台湾のジム事故損害賠償:一審事例・期限・証拠・賠償項目
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台湾のジム事故損害賠償:一審事例・期限・証拠・賠償項目

曾雋崴弁護士約9分

本稿では、台湾のジムでトレーナーの指導を受けていた韓国人大学生が負傷した事例をもとに、事故後に検討し得る法的手続、期限、証拠の確保、損害項目を解説します。

事故は台中市内のジムで、トレーナーの指導を受けてデッドリフトを行っている最中に発生しました。負傷後は、単に事故がジム内で起きたという事実だけでなく、利用者の運動経験や健康状態、運動の種類と重量、トレーナーによる説明と指導、当時の動作と対応、負傷と運動との因果関係、損害を裏付ける資料を併せて検討する必要があります。

本件では、曾雋崴弁護士(Wei Tseng)が原告である韓国人学生の訴訟代理人を務めました。台湾台中地方法院は、2022年1月24日付の一審判決(109年度消字第7号)で、被告に対し、原告に1,579,589台湾ドルと判決に記載された利息を支払うよう命じました。

その後、当事者が控訴審で和解したことがメディア報道により伝えられました。公式の一審判決だけでは控訴審の処理結果や和解額を確認できないため、これを一審判決の確定結果とみなすべきではありません。

以下は、本件を扱った報道、オンライン上の議論、法律解説の見出しを日本語にしたものです。各見出しはリンク先の記事や投稿を紹介するためのものであり、本稿がその内容を独自に事実認定するものではありません。

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男子大学生、90キロのデッドリフト後に椎間板破裂…ジムに損害賠償を請求

PTT投稿:韓国人男子大学生、90キロのデッドリフト中に椎間板破裂…一審でジム側に157万台湾ドルの賠償命令

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法律解説:男子大学生、デッドリフト中に椎間板破裂…一審で有名ジム側に157万台湾ドルの賠償命令

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本件が実務上意義を有するのは、ジムで負傷したという事情だけで直ちに責任が決まるわけではないことを示しているためです。サービス提供者が負う安全確保義務の内容、具体的な指導行為と注意義務違反、負傷とその行為との因果関係、損害の範囲は、各事案の資料に基づいて判断されます。刑事手続と民事手続では要件と期限も異なるため、事故直後から記録を区分して整理しておく必要があります。

以下は、台湾のジムでの負傷をめぐる紛争について一般的に説明するための情報であり、特定の事案についての法的助言ではありません。実際の権利と対応方法は、契約関係、事故の経緯、負傷の原因と程度、当事者の行為、保険約款、確保された証拠、適用法令によって異なります。

1. 台湾のジムで負傷した場合、どのような法的手段を検討できますか?

台湾消費者保護法第7条は、事業者がサービスを提供する際、そのサービスが提供当時の専門的・技術的水準に照らして合理的に期待される安全性を備えるようにしなければならないと定めています。

ただし、この規定は、ジムで負傷すれば常に事業者やトレーナーの責任が成立するという意味ではありません。具体的にどのような注意義務があったか、その義務に違反したか、違反と負傷との間に因果関係があるか、実際に損害が発生したか、相手方にどのような抗弁があるか、各主張と抗弁を裏付ける証拠があるかを事案ごとに判断する必要があります。

過失傷害罪の法定要件が満たされる場合には、刑事告訴を検討できます。民事上の損害賠償請求も検討できますが、契約責任、不法行為責任、消費者保護法上の責任のいずれが根拠となるか、その責任範囲は具体的な事実関係によって異なります。一つの事故について複数の手続を検討できるからといって、すべての手続を行わなければならないわけではなく、いずれか一方の勝訴が保証されるわけでもありません。

2. 刑事告訴と民事上の損害賠償請求には、どのような期限がありますか?

台湾刑法第287条により、同法第284条の過失傷害罪は、被害者等の告訴がなければ訴追できない親告罪です。台湾刑事訴訟法第237条によれば、告訴権者は原則として犯人を知った時から6か月以内に告訴しなければなりません。

不法行為による損害賠償請求権は、台湾民法第197条により、被害者が損害と賠償義務者の双方を知った時から原則として2年間行使しないと消滅し、不法行為の時から10年を経過した場合も消滅します。

ただし、契約責任など別の請求原因が問題となる場合や、起算点、期間の進行・中断などに関する別の規定が適用されるかどうかは、事実関係によって異なります。事故日や診断日だけで期限を断定せず、考えられる請求根拠と基準日を早期に個別確認するのが安全です。

3. 事故後の証拠は、どのように確保・保存すればよいですか?

責任、因果関係、損害を説明するためには、事故当時の防犯カメラ映像だけでなく、診療録や診断書、医療費・交通費・介護費の領収書、ジムやトレーナーとのメッセージ、目撃者の供述、レッスンの予約・出席記録、運動計画表やトレーニング記録など、複数の資料を併せて収集するとよいでしょう。負傷部位や事故現場の状況も可能な範囲で撮影し、事故前後の経過や連絡内容を日付順に整理しておくと、後から資料を照合しやすくなります。

映像は、保存期間が過ぎると上書きされたり、その他の理由で利用できなくなったりすることがあります。そのため、必要な時間帯と場所、カメラの位置を具体的に記載した内容証明郵便や弁護士名義の書面により、ジムへ保存を要請する方法を検討できます。このような書面は、何をいつ要請したかを記録するための実務上の措置です。ただし、それ自体によって相手方に映像を保存する法的義務を新たに課したり、削除を防いだりできるわけではなく、映像が残っていないという事情だけで裁判所が自動的に不利な判断をするわけでもありません。

事故の経緯が犯罪の構成要件に該当する可能性がある場合は、速やかに被害を申告し、捜査機関に適法な取得または保全の根拠があるかを判断してもらうことが考えられます。申告したからといって警察や検察が必ず防犯カメラ映像を取得するというわけではないため、医療資料や通信記録など、当事者が自ら保存できる資料も併せて確保する必要があります。

4. ジム事故では、どのような損害項目を請求できますか?

請求を検討できる損害項目は、次のとおりです。実際に認められるか、またその額は、各費用の必要性、事故との因果関係、証拠、責任割合および裁判所の判断によります。

  1. 医療費:診察、検査、治療、薬、リハビリのために実際に支出した費用を、領収書や診療資料で立証します。
  2. 必要な介護・付添費用:負傷の程度と治療経過に照らして介護が必要であったか、その期間と費用が相当であったかを、医療資料と支出資料に基づいて検討します。
  3. 必要な交通費:治療のために医療機関へ通うのに必要な費用を、移動記録や領収書などで立証します。
  4. 労働能力の喪失による損害:後遺障害と継続的な労働能力の低下が認められる場合、医学的・職業的資料、障害の程度、職業と収入、残りの就労可能期間などを総合して評価できます。障害の割合だけで賠償額が確定したり、損失が退職時まで自動的に計算されたりするわけではありません。
  5. 療養期間中の休業損害:治療や療養のため実際に働けなかった期間と減少した収入を、給与、税務、勤務記録などで立証します。
  6. 非財産的損害:精神的苦痛に対する金額は、負傷の程度、治療期間、後遺症、当事者の具体的事情など、事案ごとの要素を踏まえて裁判所が定めます。
  7. 懲罰的損害賠償:消費者保護法が適用される訴訟では、同法第51条により、事業者の故意による損害について実損害額の5倍以下、重大な過失について3倍以下、過失について1倍以下の懲罰的損害賠償を請求できるとされています。同法がその事案に適用されるか、裁判所が賠償を認めるか、その額をいくらとするかは、法定要件、証拠、裁判所の評価によります。

5. ジムに賠償責任保険があっても、賠償の可否や金額が争われることがありますか?

はい。保険が存在するという事実は、賠償原資を検討する際に意味を持つ場合がありますが、それ自体によってジムやトレーナーの法的責任が認められたり、支払額が確定したりするわけではありません。保険契約の補償限度額や免責・除外条項、事故と負傷との因果関係、各損害項目の必要性と金額をめぐり、保険者と当事者の間で争いが生じることがあります。

特に、労働能力の喪失、回復期間中の収入減少、非財産的損害については、医療・収入・職業に関する資料や専門家の意見が必要となる場合があります。保険者が提示した金額や被害者が請求した金額がそのまま裁判所の認定額になるわけではなく、後遺障害の評価結果も賠償額を自動的に決定するものではありません。実際の対応に当たっては、保険証券と約款、事故通知の内容、保険者の回答、治療経過、損害資料を併せて確認する必要があります。

ジムで負傷したときは、まず必要な診療を受け、入手できる資料が失われる前に保存し、事案に適用され得る期限と手続について早期に個別の助言を受けることが重要です。交渉、消費者からの苦情申立てや調停、刑事告訴、民事上の損害賠償請求は、いずれも事案に応じて選択できる手段であり、常にすべてを行わなければならない手続ではありません。

事業場の床での転倒、食品による健康被害、専門的サービスを利用している間の負傷でも、安全確保義務、因果関係、損害、証拠が争点となることがあります。ただし、ジム事故の結論を別の事故にそのまま当てはめることはできないため、各事案の契約と行為、関連法令を個別に検討する必要があります。


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