台湾の大学から入学許可が届いたら、ビザ免除で渡台し、現地で学生の居留手続を済ませられるでしょうか。BOCA(外交部領事事務局)の留学生向け案内は、通常の留学手続では、この方法での居留査証への変更を認めていません。
停留査証(Visitor Visa)やビザ免除は、認められた目的と期間の範囲で短期滞在する仕組みです。就職、留学、家族との同居を理由に取得する居留査証(Resident Visa)は台湾の在外館処などで申請し、その後の居留許可と外僑居留証(ARC)は内政部移民署が扱います。
就職・赴任は就労許可の区分から
日系企業に赴任する場合も、台湾企業へ転職する場合も、申請の出発点は担当する仕事です。就業服務法第43条は、別に定める場合を除き、雇用主が申請して許可を得なければ外国人は台湾で働けないと定めています。人事担当者と職務内容・雇用主・就労期間を共有し、それに対応する許可書、または許可を免除する根拠をそろえます。
法律上の「外国専門人材」「外国特定専門人材」には、入国後に移民署へ直接居留を申請する経路があります。外国人労働者の総称ではありません。外国専門人材招致・雇用法第16条の対象は、ビザ免除または停留査証で入国し、専門業務の就労許可を得た人、または許可免除の要件を満たす人です。
入国制度にも制限があります。専門人材本人と家族の直接申請について、移民署の0915案内は、試行的なビザ免除やTAC(所定の国籍向けのオンライン渡航認証)などによる入国を、別段の規定がある場合を除いて対象外としています。「ビザ免除」という名称だけで選ばず、旅券の国籍と利用する入国制度を申請先へ伝えます。
工場、介護、建設などの分野で移住労働者(移工)として雇用される人は、採用許可・雇用許可などを用いる移工用の手続に従います。専門人材・家族向けのオンライン手続とは対象が異なり、転職や家族の帯同も本人の雇用区分によって扱いが変わります。
採用通知だけでは働けません。会社と本人が分担して準備するときは、就労許可の進行状況を共有して、申請する人と提出する書類を決め、その状況に合わせて渡航日と勤務開始日を調整します。
大学・大学院への留学
正規課程に進学する人には、国外にいる間に台湾の在外館処へ居留査証を申請する方法と、留学目的の停留査証で入国し、移民署へ直接居留を申請する方法があります。どちらも、学校の受入資格や本人の入国条件を満たすことが前提です(BOCA留学生向け案内、入出國及移民法第23条第4項)。入学許可は申請を支える資料であり、それ自体が居留の許可にはなりません。
学校には入学許可や在学・登録証明の発行を依頼します。健康診断や海外文書の認証は、査証を申請する段階と台湾で直接居留を申請する段階で要求が異なるため、直接申請を選んだ人は学生用オンライン申請の案内に沿って資料をそろえます。
アルバイトにも許可が要ります(雇主聘僱外国人許可及管理辦法第53条)。学生のARCを取得していても、就労許可の申請は必要です。学校の担当部署と申請資格や許可の状況を確かめてから、勤務を始めます。
中国語学習は、学習期間と出席状況も条件
中国語教育機関への登録だけで、すぐ居留を申請できる制度ではありません。対象となるのは、教育部が認める大学等に付属した中国語教育機関です。そこで4か月の学習を終え、さらに3か月以上の登録を続けることなどが必要です。
授業は週15時間以上です。BOCAの中国語学習の案内では月曜から金曜までの授業を対象とし、休暇扱いを含む欠席が授業時間の4分の1を超えないことも求めています。学校からは出席記録も受け取ります。
この経路では、中国語学習目的の停留査証で入国し、学習・継続登録の要件を満たした後に、直接居留を申請します。ビザ免除、到着査証、別の目的の停留査証で入国した人が、中国語学習を理由に居留査証へ変更したり滞在を延長したりする通常の手続は認められていません。学費の支払いを決める前に、学校が出す書類と査証の目的が、この経路に合うかを学校へ尋ねます。
家族との同居は、台湾側の家族の資格による
家族との同居では、台湾人との婚姻と外国人赴任者への帯同で居留の根拠が異なるため、婚姻・出生の証明とともに台湾側の家族の身分資料を準備します。
| 家族関係 | 申請の基礎となる資料・条件 |
|---|---|
| 台湾に居住し、戸籍のある国民の配偶者 | 台湾での婚姻登録、配偶者の戸籍・身分資料、本人の査証と入国経路 |
| 台湾で居留を許可された専門人材の配偶者・子 | 帯同の基礎となる本人の居留資格、対象となる親族の範囲、関係証明 |
| 上記以外のARC保有者の家族 | その居留区分で依親申請が認められること、除外規定に当たらないこと |
台湾人配偶者を基礎とする申請では、移民署0902案内に従い、台湾で婚姻を登録したことを証明します。停留査証から居留へ進む場合は、滞在期間が60日以上で、延長不可などの制限が付されていないことを含め、入出國及移民法第23条第1項の条件を満たさなければなりません。婚姻していても、入国方法によってはこの変更が認められません。
専門人材の家族には、外国専門人材招致・雇用法第16条第2項が適用されます。基礎となる本人は、台湾で専門業務に従事する外国専門人材、または外国特定専門人材で、居留もしくは永久居留を許可されていることが条件です。その配偶者、未成年の子、心身の障害により生活を自立して営めない成年の子は、ビザ免除または停留査証で入国して直接居留を申請できます。両親はこの範囲に入りません。
配偶者自身が働く場合、台湾に戸籍のある国民と結婚し、居留を許可された外国人は、就業服務法第48条第1項第2号によって就労許可を免除されます。外国人同士の婚姻については、本人に適用される別の就労資格や免除によります。
ゴールドカードや起業家として申請する場合
就業ゴールドカードは、外国特定専門人材の就労許可・居留査証・ARC・再入国許可を一つにまとめた制度です。本人が申請します。雇用主による通常の申請とは準備する資料が変わります(外国専門人材招致・雇用法第9条)。
会社を設立するだけで居留まで許可される制度ではないため、起業を予定している人は、移民署の起業家向け案内0928に定められた対象と審査資料に従って準備します。
申請経路が決まった後の書類と手数料はARCの初回申請、取得後の届出は更新・変更・再入国を参照できます。学校や雇用先が発行する書類と申請の順序を判断できるよう、連絡する際には、旅券の国籍、渡航目的、予定する入国方法、現在地と渡航予定日を一緒に伝えます。
参照した公式資料
確認日:2026年10月24日。外国人に適用される台湾の一般的な入国・居留制度の説明であり、中国大陸・香港・マカオの住民や台湾の無戸籍国民には別の制度があります。個別の申請資格は、本人の身分と提出書類に基づいて審査されます。
- 外国専門人材招致・雇用法第9条、第16条。
- 入出國及移民法第23条。
- 就業服務法第43条、第48条。
- 雇主聘僱外国人許可及管理辦法第53条。
- BOCA:居留査証の案内、正規課程の留学生、中国語学習の居留。
- 内政部移民署:一般居留0902、学生0929、専門人材・家族0931、移工0926。
- 内政部移民署:停留査証・ビザ免除による入国後の居留申請0915、起業家向け申請案内0928。
よくある質問
- 大学の入学許可があれば、ビザ免除で入国して学生のARCを申請できますか。
- BOCAの通常の留学手続では、ビザ免除、到着査証、留学以外の目的の停留査証で入国した人は、留学を理由に台湾内で居留査証へ変更したり滞在を延長したりできません。入学許可を受け取ったら、出発前に学校と台湾の在外館処へ、留学目的の居留査証または停留査証で進める手続を尋ねます。
- 中国語センターへの登録後、いつから居留を申請できますか。
- 教育部が認める大学等に付属した中国語教育機関で4か月の学習を終え、さらに3か月以上の登録を続けることなどが条件です。登録した直後には、この学習期間を満たしません。入国時の査証の目的、週の授業時間、欠席時間の要件もあります。
- 台湾で働く外国人の配偶者としてARCを取得したら、働けますか。
- 配偶者本人に適用される就労許可または免除の要件によります。台湾に戸籍のある国民と結婚し、居留を許可された外国人には就業服務法第48条の免除がありますが、外国人同士の婚姻は同じ規定の対象になりません。家族としての居留資格と、働く資格の両方が必要です。
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。



