。